レビュー

PS5も見据えたデノン次世代AVアンプ。これで10万円以下!?「X2700H」、圧巻「X6700H」

7chの「AVR-X2700H」

最新映像/音声フォーマットを網羅

家で映像配信や音楽を楽しむ時間が増えた事で「テレビ内蔵スピーカーの音にいよいよ我慢できなくなった」とか「昔そろえたホームシアターが時代遅れになって最新フォーマットやサービスが使えず悲しい」という人も多いだろう。そんな人達に注目して欲しいAVアンプが3機種、デノンから登場した。ラインナップは11chアンプの「AVC-X6700H」(8月発売/33万円)、9chの「AVC-X4700H」(7月発売/18万円)、7chの「AVR-X2700H」(9月発売/90,000円)。

注目して欲しい理由は大きく3つある。1つは「8Kや4K/120pを含む最新映像/音声フォーマットにいち早く対応している事」、2点目はハイレゾ配信サービスへの対応やBluetooth送信機能など「便利な最新サービスや使い勝手の向上」、最後の3点目はアンプで一番大事とも言える「音質の大幅な進化」だ。

「8Kや4K/120pを含む最新映像/音声フォーマットへの対応」と聞くと、「いやぁ8Kテレビ持ってないし、買う予定もないし、別に対応してなくていいでしょ」と思われるかもしれないが、ちょっと待って欲しい。話は新4K/8K衛星放送だけの話には留まらない。

AV Watch読者ならば、今年の年末商戦期に次世代ゲーム機「プレイステーション 5」が発売される事はご存知だろう。このPS5は、ゲームで最大8Kの映像出力、さらには4K/120pに対応する事も発表されている。120pのようなハイフレームレート映像での滑らかなゲームプレイはこれまでゲーミングPCで実現できる世界だったが、いよいよコンシューマーゲーム機でもそこに突入するわけだ。

だが、AVアンプが8Kや4K/120pに対応していなかった場合、ゲーム機と対応モニターを用意したのに、AVアンプがネックになって、せっかくの高解像度/ハイフレームレート映像が表示できない……なんて事になってしまう。

今すぐ4K/8K放送、次世代ゲーム機に興味が無い場合でも、AVアンプは一度購入すれば、そう頻繁に買い換えるものでもない。いざ興味が出た時に「AVアンプが対応していなかった、買い換えなきゃ」となるのであれば、将来を見据えてこうした最新映像に対応したモデルを選んでおいた方がいい。そういう意味でも、デノンの3機種は「安心して買えるAVアンプ」であり、それが注目機種である大きな理由なのだ。

9chの「AVC-X4700H」
11chの「AVC-X6700H」

新4K/8K衛星放送番組の音声もキッチリ再生

冒頭からいきなり最新映像への対応を書きまくったが、今回の3機種が凄いのはそれだけではない。先程の8K、4K/120pへの対応は、AVアンプとしてパススルーできるという意味だが、3機種には、低解像度であっても、入力された映像を8K/60pや4K/60pなどにアップスケーリングし、HDMIで出力する機能を備えている。

X6700Hで8Kにアップスケールし、その映像をX4700Hでパススルーし、8Kテレビに表示しているところ

さらに、新4K/8K衛星放送の番組で採用されながらも、これまで対応AVアンプが登場していなかったMPEG-4 AACのステレオ、5.1chデコードに対応。これで、高解像度の映像だけでなく、番組のサラウンド音声もキチンと再生できるようになった。

どういう事かというと、テレビとARC、もしくは光デジタル音声で接続していた場合、テレビ側からリニアPCMで伝送すると、5.1chではなく、2chしか転送できなかった。また、チューナー/レコーダー側でリニアPCM変換された場合、0.1chの低域レベルが正しい状態にならない事が多く、本来の5.1chのバランスが保てない事があった。今回の3機種は、MPEG-4 AAC 5.1chまでのデコードに対応しているため、そういった問題がないわけだ。

「放送があるのだから対応するのは当たり前」と思われるかもしれないが、海外市場でも販売するAVアンプの場合、こうした“日本ローカルな放送”への対応を実現するのはなかなか難しい事もある。それをキチッとやってくるのはさすがだ。

