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ピクセラ、Android TV & 4Kチューナの業務用TVをホテルへ。遠隔から一括管理、Wi-Fi AP化も

ピクセラは30日、ホテルの客室などへの導入を想定した業務用テレビブランド「BIZmode」を発表した。Android TVを搭載し、BS/CS 4K放送対応チューナーも内蔵した4KスマートTVであり、ネットワークにも対応。映像配信サービスを利用したり、遠隔からの一括制御や管理ができるのも特徴。11月から受注を開始する。ホテル向けから事業をスタートし、旅館やサイネージ、CATVなどへの展開も予定している。

左から「BIZmode」の50型、40型

サイズラインナップは40型、43型、50型、55型。いずれも4Kチューナーを搭載し、4Kパネルを採用。HDR表示やDolby Atmosにも対応。音声操作のGoogleアシスタントやChromecastにも対応する。

通常のテレビでは、例えばBS放送の再編などでチャンネル設定の変更を行なう場合、ホテルの各部屋をまわって1台ずつ設定する必要があり、従業員の大きな負担となっている。BIZmodeのテレビは、遠隔地からテレビの設定・制御・状態監視が可能。さらにファームウェアのダウンロードや更新も遠隔で制御でき、現場への訪問が不要となる。

さらに、Web(HTML5)の表示もでき、ホテル側が求める情報や機能を集約したホーム画面をHTML5で作成し、それを各部屋のBIZmodeテレビに表示させる事もできる。

ホテル側が求める情報や機能を集約したホーム画面をHTML5で作成し、それを各部屋のBIZmodeテレビに表示できる

また、有償サービスとなるが、アプリのインストールやアップデートも遠隔制御できる。今後の予定として、テレビをWi-Fiのアクセスポイントにする機能も12月にリリース予定。

なお、客室の多くのテレビの管理や表示画面設定、データ管理などは他社でもサービスとして提供しているが、前述のファームアップやアプリのアップデート、ACASや製品番号などのテレビ情報管理、VOD/アプリ入れ替え・管理などのMDM機能、Wi-Fiアクセスポイント機能などは業界初の付加機能になるという。

「BIZmode」の機能を説明する製品事業本部 ソフトウェア開発部門の上田賢嗣部門長

ホテル独自のWeb(HTML5)画面は、PCベースのWebサーバーを構築し、そこに各部屋のテレビがアクセスする形となる。ルームシアターとして提供するVODサービスを表示したり、ホテル内のレストランの混雑状況を表示するといった事も可能。

Android TVを使っているため、YouTubeやHuluなどのアプリをインストールし、それを宿泊客が利用できるようにする事もできる。利用後にアカウントのデータを消去する設定や、一括で消去するといった機能も用意する。

各アプリの利用データを削除するなど、細かな制御もできる

ピクセラはこのBIZmodeテレビのハードを販売するほか、MDMの設定やクラウドサーバーも含めた、遠隔から制御するためのサービスも提供。HTML5のページ作成などは、パートナー企業が担当する形になるという。

既に多くの企業と商談がスタートしており、見積り依頼や、テレビのサンプル出荷などもスタートしているという。パートナーとなる企業からは、サクサク動作する快適さや、開発スピードの速さ、運用コストの削減が可能な事などが、期待の声として寄せられているという。

販売目標としては、2022年に15億円を掲げており、将来的には宿泊施設だけでなく、学習教育、在宅勤務・教育プログラム、カルチャー教室などの趣味・健康の世界への展開も予定されている。

デジタルサイネージや文教向けの電子黒板など、今後展開予定の分野への試作機も展示。サイネージに通信機能を追加したい、テレビを表示したいというニーズがあれば、それに対応できるのもピクセラの特徴だという