ニュース
録画を語らないレコーダ発表会(半年ぶり2回目)。パナソニックDIGAは家族(とペット)をつなぐ
2018年9月28日 18:03
パナソニックは28日、ブルーレイディスクレコーダー「おうちクラウドディーガ(DIGA)」新製品発表会を開催したが、今春4月29日の発表会に続き、今回も“録画”や“画質”といった「レコーダー」の機能訴求は無し。おうちクラウドにより、写真や動画を共有して「家族をつなぐ」コミュニケーション、「新たな家族のつながり」のためのレコーダーを強調した。
DMR-UBZ2060など新DIGAの特徴はサイズとデザイン。幅430mmの横長で黒一色だった歴代のデザインを一新し、横幅を従来の約半分(215mm)に縮め、本体カラーもホワイトを基調のものとした。従来の“レコーダー”のイメージを形状から一新し、インテリアのトレンドである"ナチュラルテイスト"(ホワイト系の壁紙と明るい木目調の床)やユニットシェルフとのマッチングを考慮。リビングになじむサイズとデザインに生まれ変わった。製品の基本仕様等については別記事を参照してほしい。
白いDIGAは新たなリビング環境に適応するための変化
パナソニック コンシューマーマーケティング ジャパン本部 AVC商品部の宮地 晋治部長は、「日本のあらゆる世代へ、新しい『暮らしのお役立ち』を」という目標とともに、同社製品が提案する「家事シェア」、「おいしい7days」、「健康なわが家」、「家族をつなぐ」、という「4つのお役立ち」を紹介。おうちクラウドDIGAは、「家族をつなぐ」ための製品と位置付ける。
録画したテレビ番組を見るだけでなく、遠く離れた祖父に写真を送る、スマホの写真を家族で大画面テレビで見るといった写真や動画のシェア、スマホ画像のバックアップ、といった「おうちクラウド」の主要機能を紹介。4月に発売した全自動DIGAから、おうちクラウドによる「家族をつなぐ」を前面に押し出して提案した結果、購入検討者における女性比率が従来の25%から42%と、約1.7倍に向上。その方針をさらに推し進めたのが、新しいおうちクラウドDIGAとなる。
「スペックを見ながら“お父さんが選ぶ録画機”から、“家族で選び、家族で使うおうちクラウドDIGA”になった」と、宮地部長は説明。そこで今回着目したのが、DIGAを設置するリビングの環境。
リビングのカラーは、ホワイトの壁紙や明るい木目調が主流となっており、これまでの黒くて横幅の長いレコーダー(黒DIGA)では馴染まない。また、近年増えているユニットシェルフにも430mmの横幅は入らない。
「現代の家族に最適な形のレコーダーはなにかを考えた」結果、白を基調にユニットシェルフにも入るサイズを採用した「白いDIGA」に生まれ変わったとする。
おうちクラウドDIGAでは、離れた家族との写真共有や家族みんなの写真をDIGAに保存して大画面で見られるなど、「家族のつながり」を深める機能を強化。一方で、家族に見られたくないプライベートな写真を自分のスマホだけでみられる「プライベートモード」も追加した。
さらに、USB接続して本体のボタンを押すだけでデジタルカメラやビデカメラから画像や動画を取り込める機能も搭載。家族の写真や動画をすべて1台に集めて皆が楽しめるレコーダーを目指したという。
加えて「家族」の単位にも着目。自宅や実家をつなぐだけでなく、「ペット」も家族と考え、DIGAと連携するペット用のネットワークカメラ「HDペットカメラ KX-HDN205」を発売する。HDペットカメラは、カメラを無線LANに接続し、200万画素のフルHD動画で外出中でもペットの様子などを確認できるもの。
カメラは左右360度、上下90度の範囲でペットに動きにあわせて追尾。動体検知センサーと赤外線センサーにより、ペットが動くと自動的にSDカードに動画撮影し、DIGAに動画を転送。外出先のスマートフォンから録画した映像を楽しめる。「普段見ることができないペットの姿も確認できる」とする。HDペットカメラは12月13日に発売。店頭予想価格は24,000円前後。
「パナソニック録画機から撤退」と遠藤憲一氏が(勝手に)語る
発表会には、パナソニックのテレビCMに出演中の遠藤憲一さんも登場。
遠藤さんは「機械のことはわからないので俺でいいのかなーと思っていたけれど、一作ごとに都度都度、“へー”と感心しながらCMに出ている」と語り、宮地部長におうちクラウドDIGAへの質問を投げかけながら対談。
遠藤:「そもそも録画機でしょ? パソコンじゃダメなの?」
宮地部長:「DIGAはテレビの下において、DIGAに保存すると大画面のテレビで、テレビもスマホの写真も見られる。そして思い出をディスクに保存できる」
遠藤:「まあそうなんですよね(笑)」
などとテンポよく進行。
「世の中のクラウドとおうちクラウドとの違いはなに?」と遠藤さんが質問すると、宮地部長は「大切なプライベートな写真は、手元に置いておきたい。大切な思い出を大切に保存したい」と応じた。
そして、「小さく白くなったのはなぜ?」との質問に、宮地部長が「これまでのレコーダーに新しい価値を……」と応じると、遠藤さんは「脱録画機宣言ですね。明日のニュースの見出しは『パナソニック録画機から撤退』でいいです」とまとめた。
おうちクラウドを軸に据えるのであれば、遠藤さんが尋ねたように、HDDやBDも省いた製品があってもよさそうだ。改めて、宮地部長に聞くと「購入者の写真共有の利用率は10%を超えて、おうちクラウドは浸透してきている。いまはレコーダーだが、プライベートモードを新たに追加したように、一人に一台という方向性についても考えている」と答えた。
なお、レコーダーとしての基本機能は、従来の黒DIGAとほぼ共通だが、新機能として番組のニュース記事からの番組検索や予約に対応。再生した番組に関連した記事をポップアップで表示し、記事を読める。登録されているタイトルを番組表から自動的に検索し、タイトルに合致した番組があれば、ポップアップでお知らせする。UHD BD対応の3チューナー/2TB HDD搭載モデル「DMR-UBZ2060」など、4モデルを用意し、店頭予想価格は71,000円~96,000円前後。
月産台数は4モデル合計で23,500台。BS4K対応の「DMR-SUZ2060」や全自動DIGA、エントリークラスなどで横長の黒いDIGAも引き続き展開するが、DIGAの中核モデルは白DIGAとなる。