MPEG-4 AACのステレオ、5.1chデコードに対応

次世代ゲーム機の話をしたが、HDMI 2.1の新機能「ALLM(Auto Low Latency Mode)」、「VRR(Variable Refresh Rate)」、「QMS(Quick Frame Transport)」、「QFT(Quick Media Switching)」に対応しているのも見逃せない。簡単に言うと、ALLMはコンテンツの種類に応じて画質とレイテンシーのどちらを優先するか? を自動で切り替えてくれるもの。例えば、ゲームではレイテンシーの少なさが求められるので、それが最小になるように、AVアンプの画質調整やi/pスケーラー、オートリップシンクなど、レイテンシーに影響する機能が停止される。

VRRは、PCやゲーム機などの映像ソース機器とディスプレイを同期させ、任意のタイミングでリフレッシュレートを切り替えるもの。これにより、ティアリング(画面割れ)やカクつきなどが抑えられる。QFTは、ディスプレイ側のフレームレートは変更せずに、映像ソース機器からの伝送速度を上げることでレイテンシーを低減するゲームやVR向けのもの。QMSは、ディスプレイとソース機器のリンクを維持したままフレームレートや解像度を切り替えるもので、ブラックアウトや表示の乱れを解消する技術だ。

こうしたポイントを見ても、ゲーム機との相性が良いAVアンプと言えるだろう。

既におなじみのHDR映像のパススルーも可能だが、その充実ぶりにも磨きがかかってた。HDR10、Dolby Vision、HLGは当然として、最新パッケージソフトで採用されているHDR10+、Dynamic HDRにも対応している。

音声の対応も充実している。オブジェクトオーディオのDolby Atmos、DTS:Xに対応しているのは当たり前だが、バーチャルサラウンドのDolby Atmos Height Virtualizer、DTS Virtual:Xにも対応している。ハイトスピーカーやサラウンドスピーカーを持っていなくても、高さ方向を含むイマーシブオーディオが体験できるわけだ。

また、ステレオや5.1ch信号もバーチャルサラウンド化して再生できるので、UHD BDソフト再生以外の利用でも、AVアンプの性能をぞんぶんに発揮できようになっている。

リアルスピーカーを天井にも設置する場合、X6700Hは11chのパワーアンプを搭載しているため、パワーアンプを追加せずに、7.1.4や、フロントワイドを含む9.1.2システムを構築できる。

X6700Hはさらに、今後のアップデートで「DTS:X Pro」にも対応予定。これは、アップミックスとレンダラーが32台のスピーカー出力に対応するもの。従来の11.2chまでしかデコードできなかったDTS:Xに対し、DTS:X Pro対応で13.2chまでデコード可能になる。

X2700H以外の2機種は、IMAXとDTSによる性能基準を満たすIMAX Enhanced認定製品でもある。IMAX Enhancedコンテンツの再生に最適化されたサウンドモード「IMAX DTS」、「IMAX DTS:X」が使用できる。高音質なソフトが多いAuro-3Dも再生可能だ。

AVR-X4700H
AVR-X6700H

また、X6700H/X4700Hに限った話になるが、この2機種は、最上位モデル「AVR-X8500H」と同じアナログ・デバイセズのSHARC、DSP「Griffin Lite」を新たに搭載。演算処理能力が従来モデルより大幅にグレードアップしている。これにより、処理できるチャンネル数が、11chのパワーアンプしか搭載していないX6700Hで13.2chまで処理が可能。X4700Hは9chアンプだが、Auro-3Dにおいてパワーアンプを追加すればトップサラウンドスピーカーを含む10.1chシステムまで拡張できる。

この2機種はプリアンプモードも備えており、豊富なプロセッシングチャンネル数を活かす事ができる。プリとパワーの経路が切り離される事で、大出力時にパワーアンプがクリップした時の歪みの影響をプリアンプが受けなくなるなど、音質向上にも効果がある。

