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「全裸監督」山田孝之キャノン砲発射!? 村西とおると'80年代への思い語る
2019年7月25日 11:54
山田孝之を主演に迎え、1980年代を駆け抜けた“放送禁止のパイオニア”村西とおると仲間たちの青春と熱狂を描いたオリジナルドラマシリーズ「全裸監督」。Netfflixでの8月8日からの全世界独占配信を前に、東京・豊洲PITでワールドプレミアが7月24日に開催。山田孝之や武正晴総監督をはじめ、キャストやスタッフ13名が登場して、作品に秘めた思いを語った。
1980年。会社は倒産、妻には浮気されて失意のどん底にいた村西とおるは、黎明期だったアダルトビデオに勝機を見出し、仲間とともに業界に殴り込む。クセは強いが不思議な魅力のある独特なスタイルと、前例のない大胆不敵なアイデアで旋風を巻き起こした村西と、彼と強い絆で結ばれた仲間たち。そして、商売敵や警察の妨害によって窮地に立たされた村西の前に現れる、運命の女性。これまで様々な役を演じてきた実力派俳優・山田孝之が、強く、たくましく、奔放に昭和の最後を駆け抜けた村西とおるという強烈なキャラクターに挑んだ。
「'80年代の熱量」への思い、「体当たり」演技の舞台裏
24日のワールドプレミアに登壇したのは、山田孝之、満島真之介、玉山鉄二、森田望智、伊藤沙莉、冨手麻妙、後藤剛範、板尾創路、小雪、リリー・フランキー、國村隼、石橋凌、武正晴総監督。
Netflixでの配信前から、挑戦的な企画と、ドラマとしては規格外に高いクオリティ、そして豪華キャスト陣で注目されている「全裸監督」。心待ちにしている視聴者たちを前に、配信に先駆け豊洲PITにて豪華キャスト&スタッフが一堂に揃う「全裸監督」ワールドプレミアが行なわれた。
'80年代を舞台にした作品ということで、ミラーボールがきらめくディスコ風の会場に集まったのは、バブル風ファッションに身を包んだ一般招待客。客席内のレッドカーペットに、村西とおるを演じた、主演・山田孝之、良き相棒である新井トシを演じた満島真之介、チーム村西の大黒柱・川田研二役の玉山鉄二、村西の運命を変える大学生・恵美を演じた森田望智が登場すると大歓声が巻き起こった。
舞台挨拶では、伊藤沙莉、冨手麻妙、後藤剛範、板尾創路、小雪、リリー・フランキー、國村隼、石橋凌、そして武正晴総監督も加わり、総勢13名が集結。超豪華俳優陣圧巻のラインナップに拍手喝采の嵐が起こった。
挑戦的な作品、役柄をオファーされた際の気持ちを尋ねられた山田は「『絶対に面白くなる』とワクワクしました。海外に行くと“セリザワ! ”(『クローズZERO』での役名)と呼ばれることが多いのですが、これからは“ムラニシ! ”と呼ばれたいです。いい機会をいただきました」とコメントし、会場の笑いを誘った。
平成元年(1989年)生まれの満島は、「親世代の方々がまるで昨日のことのように当時のことを話す姿を見て、人間と人間が密に関わり、とてもエネルギッシュな時代だったのだと思っていました。この作品を通して令和の時代もエネルギッシュになったら嬉しいです」と、時代が作り出した勢いと熱量がそのままに描かれていることを語る。
これまでのイメージを覆すキャラクターを演じた玉山は「企画の題材が本当にすごい。Netflixは攻めてるな、と感じました。世界190カ国で配信されているので、海外の友人たちも楽しみにしてくれていたり、国境を超えて観ていただける素晴らしいエンタテインメントになっていると思います」と海外にも発信される本作への自信をのぞかせた。
そして、本作で文字通り“体当たりの演技”を見せ共演者も圧倒した新星・森田は「恵美は表舞台に進んでゆく役ですが、その裏にあるきっかけや思いは忘れずにいようと常に心がけていました。最初はAV業界に進む恵美の気持ちがわかりませんでしたが、私と場所が違うだけで、彼女にとってはそこが輝ける場所なんだと理解してからは考えが変わりました」と、演じる際の気持ちを正直に打ち明けた。
チーム村西の中で紅一点のメイク担当・順子を演じた伊藤沙莉は「毎日がすごく楽しかったです。撮影の合間に健康について話したり、本編とは真逆なとても平和な撮影現場でした」、村西の初監督作品で女優を務めた奈緒子役の冨手麻妙は「チームワークが本当に素晴らしかったです。“キレイ”、“カワイイ”、“セクシー”を飛び越えて、女性に対するリスペクトを持って撮影していただいていました。“女性の裸”への概念が変わる作品だと思います」と、チーム村西が実際にも結束力が強く、女性へのリスペクトを持った最高の撮影現場であったと語った。
撮影担当・ラグビー後藤は「ハワイロケでは半分が現地のスタッフさんで、カットがかかるたびに大皿にフルーツを乗せたおじさんがフルーツを配ってくれました。最初は遠慮していましたが、皆いつの間にか、おじさんを探すようになっていて、それも海外ロケならではだと思いました」と国際色豊かな現場について振り返った。
