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2倍明るいPro IGZOスマホ「AQUOS R3」。AI動画自動編集&ワイヤレス充電

シャープは、第5世代IGZO液晶パネル「Pro IGZO」を搭載したスマートフォンの新フラッグシップ機種「AQUOS R3」を2019年初夏以降に発売する。カラーはプレミアムブラックとプラチナホワイト、エレガントグリーン、ピンクアメジスト、ラグジュアリーレッドの5色。OSはAndroid 9 Pie。

AQUOS R3

6.2型/3,120×1,440ドットの「Pro IGZO」液晶パネルを搭載したスマートフォンAQUOSのフラッグシップモデル。Dolby Visionに対応し、従来のAQUOS R2に比べ約2倍の800cd/m2という明るさで、HDR映像を忠実に再現可能としている。

Dolby Visionに対応
第5世代IGZOのPro IGZOを搭載

Pro IGZO採用により、色再現も従来機R2の1,677万色から、10億色に向上。制作者の意図通りの画質を再現できるということから「True HDR」と呼んでいる。肌の質感や青空のグラデーションなども滑らかな階調感で表現可能としている。

10億色表示で「True HDR」を謳う

そのほか、周囲の明るさコンテンツにあわせて輝度とコントラストを自動調整する「アウトドアビュー」も搭載。通常時はコントラストを最適化した低消費電力表示を行ない、直射日光下では高輝度で視認性が高い表示に自動で切り替わる。また、120Hz駆動のタッチ操作性で、Twitterのタイムラインなども滑らかにスクロールできるという。

120Hz駆動で滑らかにスクロール

動画用と静止画用の2つのアウトカメラを搭載。動画用は2,010万画素で、125度の広角レンズと強力な電子手ブレ補正を搭載。従来比4倍の光を取りこめる「Quad-Bayer配列」のセンサーを新たに採用。暗いシーンでもノイズを抑えて撮影可能としている。

動画用と静止画用のカメラを搭載
動画用カメラはQuad-Bayer配列

動画撮影の新機能「AIライブストーリー」を搭載。動画撮影中にAIが被写体や構図を分析して、笑顔の瞬間や動きに変化があるシーンなどの見どころを自動で抽出。アプリなどの操作は不要で、約15秒のダイジェストムービーがリアルタイムに作成される。映像に合わせてBGMやエフェクトを加えた動画となっており、SNSなどで手軽に共有可能。

作成されるダイジェストムービーは、基本となる「Standard」と、エフェクトを多くかけた「Fun」、落ち着いた「Relax」の3種類。BGMが加えられるが、人の声など元の音声は消さずに、重ねて再生するようになっている。なお、作成する動画の時間変更やマニュアルでの編集はできない。

「AIライブストーリー」を搭載

静止画用カメラは1,220万画素で、F1.7レンズを搭載。光学式手ブレ補正を備える。新画質エンジンProPix2を搭載。暗いシーンでは、AIが自動で高速連写を行ない、最もブレがない一枚を抽出してノイズを除去する画像処理を行なう。

被写体ブレ補正のないスマホのカメラ(左)と、R3の被写体ブレ補正後(右)の比較

CPUはSnapdragon 855(2.8GHz + 1.7GHz オクタコア)。CPUパフォーマンスは従来機比約30%、GPUパフォーマンスは約20%向上、AI処理性能は約3倍となった。6GBメモリと128GBのストレージを備える。

新たに、ワイヤレス充電のQi規格11Wにも対応。バッテリーは3,200mAhで、IGZOの省電力機能を最新CPUで制御することによって、電池のもちを従来比約30%アップした。

ワイヤレス充電Qi対応

独自の放熱設計も進化。体感温度に配慮した放熱設計で、長時間のゲームプレイや動画視聴も快適に行なえるという。ステレオミニのヘッドフォン端子とUSB Type-C端子を装備。外形寸法は約156×74×8.9mm(縦×横×厚さ)、重量は約185g。

インターフェイスはUSB Type-C
主な特徴
カラーバリエーション

AI活用で「脱・撮りっぱなし動画」

シャープの通信事業本部 中野吉朗本部長は、従来機種AQUOS R2について、出荷台数が前機種AQUOS Rの110%超を達成した(発売開始から同期間の出荷台数比較)と報告。新モデルのAQUOS R3についても、R2を上回る販売台数を目指す。

中野吉朗氏

発表会に合わせて5G対応プロトタイプも披露。AQUOSの核となる技術としてディスプレイとカメラ、AIの3つを軸に、「5Gによる技術革新の相乗効果で、人に寄り添うブランドを目指す。今後、この取り組みを加速し、5Gサービスインによって、ビジュアルコミュニケーションを革新したい」と述べた。なお、5G対応端末のプロトタイプについては別記事で掲載している

ディスプレイ、カメラ、AIに5Gの技術も組み合わせて相乗効果を見込む

R3の特徴である動画撮影の新機能「AIライブストーリー」を搭載した背景について、同事業本部 パーソナル通信事業部 小林繁事業部長は「脱 撮りっ放し動画への挑戦」を掲げる。これは、スマホで撮ったものの再生しなかったり、1回見ただけの動画が増えてしまうという問題を指しており、動画を見る/見せる楽しさよりも撮る楽しさが上回っていることが理由だと説明。

なぜ撮った動画を見ない、見せないのかの分析

そのギャップを埋めるため、AIが良いシーンを抽出して順位を付け、良いシーンを集めたショート動画を自動作成するという方法を採用。撮影とは違った新たな発見ができ、人に見せたくなる洗練された動画を作れることから「撮りっ放しで終わらせない。『撮る』カメラから『創る』カメラへ、新たな動画コミュニケーションを提案する」とした。

小林繁氏