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有機ELスマホ「AQUOS zero2」が“自分用シアター”に。圧倒的Dolby Vision/Atmos体験
2020年1月31日 17:18
6.4型/有機ELディスプレイを搭載したシャープのAndroidスマートフォン「AQUOS zero2」が通信キャリア各社から1月末より発売された。このタイミングで、U-NEXTが1月31日にDolby VisionとDolby Atmos対応のハリウッド映画作品の配信を発表。AQUOS zero2で映画を楽しめる環境が今まで以上に充実することになる。
実際にAQUOS zero2で映像と音を体験しながら、シャープ自社生産の有機ELディスプレイの特徴や、対応コンテンツの現状などについて聞いた。
U-NEXTがハリウッド作品配信。Dolby Vision/Atmosを身近に
シャープのスマートフォンは、'18年夏の「AQUOS R2」で初めてDolby VisionとDolby Atmosの両方をサポート。これが、世界初のDolby Vision/Atmos両対応Androidスマホとなった。その後、初の自社製有機ELスマホとして'18年冬に登場した「AQUOS zero」や、'19年夏に登場した「AQUOS R3」に続いて登場したのが、今回の「AQUOS zero2」。
一方で、スマートフォン向けのDolby Vision/Atmos対応コンテンツについては、R2などの発売当初はまだ充実していなかった。
今回のAQUOS zero2発売タイミングに合わせて、映像配信サービスU-NEXTが、Dolby Vision/Atmos両方に対応したハリウッドメジャースタジオ作品を、1月31日より国内動画サービスとして初めて配信開始した。
映画「ロケットマン」、「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」、「バンブルビー」の3作品を皮切りに数十作品を予定しており、従来と同価格で提供する。3作品はVODのレンタルで、価格は各550円(税込)。
Dolby Vision/Atmo対応のAndroid TV、Amazon FireTV、Androidスマホで視聴でき、解像度は視聴機器に合わせて配信。4Kテレビは4K解像度で、AQUOS zero2などへはフルHDとなる。
AQUOS zero2以外も、R2などシャープのDolby Vision/Atmos対応スマホでこれらのコンテンツが視聴可能。詳細は別記事でも掲載している。サービス開始に合わせて、ディスプレイとコンテンツ両方の高画質/高音質についてシャープとドルビー、U-NEXTの各社が解説した。
ゲームだけでなく動画視聴にも。マスモニで画質チューニング
映像のシーンに合わせてリアルなHDR映像を楽しめるDolby Visionと、包み込まれるような立体的な音響を実現するDolby Atmos。グローバルでは現在900を超える映画やテレビ番組、ライブイベントなどで配信されている。そのうち335のコンテンツがDolby Vision/Atmos両対応。
今回、U-NEXTがハリウッド作品で対応コンテンツを配信開始したことについて、ドルビージャパンの大沢幸弘社長は「これまで良いハードウェアを持っていても、Dolby VisionやAtmosのコンテンツを体験していないユーザーがいたかもしれないが、それが簡単に楽しめる環境ができたのは大きな変化」と述べた。
これを楽しめるシャープAQUOS zero2の開発については、通信事業本部 パーソナル通信事業部 システム開発部 技師の関文隆氏が説明した。
自社で新開発した6.4型/2,340×1,080ドットの有機ELディスプレイを搭載。倍速化に加え、各フレーム間に黒画面を挿入することで、従来比の4倍となる毎秒240回の高速表示を実現。動きの速いゲームも残像を抑えて滑らかに映せる“ゲーミングスマホ”としてアピールしている。
ゲームだけでなく、動画視聴向けにも、高い表現力や色の正確性を特徴として訴求。有機ELパネル設計を一から見直すことで、最大輝度はAQUOS zero比で150%アップ、色表現を10億色に向上するなど、有機ELの第2世代として進化。有機ELの特性上、全白表現よりも部分的な表示の方が輝度が高くなる(ピーク輝度)ため、特に高い輝度を必要とするDolby VisionなどのHDRに効果的だという。コントラスト比は100万:1、色域はDCI-P3比100%をカバーする。
生産の面でも高品質を追求。スマホ開発部門でパネルの個別調整を行なった後、ドルビーでマスターモニターを使った画質チューニングを行ない、その後で生産ラインに送られる。さらに、生産ラインでも1台ずつガンマや色度を調整。スマホ開発部門と生産ラインの測定器を同一光源で校正することで、正確な色や階調特性が再現できるようにしたという。
AQUOS zero2の映像を、実際に業務用の4K液晶マスターモニターと比較しながら視聴してみた。ドルビーが制作したDolby Vision/Atmosコンテンツを、マスモニとAQUOS zero2と並べて再生したところ、色の再現性や明部/暗部の表現など、スマホ画面でも高い性能で映像表示することを確認できた。
同事業部 商品企画部 担当部長の楠田晃嗣氏は、AQUOSスマホの強みとして「自社でディスプレイを持っているため、スマホの開発段階から密に連携して仕様に盛り込むことが柔軟にできる。テレビのイメージもあり、シャープと言えば画面がキレイというブランドイメージが作れている」とアピール。
ディスプレイ部以外にも、141gの軽さを“異次元の最軽量”(6型以上/電池容量3,000mAh以上の防水スマホにおいて)と表現。「プライベートシアターとしてのメリットがあり、リビングに座ってではなく、手に持ってソファに寝転がったり、電車通勤などの利用シーンでは、軽さが効いてくる」とした。
パラマウント作品以外も拡充へ
コンテンツを提供するU-NEXTは、これまでDolby Vision/Atmos対応の映像として、「日本高校ダンス部選手権」を'19年8月に初めて商用でライブ配信したが、Vision/Atmos対応の映画作品配信は今回が初めて。
今回の3作品「ロケットマン」、「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」、「バンブルビー」はパラマウントの作品だが、U-NEXTのマーケティング部 部長の前田弘之氏は「他の権利者とも話しており、今後拡充予定」とした。
ソフトバンク向けAQUOS zero2では、AQUOS zero2のホーム画面に「Dolby体験」を訴求する特設サイトへのショートカットを用意。ここからU-NEXTで楽しめるDolby Vision/Atmos作品が紹介され、購入後すぐに各コンテンツを楽しめるようにした。
さらに、AQUOS zero2の購入者への特典も用意。通常の31日間トライアルに加え、zero2のプリインストールアイコンからU-NEXTに登録すると、1,200円分のポイントを提供。上記3作品を含む、VOD作品のレンタルなどに使用できる。