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Pro-Ject、レコードプレーヤーのスタンダード機が大幅進化「The Classic EVO」
2020年2月6日 17:53
ディーアンドエムホールディングスは、Pro-Ject製アナログレコードプレーヤー「The Classic EVO」を2月12日に発売する。価格は21万円。
Pro-Jectの創業25周年記念モデルとして'16年に発売され、高い評価を得たスタンダードモデルThe Classicを、大幅にグレードアップしたという新機種。
オリジナルのサブシャーシ構造と、往年の'70年代レコードプレイヤーへのオマージュであるクラシカルな外観はそのままに、要となるトーンアームやサブプラッターなどを大きく改良した。カートリッジはOrtofonのQuintet RED(MC)をプリマウント。「必要にして十分、ミニマリティックな仕様でありながら、ハイエンド・アナログ・エクスぺリエンスを十二分に堪能できる本格派アナログレコード・プレイヤー」としている。
The Classic発売後に登場した特別仕様の記念モデルVPO175やORTOFON CENTURYなどを経て進化。最大の改良点はサブプラッターで、従来の樹脂製から、アルミ削り出しで精密に成型された重量級のサブプラッターに変更。これが音質の向上に最も大きな役割を果たしているという。
プラッターは精密加工されたアルミ合金製。特殊なダンピング効果のあるTPE処理が施された特殊なアルミニウム合金を正確に機械加工して製造。安定性を維持しながら、共振にも強い設計とした。これに削り出しのサブプラッターを追加。超精密加工のサブプラッターが、ベアリングノイズとランブルを大幅に低減するという。
駆動はベルトドライブで、33、45、78回転に対応。快適な操作性を実現するため、電子切替スイッチによる回転速度変更が可能になった。78回転はベルトの掛け替えで対応する。
サブシャーシは、さらに固く重量のある素材に変更。トーンアームベースとセンタースピンドルの軸受は、このサブシャーシにマウント。モーターがマウントされたメインシャーシから、6点の TPEダンピングボールによって完全に分離されている。結果として、外部やモーターからの余計な振動で、プラッターとアームが共振するのを防いでいる。
オリジナルのThe Classic発売時に新設計されたトーンアームもさらに改良。Pro-Jectの25年以上に及ぶトーンアーム製造ノウハウを活かしたという。オリジナルモデル同様にトーンアームチューブは、カーボンとアルミニウムの2重構造。カーボンはアームの剛性とハイスピードなサウンドに貢献し、アルミはカーボンの弱点であったダンピング特性を改善するという。
メインベアリングには、大型のジンバルハウジングを備え、上位機種で採用されているPro-Ject CC EVOトーンアームと同じタイプにアップグレード。摩擦の少ない垂直/水平方向の動きを保証し、レコード盤の全記録面を正確にトラッキングする。カウンターウェイトにはTPEダンパーを組み込み、トーンアームやカートリッジの共振を50%低減した。
他のPro-Ject製品と同様に、様々なカートリッジを使用するためのアジマスとVTAの調整もフルアジャスタブルとなっている。
完成度をさらに高めるため、Ortofon Quintet Red MCカートリッジを標準装備。スタイラスポイントはオーバーハングに合わせ、工場出荷時に完全な状態にセッテイングされている。
Classic EVO 9inchは中質量のカートリッジに最適なトーンアームとなっており「このMCカートリッジと抜群のマッチングを誇る」という。
メインシャーシのフレームは、濃色でマット仕上げのユーカリを使った天然木の突板仕様。天然木のため、木目は個体により異なる。ダストカバーも付属する。
ワウ・フラッターは、33回転が0.15%、45回転が0.13%。トーンアームの有効長は230㎜、有効質量は13.5g。適合カートリッジは7~14g(標準装備のカウンターウェイトNo.183装着時)。
消費電力は最大5W(スタンバイ時0.5W)。外形寸法は462×351×131mm(幅×奥行き×高さ)、重量は10.5kg。電源アダプターやフェルトマット、フォノケーブル(RCA)などが付属する。
付属カートリッジQuintet REDは、出力電圧0.5mV(1kHz,5cm/sec)、周波数特性は20Hz~25kHz(-3dB)、スタイラスタイプは楕円、適正針圧は2.3g(23mN)、インピーダンスは7Ω。自重は9g。