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DYNAUDIO、ハイエンドスピーカー「Confidence」刷新。次世代DDC誕生
2019年8月23日 11:10
DYNAUDIO JAPANは、ハイエンドスピーカー「Confidence」シリーズをフルモデルチェンジ。9月から発売する。ペアでの価格は、ブックシェルフでスタンド付きの「Confidence20」が140万円、フロア型の「Confidence30」270万円、「Confidence50」が370万円、最上位「Confidence60」570万円。
同社の大型(インパルス)測定室「ジュピター」での解析により、次世代のDDCテクノロジー(サウンド・ビーミングテクノロジー、ウェーブガイドシステム)が誕生。これにより、「ドライバーのみならず、バッフル、スピーカー全体の連動により、音が本来到達すべきところ(ユーザーの耳)へ、よりダイレクトに届くようになった」という。
新開発のソフトドームツイーター「Esotar3」は、Esotar2の進化形。40周年記念エディション・ツイーターにも採用された、最先端のエアフロー・テクノロジーを搭載。チャンバーのリア部分はより大きくなり、共振の低減に貢献。より最適化されたダンピング、強力なネオジウム・マグネットにより、感度を高めている。
共振周波数がより低くなったことで、ツイーターとミッドレンジとの間に発生するオーバーラップがより狭まり、各音域が溶け合い、「曲の持つ色合い、全体像をより強く捉えることが可能になった」という。また、磁性流体による冷却も不要になっている。
Hexisと呼ばれる小さな内部ドームは、Esotar2で重要なパーツだったフェルトリングを排除しながら、滑らかな高域を残しつつ共振に対する高いコントロールを実現。フェルトリングは不要な共振を抑えるために使っていたが、本来残しておきたい高域までも抑制するため、これを不要としたという。
拡散する音をビーム状に収斂させ、届けるべきところへ直線的に届けるための「DDC」(Dynaudio Directivity Control)技術も進化。基本理念はそのままに、新素材、技術を高い次元で融合。これにより、ツイーターは1つになり、クロスオーバーもシンプルなものになった。
精密なアルミ製のウェーブガイドは、水平方向への立体感はそのままに、垂直方向の音像をシャープに。各ドライバーとの連動により “レンズ” としてDDCは効力を発揮し、天井、床からの不要なリフレクションを抑制しつつ、ステレオ・イメージはしっかりとリスナーのもとへと届けられるという。
ネオジウム・マグネットを採用した新しいウーファーも搭載。ボイスコイルには全く新しい3層構造のグラスファイバーを採用。エアフロー、通気孔(特にヨーク部分)にも手を加えている。
Confidence 20のウーファーにはアルミ製のボイスコイル、30、50、60には銅を採用。広いフロアでもパンチの効いた低音を再生するための施策で、キャビネットのサイズに合わせて、銅製のものはアルミ製にくらべ若干ながらより高いパワーを備えるという。また輪郭のハッキリとした低音のために振動版も僅かに重くなった。
マグネットの設計には、ネオジウムとフェライトをハイブリットさせた40周年記念モデル「Special Forty」の経験を活用。コイルを覆う磁性を形作り、ドライバーの動性を高めている。新しいConfidenceには高純度ネオジウムを採用しており、マグネット形状を含め、Special Fortyと同様の効果を意図している。
ミッドレンジ・ドライバーも進化。革新的なサラウンド設計により、1次共振モードを低減させるとともに、より広域な再生エリア、向上したパフォーマンスを実現。バッフルと隙間なく合わさることで、振動板、ツイーターからの回折の影響も低減。バスケットにも新デザインを採用。位相最適化シュミレーションによって生み出されたデザインで、堅牢性を保ちながらエアフロー性能を高め、軽量化も実現した。
バッフルには新採用の素材「Compex」を採用。軽いだけでなく丈夫で、不要な共振を抑制。ドライバー達は、バッフル、特殊なガスケット、合金プレートによって固定。このCompexバッフルにも、前述のDDCレンズの一部として機能するよう精密なチューニングが施されており、ドライバー、クロスオーバー含め、DDCプラットフォームの一旦を担っている。
バスレフ型で、ダウンファイヤリング方式を採用。精密な形状の高密度シリコンポートを採用し、エアフローをコントロールしている。