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REGA、新筐体のハイエンドレコードプレーヤー「Planar 10」。カートリッジも

完実電気は、英REGAブランドのレコードプレーヤー「Planar 10」を2月6日より発売する。価格は65万円。MCカートリッジ「Apheta 3」も22万円で同日に発売する。2製品がセットになった「Planar10 with Apheta 3」は80万円。

Planar 10

Planar 10

同ブランドビルダーRoy Gandyと、彼の右腕というPhill Freemanによるプロジェクト「Naiada」で築き上げたクラフトマンシップを開発に反映したというレコードプレーヤー。Planar 8で開発したポリウレタンフォームキャビネット「tancast 8」を採用している。

新規開発のポリウレタンフォームキャビネット

同ブランドのレコードプレーヤー「RP8」「RP10」のスケルトンデザインを進化させ、質量の分配を見直した。さらに、キャビネットデザインに改良を加え、従来モデルに比べ30%の以上の軽量化を実現。

同ブランドのアームテクノロジーを進化させ、ハイエンドモデル「Naida」で開発したエッセンスを近年開発した技術に反映させたというトーンアーム「RB3300」搭載。ベアリングとそのハウジングの精度を向上させ「ベアリングの真円性と平衡性は、ミクロン単位までのレベルにまで達することができた」としている。

RB3000は、Naidaに搭載されている、接合部が少ない形状を採用。塗装も止め、軽量化を徹底したという。ターミナルの接続性も改善。接点でのロスが最小になる設計とした。

サブプラッターを回すハブベアリングの一体成型を実現

サブプラッターを回すハブベアリングの一体成型を実現。アルミ合金製のベアリングのハウジング加工と合わせることで、剛性と制振性に優れ、平衡性を保つことができるという。「サブプラッターが、モーター側に傾くことなく垂直性を保ちながら、滑らかな回転を実現した」としている。

異種合金で作られた2枚のプレートを天面と底面に加えた「デュアルブレイシング・テクノロジー」で、アームベースとプラッターの軸上を結ぶエリアの剛性向上と優れたバランス配分を実現。さらに、プレート形状を見直し、軽く、精度のよいというベアリングを採用。「不要なエネルギーの発生を抑えることに成功した」としている。

天面は、セラミックで成形されたプレートを採用。底面は、従来モデルより厚さが増した3mm厚のフェノールプレートを合わせ、剛性が向上。軽く、剛性の高い異種合金素材の組み合わせは、単一素材ならではの「鳴り」を避け、不要な共振と音のエネルギー感の損失を防ぐとしている。

アームベースとプラッターの軸上を結ぶエリアの剛性向上と優れたバランス配分を実現

RP10で評価されたというセラミックプラッターを再度新規に開発。「原材料のセラミックパウダーから見直し、ダイアモンドカットを一層向上させ、優れた水面性と歪みのないホイール加工を実現した」という。

モーターは、2相24VのACシンクロナス低電圧モーター。性能をさらに引き出すため、Roy Gandyのプライベートプロジェクト「Naiada」シリーズで開発されたテクノロジーを採用。モーターへの電圧供給と振動対策を強化し、回転制御がより向上したという。

駆動はベルトドライブで、33 1/3回転、45回転対応。ベルトも新規開発。ゴムを原料とした別注品の科学系素材を使い、さらに切れにくく、滑らかで、たるみにくい形状を実現。

セラミックプラッター

電源は別筐体で、新DSPを採用。クオーツクロックの精度が向上し、正確な電源供給を実現したという。「DSPはほぼ完全な波形を生成し、回転ムラ、鳴りが抑えられ、不要な振動がプラッターやキャビネットに伝わらない」としている。トロイダルトランスを採用。45回転個別に回路設計している。

フットは3層構造で、新規起型のアルミキャップを採用。「安定した設置だけでなく、防振にも大きく貢献している」という。

外形寸法と重量は、ダストカバーを含めた状態のレコードプレーヤーが約420×125×315mm(幅×奥行き×高さ)、重量4.7kg。電源ユニットが約218×320×80mm(同)、重量3kg。

電源ユニット

MCカートリッジ「Apheta 3」

MC型の別売りカートリッジ。針を90度角に加工し、先端が不要に揺らぐことなく、レコード盤の溝をより正確にトレース。この手法は、上位モデル「Aphelion」(55万円)にも採用され、その優れた加工を下位モデルでも実現したという。

Apheta 3

出力特性に優れたネオジウムマグネット採用。MCカートリッジの概念を覆す力強い音質を実現したとしている。

コイルを独自の方法で手巻きし、オリジナルのAphetaの半分にダウンサイズ化。トラッキング性能を向上させたという。オーディオ特性に優れたワイヤーは、ネオジウムマグネットとの採用と相まって、クリアーな高域と締まった低域の再生を実現をしたという。

本体はアルミの一体成型。クリアーカバーでコイル、ワイヤーを保護。経年劣化を避けるため、ゴムを使ったスティールサスペンションは採用しなかったという。「軽量化とダンピング特性を向上させ、経年変化の少ない特性を実現した」としている。

針圧は1.9~2g。出力抵抗は10Ω。出力電圧は350μV。チャンネルバランスは20μV以上。セパレーションは-29dB以上。高さは16mm。

背面