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デノン、8Kや次世代ゲーム機対応で9万円のAVアンプ「AVR-X2700H」

「AVR-X2700H」

ディーアンドエムホールディングスは、デノンブランドのAVアンプ新製品として「AVR-X2700H」を9月中旬に発売する。価格は9万円。10万円以下ながら、8K/60p、4K/120pに対応するHDMI入出力を備え、8K放送や次世代ゲーム機の映像への対応も想定している。

HDMIは、8K/60pおよび4K/120pに対応するHDMI入力を1系統、出力を2系統装備。6入力/2出力すべてのHDMI端子が最新の映像コンテンツに対する著作権保護技術HDCP 2.3に対応。衛星放送やインターネットを通して配信される4K/8K Ultra HDコンテンツの超高精細映像をハイクオリティなサウンドとともに楽しめる。2系統のモニターHDMI出力で、TVとプロジェクターなど2つの画面に8Kまでの映像を同時に出力することも可能。

さらに、新4K/8K衛星放送で使用されている音声フォーマット、MPEG-4 AAC ステレオ/5.1chのデコードに対応。4Kや8Kのサラウンド放送も楽しめる。

入力された映像信号を8K/60pや4K/60pなどにアップスケーリングしてHDMI出力する事も可能。ただし、フレームレート変換は行なわない。

「AVR-X2700H」

HDR映像のパススルーにも対応。HDR10、Dolby Vision、HLGに加えて、HDR10+、Dynamic HDRもサポートする。

ゲームやVRコンテンツ体験の質を向上させるHDMI 2.1の新機能「ALLM(Auto Low Latency Mode)」、「VRR(Variable Refresh Rate)」、「QFT(Quick Frame Transport)」、「QMS(Quick Media Switching)」に対応。

ALLMはコンテンツの種類に応じて画質とレイテンシーのどちらを優先するかを自動で切り替える機能。ゲームやVRコンテンツを再生する際には、レイテンシーが最小になるよう設定され、操作に対する画面表示の遅れを最小化する。その際AVアンプは、画質調整やi/pスケーラー、オートリップシンクなど、レイテンシーに影響する機能を停止する。

VRRは、PCやゲーム機などの映像ソース機器とディスプレイを同期させ、任意のタイミングでリフレッシュレートを切り替えるもの。画面割れ(ティアリング)やカクつきなしに映像を表示できる。

QFTは、ディスプレイ側のフレームレートは変更せずに、映像ソース機器からの伝送速度を上げることでレイテンシーを低減し、ゲームやVRコンテンツにおける表示の遅延を解消し、スムーズでシームレスな映像を実現するもの。QMSは、ディスプレイとソース機器のリンクを維持したままフレームレートや解像度を切り替えられ、画面のブラックアウトや表示の乱れの問題を解決する。

「AVR-X2700H」

オブジェクトオーディオのDolby Atmos、DTS:Xに対応。頭上も含む全方位に展開する自然な音響空間を再現できる。Dolby Surround、およびNeural:Xにより、ステレオや5.1ch、7.1chの信号を立体的な3Dサウンドにアップミックスすることも可能。

5.1.2のスピーカー配置に対応し、2つのハイトスピーカーを接続可能。ハイトスピーカーには、フロントハイト、トップフロント、トップミドル、フロントドルビーイネーブルド、サラウンドドルビーイネーブルドのいずれかを選択できる。

【お詫びと訂正】記事初出時、“13.2chのプロセッシングが可能”と記載しておりましたが誤りでした。お詫びして訂正します。(8月4日14時)

また、サラウンドバックやハイトスピーカーを使用しない場合には、フロントスピーカーの駆動に4チャンネルのアンプを使って高音質化するバイアンプや、2系統のフロントスピーカーを切り替えて使用できる「A+B」など、柔軟なアンプアサインが可能。

最新のバーチャル3Dサラウンドである「Dolby Atmos Height Virtualizer」、「DTS Virtual:X」にも対応。ハイトスピーカーやサラウンドスピーカーを設置していない環境でも、高さ方向を含むあらゆる方向からのサウンドに包み込まれるイマーシブオーディオ体験が可能。