小雪「現代女性への応援メッセージ」、リリー・フランキー「村西はポップスター」
元々はダメサラリーマンであった村西の先輩・小野を演じた板尾は「山田さんの演じる村西の豹変ぶりは本当に驚きました。あの独特な村西の口調は、小野から受け継がれたものだったりするのかなと。村西の歴史を感じられて楽しかったです。そう思うと、無駄な時代は一つもないんですね」と村西の変貌を見事に表現した山田の演技を絶賛。
恵美の厳格な母・佐原加代を演じた小雪は、「全裸監督」というタイトルの作品に出演する意外性について問われると「私自身、“性”について女性同士で語ったり、カップルで話し合うことはとても大切なことだと思っています。女性が発言することで自己表現していくということは、この時代に繋がるテーマになると感じ、現代の女性への応援メッセージになればと参加させていただきました」と本作が単にセンセーショナルなテーマを取り上げたわけではないことを静かに、熱く語った。
村西を追い詰める刑事・武井を演じたリリーは自身の役どころについて「刑事らしくない刑事の役を演じました。“村西とおる”は僕にとってポップスターなので、どんな役でもやろうと思っていたのでオファーをいただけて嬉しかったです。あるAVコンテスト企画の名誉総裁を何年か務めていたので、ドラマという形でAVを描けて、且つ、世界中の人が同じタイミングで観ていただけるのは嬉しいです」と本作への出演の喜びを明かした。
國村隼は村西たちに近付く新宿歌舞伎町のヤクザということで、スタジオに作られた巨大な歌舞伎町セットでの撮影について「我々役者は、セットに入った時にフッとその気になれるかが大切。撮影現場は、その時代の空気が見事に再現されていて、素晴らしいセットでした」と、スタッフの尽力に賛辞を送った。
業界最大手ポセイドン企画社長・池沢役の石橋は、あらゆる手段で村西を妨害する恐ろしさと、娘に甘い家庭的な一面を持つ役どころについて「池沢を通して、80年代の物欲や金銭欲にギラギラした熱を表現できればと思い演じました。僕には悪党か危ない男の役しかオファーが来ないのですが(笑)、実際の村西さんと池沢のモデルとなった人物はそこまで対立関係ではなかったということでしたが、ドラマの中ではより敵対するキャラクターとして役作りをしました」と語った。
メガホンをとった武総監督は撮影を通して、山田と森田の変化を一番に肌で感じることがあったという。それに対し山田は「村西さんご本人とお会いして、スイッチを入れて話す、相手によって表現を変える部分は意識して表現しました」と村西とおる本人との対面により得た感覚を役作りに生かしたことを明かし、
森田は「自分ではそこまで変化することを意識していませんでしたが、恵美のように私自身もこの現場で素晴らしいキャストの皆さんに囲まれて、たくさんのことを吸収できたと思います」と感謝を述べた。
最後に監督から「女性へのリスペクトなくして、これからの作品は作れないと思います。今作でも出演してくれた女優陣は本当に体を張って演じていただいていますし、スタッフたちもどうしたら女性の生き生きとした姿が描けるかを考えて取り組みました。女性の方にもぜひ見ていただきたいです。そして、この題材を選び作品にすることはとても難しかったですが、これを機に日本も難しいことを面白くすることに挑戦していければと思います」と力強く語った。
フォトセッションでは、山田がキーアートの通り肩に担いだカメラ型キャノン砲を放ち、派手なファイヤーボールと銀テープが会場に舞う中、「全裸監督」の初陣を祝う大歓声、鳴り止まない拍手とともにイベントは幕を閉じた。
「全裸監督」あらすじ
会社は倒産、妻に浮気され絶望のどん底にいた村西(山田孝之)はアダルトビデオに勝機を見出し仲間のトシ(満島真之介)、川田(玉山鉄二)らとともに殴り込む。一躍業界の風雲児となるが、商売敵の妨害で絶体絶命の窮地に立たされる村西たち。そこへ。厳格な母の元で本来の自分を押し込めていた女子大生の恵美(森田望智)が現れる。ふたりの運命的な出会いは、社会の常識を根底からひっくり返していくのだった……。
Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」
総監督:武正晴
監督:河合勇人、内田英治
出演:山田孝之、満島真之介、森田望智、柄本時生、伊藤沙莉、冨手麻妙、後藤剛範
吉田鋼太郎、板尾創路、余 貴美子、小雪、國村隼、玉山鉄二
リリー・フランキー、石橋凌
原作:本橋信宏「全裸監督 村西とおる伝」(太田出版)
脚本:山田能龍、内田英治、仁志光佑、山田佳奈
美術監督:中西梨花 音楽:岩崎太整
撮影:山本英夫 美術:清水剛 照明:小野晃
録音:竹内久史 衣装デザイナー:小川久美子
配信:2019年8月8日、Netflixで全世界独占配信