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Dan D’Agostino、フラッグシップのノウハウで再構築したパワーアンプ

「PROGRESSION M550」

アクシスは、米Dan D'Agostino(ダン・ダゴスティーノ)の「PROGRESSIONシリーズ」第2世代となるパワーアンプとして、モノラルの「PROGRESSION M550」と、ステレオの「PROGRESSION S350」を、6月に発売した。価格はM550がペアで690万円。S350が395万円。カラーはブラックとシルバー。

両モデルのリリースに伴い、従来のPROGRESSION MONOBLOCKとPROGRESSION STEREOは販売完了となった。

「PROGRESSION S350」

新発売の2機種は、いずれもオリジナルのプログレッション・モデルをベースに、ダン・ダゴスティーノ渾身のフラッグシップアンプ「Relentless Mono Amplifier(リレントレス・モノアンプ:日本未入荷)」の開発で得られたデバイスやヒートシンクデザインなどのノウハウを駆使して再設計され、「飛躍的にパフォーマンスを高めている」モデル。

具体的にはフロントエンドとパワーステージへの新たなトランジスター・デバイスの登用と、さらなる回路のブラッシュアップに加え、リレントレス譲りの新設計ヒートシンクによる冷却能力の大幅な向上によって、驚異的なリニアリティーと繊細な表現力を併せ持つ卓越したドライバビリティを実現した。

「PROGRESSION M550」内部

ヒートシンクは片側あたり48.5ポンド(22kg)ものアルミブロックから削り出され、その独特な楕円形状の外壁により冷却能力が大幅に向上。フル定格出力下でも極めて安全かつ確実な増幅動作が可能になった。

出力段に投入された新たなパワーデバイスと相まって、M550は負荷8Ωで550W、4Ωで1,100W、2Ωで2,200W、そしてS350は8Ωで350W、4Ωで700W、2Ωで1,400Wの理想的なリニアリティーをハイパフォーマンスで実現している。

フロントエンドには、これまでの倍の電力を処理できる新たなトランジスターとDCカップリング回路を導入。歪率とSN比、さらには低周波特性の大幅な改善が実現した。

このフロントエンドと強化された出力段が組み合わさることで、アンプ動特性上のダイナミック・インパクトとディテール再現力、さらに音場空間の再現性が大きく向上。オーディオ信号経路総体は、伝統的なフル・コンプリメンタリー、完全バランス、全段ダイレクトDCカップリング構成で、実装デバイスにはすべてディスクリート素子が採用された。

高度なプロテクション回路も備え、アンプと関連コンポーネントを予期しない異常から的確に保護する。

出力ステージもリレントスで使われた新しいパワートランジスターで構成。上述のヒートシンクに結合することで、より高いバイアス設定が可能となり、クラスA動作領域を数十Wにまでアップ。「通常リスニングレベルのほとんどがカバーされ、楽音の音色やディテール再現性が格段に改善される」という。

オリジナルのプログレッション・アンプから継承されているのは、自動車エンジンに取り付けるターボチャージャーからアイデアを得たというスーパーレール・トポロジー。出力ステージの前段ドライバーセクションに、より高い電圧レールを設け、この電圧の“ブースト”により、音楽信号は出力電圧レールの能力を最大限に活用でき、出力回路自体のパフォーマンスが最良化される。

「PROGRESSION M550」本体正面

両モデルともアメリカ・アリゾナ州にある自社工場で、ダン・ダゴスティーノ監修のもと、熟練工の手作業によって組み上げられる。重厚なシャーシ部材は、無垢のアルミ・ビレッドからの機械加工。フロントパネル中央には、ダン・ダゴスティーノ・ブランドのアイデンティティーとも言えるスイス時計のデザインからインスパイアされた精緻なパワーメーターが配される。

「PROGRESSION M550」本体背面

SN比は105dB、ゲインはM550が32dB、S350が31dB。入力インピーダンスは100kΩ、出力インピーダンスは0.1Ω。入力端子はM550がバランスXLR×1、S350がバランスXLR×2。消費電力はスタンバイ時で0.5W、アイドル時で100W、最大出力時で990W。

外形寸法と重さは共通で、454×584×230mm(幅×奥行き×高さ)、52.2kg。

「PROGRESSION S350」本体正面
「PROGRESSION S350」本体背面