X6700Hがサポートする代表的な13.2chスピーカーの構成図。X6700Hは11chアンプなので、2chは外付けアンプが必要

このように機能がめちゃめちゃ豊富なので、紹介しているだけで長くなってしまうので細かいものは省略するが、ネットワーク再生機能の「HEOS」にも、3機種全てが対応。ハイレゾ音楽ファイルのネットワーク再生や、音楽ストリーミングサービスの再生、インターネットラジオの再生、USBメモリーに保存した音源の再生も可能だ。つまり、AVアンプをデジタルオーディオプレーヤー兼アンプとして使える。一昔前のAVアンプから買い替える人は、このあたりも魅力的に感じるだろう。

また最後に1つ、便利な新機能がある。AirPlay 2やBluetooth経由での再生もできるのだが、Bluetoothで音楽を“受ける”だけでなく、“送信する”事もできる。どういう事かというと、AVアンプで再生する音を、スピーカーから鳴らすのではなく、Bluetoothで送信。Bluetoothヘッドフォン/イヤフォンを持っていれば、それでワイヤレス受信して聴けるというわけだ。例えば、夜だからスピーカーから大きな音を出せないといった時に、手持ちのワイヤレスヘッドフォンでサウンドが楽しめる。これは非常に便利な機能だ。ただし、映像に対して一定の音声遅延があるので、タイミングがシビアな音ゲーなどには向かないだろう。

3機種を聴き比べる

機能の進化面も見どころが多いが、それよりも重要なのは“アンプとして高音質かどうか”だろう。その点も着実に進化していると、デノンのサウンドマネージャー・山内慎一氏は語る。

詳しい話の前に、音を聴いてみよう。

AVR-X2700H

まず、基本的なアンプとしての進化を探るため、CDプレーヤーと接続し、X2700Hの2chの音(リッキー・リー・ジョーンズ)を聴いてみる。

昨年、前モデルの「AVR-X2600H」を詳しくレビューしたが、このX2600Hは10万円以下のAVアンプとは思えないほど高音質だった。アンプとしての“根本を磨く”をテーマに、パワーアンプへの電源供給ラインや、DAC部分の改良などにより、驚くほど音の良いアンプだった。

それゆえ「X2600Hがあれだけ良かったから、X2700Hはそこまで大きく変わってないのでは?」と思っていた。しかし、音を出した瞬間に「あ、全然違う」とわかるくらい進化している。

まずSN比が非常に良くなっており、静かな空間に音がスッと立ち上がる瞬間から、生々しさが違う。X2600Hも音場の制約を感じさせず、広い空間に音像が明瞭に定位するアンプだったが、X2700Hはその音の広がり具合や、定位のクリアさなど、全ての描写がさらに繊細かつ明瞭になっている。なんというか「もともと凄いアンプだと知っていたが、その凄さがより“わかる”」ようになっている。

これはマルチだとさらに凄いのではと、「ブレードランナー2049」を再生すると、雨の中を飛ぶスピナーの窓ガラスに当たる、雨粒の細かい音や、墜落したスピナーが土砂を巻き上げ、細かい砂がパラパラと落ちてくる音が非常に細かく、そしてリアルに聴こえる。そんな細かい音がしっかりと聴き取れつつ、屋外の広大な空間の“広さ”もキッチリ描写。遠い音と近い音の描き分けも見事で、音と音の間にある、音のない空間の大きさも感じられる。

AVR-X2700Hの内部
パワーアンプのヒートシンクはコルゲート型

これから18万円のX4700H、33万円のX6700Hを聴こうというのに、ぶっちゃけ「もう9万円のX2700Hでいいじゃん」という満足感に包まれてしまう。冗談抜きで、「とりあえずAVアンプを買ってみよう」という人にはオススメのモデルだ。また、「5年、10年ぶりにAVアンプ買い替えよう」という人にもイイだろう。一昔前の20万円以上するAVアンプにも負けないサウンドだ。

AVC-X4700H

続いて、18万円のX4700Hに変更。圧倒的な音場の広さ、その空間に自由に音像が定位する明瞭さといった特徴はX2600Hと同じ傾向だが、X4700Hでは、その情報の純度・鮮度がアップしている。デノンは「突き詰めればDACはアナログ回路だ」という考え、X4700HとX6700Hにおいては、DAC部分がデジタル回路からも独立した基板になっている。こうしたこだわりも、音に効いているのだろう。

