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「1917 命をかけた伝令」の“ワンショット撮影”に挑む、コリン・ファース本編映像解禁
2020年1月29日 07:30
2月14日より全国公開される、サム・メンデス監督の映画「1917 命をかけた伝令」。同作品において大きな注目ポイントである“ワンカット撮影”に挑む、名優コリン・ファースの姿を捉えた本編映像が解禁された。
ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの「007 スペクター」('15)、「007 スカイフォール」('12)などを手掛けたサム・メンデス監督が、若き兵士たちが困難なミッションに立ち向かう姿を描いた作品。臨場感たっぷりに、観る人たちを物語への究極の没入感へ導き、登場人物たちの行動や心情を体感してもらうことを目的に“ワンカット映像”の撮影方法を全編に採用した。
全編を途切れることなく、ひとつながりの映像で見せる“ワンシーン ワンカット”は、登場人物の感情や臨場感を表現する“長回し”として多くの監督がとり入れてきたもの。サム・メンデス監督は「完璧に途切れなく物語を描くために、全てにおいて秒単位まで計算されるなど緻密な調整をした。特にリハーサルについては、今までの過去のどの作品よりも時間を費やした。自身のキャリアにおいて、最もエキサイティングな仕事だった」と語っている。
アカデミー賞の前哨戦とされる第77回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、監督賞を受賞。第92回アカデミー賞では主要の作品賞を含む10部門でノミネートされた。
「最初から最後まで、どの角度から見ても完璧なカット」に
コリン・ファースが演じるのは、若き兵士2人に過酷な司令を課すエリンモア将軍。撤退したと思われたドイツ軍への攻撃を中止させるのを目的に、たった2人の若者に1,600人もの命を託す無理難題を突きつける。
自身が演じたエリンモア将軍について「分かっているのは、彼が策士だということだ」とファースは語る。「彼は非常に短い時間で伝令を課す候補者をチェックし、個人的な事情により全身全霊で任務を遂行しようとするであろう人物を意図的に選抜した。ブレイクの兄は第2大隊にいるから、必死で命を救おうとするはずだと考えたんだ。残酷な戦略だが、あの戦況では他に選択肢がなかった」と分析。
解禁されたのは、エリンモア将軍がジョージ・マッケイとディーン・チャールズ=チャップマンが演じる若きイギリス兵に、自ら伝令の内容を説明し、決して失敗が許されない任務であることを伝える重要なシーン。ファースは「自ら出向き直接ミッションを伝えることで、事態の緊急性と彼の実用主義な性格を表現している」と撮影を振り返っている。
屋外ロケでワンカットという、驚きの方法によって撮影された本作。ファースもこの手法で撮影に挑んでおり、何度もリハーサルを行なったという。「すべての部門が事前に入念な準備を行なう必要がある。俳優にとっては舞台作品の初日を迎える気分だ。ミスをカバーできるものはない。もちろん1つのシーンを数回撮影するが、何度も繰り返すわけじゃないし、最初から最後までどの角度から見ても完璧なカットに仕上げる必要がある。編集できないから、些細なミスでユニット全体が最初からリセットしてやり直すことを余儀なくされる」と難しさを表現している。
さらに「製作チームの高い技術と創意あふれるアイデアには敬意を表すよ。すべてのチームが完璧に準備をしていることに圧倒された」とも明かしており、メンデス監督と彼のチームの技術面における精密さを高く評価している。