なお、上位機種と比べ、IMAX EnhancedとAuro-3Dには対応しない。

最大出力185W、7ch、全チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプを搭載。パワーアンプ基板の信号ライン、電源供給ライン、およびパーツの配置を最適化することにで、ノイズの影響を受けにくいレイアウトとした。

電源供給ラインを2系統に分割することで、チャンネル間のクロストーク、SN比を改善。音場空間の広がりとその空間に定位するサウンドの明瞭さ、実在感を高めている。さらに、上位モデルと同様にパワーアンプ入力段のフィルムコンデンサーをグレードアップすることで、フォーカス感を高め、全帯域に渡るエネルギー感の向上を実現した。

AVC-X8500Hなどの上位モデルと同様に、パワーアンプ初段の差動増幅段に特性のそろった2つのトランジスタを内蔵、デュアル・トランジスタを採用。微小信号の表現力を高め、低域の安定感を向上させている。

クリーンで安定した電源供給のため、大電流の供給能力、低リーケージフラックス、低振動を突き詰めたカスタム仕様の大型EIコアトランスを搭載。電源部のブロックコンデンサーには、AVR-X2700H専用にチューニングされた大容量12,000uFのカスタムコンデンサーを2個使用している。デジタル電源回路のスイッチング周波数を通常の約3倍とすることでスイッチングノイズを可聴帯域外へシフトさせ、再生音への影響を排除した。

入力セレクター、ボリューム、出力セレクターそれぞれの機能に特化したカスタムデバイスを採用。これらは上位モデルのために開発され、フラッグシップモデルであるAVC-X8500Hでも採用されている高性能デバイス。専用のデバイスを最適な配置でレイアウトすることによって、音質を最優先したシンプルかつストレートな信号経路を実現。AVR-X2700Hではプリアンプ電源部のグラウンドパターンを見直すことで対称性を向上させ、より透明感の高いサウンドとしている。

DACは、サウンドマネージャーによる入念なリスニングテストによって選択された最新世代の32bitタイプを採用。AVC-X6700HやAVR-X4700Hに搭載されているものと同じプレミアムDACで、「歪が極めて少なく、解像感や繊細な空間表現力に優れる」という。DACのポストフィルター回路内のオペアンプの動作点をAVC-X6700Hと同様のA級動作とし、エネルギッシュで、引き締まった低域、歪感のない高域を実現。さらにDACへの電源供給ラインのコンデンサーの容量をアップし、力強さと解像度を高めた。

音質に悪影響を及ぼす内部、外部の不要振動を排除するため、ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクションを採用。ヒートシンクや電源トランスなどの重量物はフットの間近に配置して高剛性なシャーシにしっかりと固定。フットにはAVC-X8500Hと同じ、共振を防止するリブを設けた高密度フットを採用している。

設置する部屋によって異なる音響的な問題を補正する音場補正技術「Audyssey MultEQ XT」を搭載。AVアンプシーバー単体では設定できない詳細な調整項目を備えるアプリ「Audyssey MultEQ Editor」も用意する。

ワイヤレス・オーディオシステム、「HEOS」のテクノロジーも搭載。音楽ストリーミングサービスやインターネットラジオの再生や、LAN上のミュージックサーバー(NAS/PC/Macなど)や、USBメモリーに保存した音源の再生も可能。Amazon Alexaによる音声コントロールにも対応する。

AirPlay 2、Bluetoothにも対応。Bluetoothでは新たに、送信機能もサポート。X2700Hで再生中の音声を、Bluetoothヘッドフォンなどにワイヤレスで伝送でき、夜間などでスピーカーから大きな音が出せない時間帯に、Bluetoothヘッドフォンで映画が楽しめる。

アナログ映像入力端子は、コンポジット×2、コンポーネント×2。出力は、コンポジット×1、コンポーネント×1。音声は、アナログ音声入力×4、Phono入力×1、光デジタル入力×2、サブウーファープリアウト×2、ゾーンプリアウト×1、ヘッドフォン出力×1(フロント)。外形寸法は、434×311×167mm(アンテナを寝かせた場合)。重量は9.5kg。消費電力は500W。