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Dan D’Agostino、6年ぶりに内部を全面刷新したプリアンプ「MOMENTUM HD PREAMPLIFIER」
2019年10月21日 07:45
アクシスは、Dan D’Agostino(ダン・ダゴスティーノ)ブランドの新製品として、プリアンプの「MOMENTUM HD PREAMPLIFIER」を10月に発売する。価格は650万円。カラーはシルバーとブラック。また、従来モデルから“HD”バージョンへの有償アップグレードも実施する。費用は140万円。
MOMENTUM “HD” PREAMPLIFIERは、初代MOMENTUM PREAMPLIFIERの優れたデザイン・コンセプトを継承しながら、内部回路には全面的に最新テクノロジーを投入。6年ぶりとなる大規模なアップグレードが施された。「圧倒的S/N感と、俊敏で滲みのない広大なダイナミックスがもたらす奥深い表現力は、一音一音の息吹を鮮やかに甦らせる」という。
基本構成はこれまでと同様にコンプリメンタリー/バランス仕立て、ゼロ・フィードバック回路とし、オペアンプを使わず完全ディスクリートで組み上げているが、フロントエンドを新しいコンプリメンタリー・ディスクリート方式による差動FET入力ステージとした。その結果、入力インピーダンスは1MΩ以上に押し上げられている。
ファイナル出力ゲインステージ回路への駆動供給電圧は、従来モデルよりも36%アップ。スルーレートとダイナミックレンジをさらに高めた。出力ステージへの供給電圧アップに併せ、セパレート電源ユニット内部も全面的に刷新。電源トランスにはMOMENTUM「M400」で採用された独自の巻線技術が投入され、そのフィジカルなサイズをほとんど変えることなく、供給電力を従来の33%強大化したという。整流回路と本体のローカル・レギュレーターもそれに伴ない強力化された。
電源供給ラインはオーディオ回路と制御回路を分離し、相互干渉を排除。AC電力線からのRFノイズのフィルタリング、非対称電力波形とDCの補償もこれまでと同様に行なわれている。
付属のリモコンはBluetooth方式で、赤外線方式と比べ、5倍までリモコンの反応範囲を拡大。ロジックコントロール回路もそれに適応し、新しくなっている。
MOMENTUMシリーズのパワーアンプと同様に、分厚いアルミブロックを丹念に削り出した重厚なシャーシーを採用。
中央のメーターは、ボリュームレベルを表示。メーター周囲のリングを回すことでボリューム調整し、ボリュームレベルをメーターの針で示すという斬新なスタイルになっている。ボリューム調整機構には、光コントローラーによるリレー制御によってラダー抵抗を切替える回路をバランス構成し、全ボリュームレベルに対してクリーンで高い透明度を確保。
最大レベルから-33dBまでは0.5dBステップで、-34~-51dBまでは1dBステップ、以下-70dBまでを2dBステップでと、聴感的にスムーズな変化特性が快適な操作性をもたらすという。それとは別に、0.5dBステップで±10dB変えられるL/Rのバランス調整も、リモコンからの操作で可能。
音質重視のCR型トーンコントロールを装備。BASS、TREBLEにそれぞれ±6dBを1dBステップで調整できる。コントロールカーブにおけるターンオーバー周波数は、一般的な1kHzを中心としたものとは異なり、ローエンドとハイエンドに大幅にシフト。中音域を変化させることなくトーナルバランスを絶妙にコントロールし、「微妙なニュアンスの表情を整える」という。
オーディオサーキットは、すべてのパーツをスルーホール基板にマウントし、ハンダ付け。オペアンプを一切使用しない完全ディスクリート・バランス構成で、ゲインステージ全段には、高速カレントミラーによるゼロ・フィードバックのピュアコンプリメンタリという先進的な回路を導入。「優れた位相直線性と低ノイズ特性を実現しながら、MHzオーダーに及ぶ超広帯域特性とリニアな超低歪率化を達成した」という。
ディスクリート基板は、L/Rごとにフロントエンド、ボリューム、アウトプットの各セクションを独立させた計6枚のボードに分離。「デュアルモノに匹敵するセパレーション特性を獲得した」とする。
電源部は、本体から切り離されたアルミブロック削り出しの別筐体に収容。電源トランスはアンプセクション用とコントロール系統用のデュアル構成。さらにアンプ用の二次側はL/Rが完全分離されている。
入力端子はバランスXLR×6系統。出力端子はバランスXLR×2系統。消費電力は25W。外形寸法は432×450×200mm(幅×奥行き×高さ)。重量は45kg。