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新宿バルト9に本格VR鑑賞設備が4月から常設。多人数同時VR実現

VAIOと東映、クラフターの3社は、VR映画などの多人数同時鑑賞が可能な本格的VR設備を、映画館「新宿バルト9」に4月より常設すると発表した。イベントなどでも活用され、最初の事例として4月4日の「平成31年度N高等学校バーチャル入学式」で採用される。

多人数同時VR鑑賞の「映画館でVR! 」(2018年のイベント上映時)

3社はVR映画に関する共同事業「VRCC(VR Cinema Consortium)」を推進しており、映画館施設を用いた多人数同時鑑賞が可能な「映画館でVR! 」を展開。これまでの取り組みとして、2018年7月に日本初のVR映画興行の先行体験上映も実施している。

映画館でVR! は、「多人数同時鑑賞」と「低コスト」、「運用しやすいシステム」の3つが特徴。ハードウェア性能とコンテンツ品質のバランスを調整し、相互技術連携で無線ネットワークを使用した多人数同時鑑賞を実現。映画館の本格的な5.1chスピーカーからの音響に加え、他者の歓声や悲鳴がVR映像への没入感を高めるという。

既存劇場に無線アンテナとサーバーを設置するだけで完了し、大がかりな工事は不要。スタンドアローンVRヘッドセットを含む全システムをVRCCが提供する。上映前のガイダンスでスタンドアローンVRヘッドセットの装着を説明。劇場側での介助や鑑賞者自身の操作を限りなくゼロに近づけるよう、ハードウェアをカスタマイズしたという。

常設して最初の活用は学校法人角川ドワンゴ学園による「平成31年度N高等学校バーチャル入学式」。仮想空間の中で新入生は3Dキャラクターとなって参加し、バーチャル奥平校長が式辞を述べる。日時は4月4日14時~15時(13時30分開場)。場所はバルト9のシアター7。なお、式の様子はニコニコ生放送でも「ネット入学式」として生配信され、全国の新入生はオンライン視聴やニコニコ動画の流れるコメントを通して参加できる。

今回のN高校バーチャル入学式のように、VRCCは映画以外でも活用を目指し、イベント開催の促進など、今後も様々な取り組みを続けていくという。

これまでの「映画館でVR! 」デモの様子