情報量の増加だけでなく、1つ1つの音がパワフルになり、音圧も向上。音楽のボーカル、映画の効果音が“押し寄せる”というより、“体をつらぬかれる”ようなパワフルさが感じられるようになる。

X4700HとX6700Hは、DAC部分がデジタル回路から独立した基板になっている。これは「突き詰めればDACはアナログ回路だ」という考えで設計しているためだ

特に映画で大切な低域のパワフルさが凄い。それでいて切り込みは鋭く、ハイスピード。決してボワボワと膨らむ、ゆるい低域ではない。明瞭でクリアな中高域とマッチした、鋭い低域が心地良い。

「AVC-X4700H」の内部。全チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプを搭載。放熱効率に優れる肉厚なアルミ押し出し材のヒートシンクに2枚の基板に分けた9chのアンプを搭載する

「ブレードランナー2049」も、雨の屋外の空間が呆れるほど広く感じられる。そして、遠くのオブジェクトが発する小さな音も聴き取れるため、視力、というか聴力が良くなったような気すらしてくる。そのため、スピナーや登場人物の声などに立体感が生まれ、それが映画全体から受けるリアルさの強化にも繋がっている。

先程「X2700Hでいいじゃん」と言った舌の根も乾かぬうちに、「うわーX4700Hの方がいいわ」と唸ってしまう。X2700Hは文句なしに良いアンプだが、やはり2倍近く値段が違うので、X4700Hの方が低域、パワフルさの面で“格が違う音”がする。

AVC-X6700H

こうなると、33万円のX6700Hの音が気になるのが当然だ。これがまた凄い。X4700Hをさらに超える“格の違い”を見せつける。音圧や低域のパワフルさはさらに進化。ここまで音が強くなると、1つ1つの音が混じってしまいそうな気がするが、解像感や音像のシャープさは崩れない。スピーカーをドライブする能力そのものが高いというのもあるだろう。

前述の通り、X6700HもDAC部分がデジタル回路からも独立した基板になっているが、X6700Hではさらに、その基板に専用電源も用意するというこだわりぶりだ。

同じシーンを見るのは3回目になるが、「ブレードランナー2049」が、音がグレードアップした事で違う映画に見える。墜落時の衝撃音の深さ、重さ、そして降りかかる土砂の押し寄せる迫力が凄すぎて、「音が良いな」と感じるのを通り越して「音が怖い」と思ってしまう。それだけ生々しく、リアルなのだ。映画の臨場感にどっぷり浸かるという意味ではX6700Hの方が一枚も二枚も上手だ。頼りがいのある、このアンプでしか描けない世界がたしかにあるという面で、ハイエンドのピュアオーディオアンプと似た匂いがする。

「AVC-X6700H」の内部。11ch同一クオリティのディスクリート・パワーアンプをそれぞれ独立した基板にマウントし、電源供給もそれぞれ独立させ、チャンネル間の干渉、クロストークを排除している

基板を見れば、音の進化がわかる

これら3機種の音質が、ここまで進化した理由を、サウンドマネージャーの山内氏は「細かな部分のブラッシュアップの積み重ねです」と語る。つまり、何か1つのパーツを新しいものに変えてガラッと変わったのではなく、細かな高音質技術を積み木のように重ねていった末の進化というわけだ。

サウンドマネージャーの山内氏

その一例が基板のパターンだ。ご存知のように、基板には信号経路のパターンがあるが、3機種で、それらを大幅に見直したという。下の写真がその変更ポイント例だが、左右、上下(プラス・マイナス)の対称性がより徹底されている。そのため、新モデルの基板パターンの方が見ていて“美しい”。また、パターン自体が太くなっているところもある。こうする事で、インピーダンスを下げているわけだ。

左が新機種、右が従来機種の基板パターン

パターンそのものに加え、どのように“パターニングするか?”もこだわりのポイントだ。3機種いずれも、ボリュームとセレクターを一体型にしたICはあえて採用せず、カスタムのボリュームIC、セレクターICを開発・採用している。これにより、一体型汎用ボリュームに集積された不要なバッファ回路を省けるほか、基板上へのデバイスのレイアウト自由度がアップ。信号があっちゃこっちゃと流れず、シンプルな経路で流れるようにパターニングされている。細かい点だが、これも高音質には非常に効果的だそうだ。

X7200Wと、新モデルX6700Hの信号の流れ方を比較した図

さらに、スピーカーを駆動する電力を全て供給する大事なパーツであるパワーアンプのブロックコンデンサーに新しいデノンカスタム品を採用。充放電特性、インピーダンス特性、振動特性がサウンドに直結するため、例えばX6700Hではコンデンサーの径をX8500と同じ50mm径ケースとした。さらに、低ESRを実現するオーディオ用ACエッチング方式の高倍率箔も使い、内部に一切固定材を使わないなど、独自のチューニングも施している。

こうした工夫やパーツの進化などが、新たな3機種のサウンドを生み出したというわけだ。

パワーアンプのブロックコンデンサーを、新しいデノンカスタム品に交換

一方で、試聴を通じて感じたのは“3機種の音の傾向が似ている”事だ。前述のように、音質そのもののグレードは、価格に応じてアップしていくのだが、そのステップアップ軸が3機種でキチッと揃っていると感じた。

山内氏はその秘密を「開発の仕方にある」と説明する。「開発に取り掛かる前に、開発チーム全体で話し合いを行ない、“追求したいサウンド”をターゲットとして掲げています。そのサウンドに向かって開発しています」。

もちろん、価格帯が違う製品なので、コスト的に投入できるパーツも異なり、全部の機種が同じ音になるわけではない。しかし、目標として追求するサウンドの“ベクトル”を揃えているのがポイントだ。このような流れで開発する事で、松・竹・梅の3機種を聴き比べた時に、例えば“松と梅の音の傾向が似ているのに、竹だけキャラクターがぜんぜん違う”といった事が起こらなくなるわけだ。

これは、ユーザーにとって非常に“選びやすい”。予算で選べば、それで良いからだ。つまり、「上位機を試聴して気に入ったが、予算が足りないので下位モデルを選んだら、音のキャラクターまで全然違った」という事が無いわけだ。逆に、下位モデルを聴きながら「上位モデルはこんな音なのかな?」と予想しやすく、音質のステップアップがイメージしやすいとも言えるだろう。

X6700Hの背面

3機種からどれを選ぶか!?

新4K/8K衛星放送のMPEG-4 AAC 5.1ch音声への対応、8K映像のパススルー/アップスケール、4K/120pサポート、HDRへの対応も網羅、バーチャルサラウンドも含め、最新のサラウンドフォーマットにもキッチリ対応するなど、AVアンプとして機能面で不安は一切ない。

また、新しいフォーマットに対応した年のAVアンプは、その対応にコストを割く必要があるため、音質面の進化がそれほどない事もある。しかし、X6700H、X4700H、X2700Hは、いずれも大きく音質が進化している。特に、新機種登場まで時間があった上位2機種は、従来モデルと比べ、完全に“別物”と言って良い進化を遂げている。

3機種の中で、個人的に最もオススメなのはX2700Hだ。機能と音質を考えると、とても10万円以下とは思えない。このコストパフォーマンスの高さは、要注目と言えるだろう。

だが、その魅力を、同じベクトルでさらに上へと伸ばしているX4700H、そして1つ違う次元へと到達できるX6700Hもまた、見逃せない。「そんなにスピーカー置けないから、9chや11chアンプはいらないよ」と言う人もいるかもしれないが、例えば、9chのX4700Hはフロントスピーカーの駆動に4チャンネルのアンプを使って高音質化する“バイアンプ駆動”、X6700Hは、フロントのバイアンプに加え、センター、サラウンドも含む5チャンネルのスピーカーをバイアンプ駆動する「5chフルバイアンプ」駆動まで可能。スピーカーを増やさないまま、さらに上の音質を目指せる実力を備えている。

どのモデルを選ぶにせよ、X2700Hから最新の映像・音声フォーマットに対応している点を高く評価したい。“待ち”ではなく、“買い”なAVアンプだ。

(協力:デノン)

山崎健太郎