レビュー

10万円以下で驚きの音質、デノン新AVアンプを聴く。5万円台のX1600Hも凄い

Amazon Prime VideoやNetflixで映画を楽しんだり、PlayStation 4などのハイクオリティなゲームを4Kテレビでプレイしたりと、高画質・高音質なコンテンツが気軽に楽しめる時代になった。4Kテレビも低価格になり、AVファンには良い事ずくめ……と思いきや、肝心の“音”が、ショボいTV内蔵スピーカーのまま、なんて人は多いだろう。「昔買ったAVアンプがあるけど最近は使ってない」なんてパターンもありそうだ。そんな人にこそ注目して欲しい、リーズナブルだが、中身が“かなりスゴイ”AVアンプがデノンから登場した。

AVR-X2600H

2機種あり、どちらも10万円以下の7.2chアンプだ。価格は「AVR-X2600H」が9万円、「AVR-X1600H」が59,500円。AVアンプとしては、比較的購入しやすい価格帯。特にAVR-X1600Hは入門モデルと言っていい。ただ、結論から言うとこの2機種、ぶっちゃけ「こんな値段で売って大丈夫なの?」と言いたくなるほど機能と音が凄い。

AVR-X1600H

天井にスピーカー無くても大丈夫、Dolby Atmos Height Virtualizer

最近のAVアンプは機能がてんこ盛りなので、一から紹介していくと大変な事になる。そこで見逃せないポイントだけ絞って「何が凄いのか」を紹介しよう。

どちらのモデルもオブジェクトオーディオのDolby Atmos、DTS:Xのデコードが可能。Blu-rayだけでなく、4K Ultra HD Blu-rayプレーヤーと組み合わせても、最新のサラウンドが楽しめる。

7chのパワーアンプを搭載しているため、5.1.2、つまり5.1chに天井2chを加えたサラウンド環境まで構築できる。この2つのハイトチャンネルスピーカーは、フロントハイト、トップフロント、トップミドル、フロントドルビーイネーブルド、サラウンドドルビーイネーブルドのいずれかを選択可能だ。

「天井にスピーカーなんて取り付けできないよ」という人も多いと思うが、ぶっちゃけそれでも構わない。最初は5.1chでも、センタースピーカー無しの4chでも、もっと言えば2chスピーカーでも構わない。それでもTV内蔵スピーカーと比べれば、天と地ほどの音の違いが楽しめる。そこで「ホームシアター最高だわ」となってから、トップスピーカーの設置を考えたり、天井に反射させるイネーブルドスピーカーを買ったりすればいい。その時にこの2機種であれば、“AVアンプごと買い換えなくて良い”というのが大事なポイントだ。

さらにこの2機種は新機能として「Dolby Atmos Height Virtualizer」が今後のアップデートで利用できるようになる。これはハイトスピーカーやサラウンドスピーカーを設置していない2ch、5.1ch、7.1chなどの環境でも、高さ方向まで含めたサラウンドを、バーチャルで再生してくれるもの。「天井スピーカーはちょっと……」という人にピッタリな機能というわけだ。しかも再生するソースは映画でなくてもなんでもいい。2chソースでもサラウンド化して再生してくれる。

多いに越したことはないHDMI入力

AVアンプの基本機能で重視したいのはHDMI入力の数だ。CDプレーヤーやBDレコーダーだけでなく、最近はAmazonのFire TV Stickのようなストリーミング用端末、ゲーム機もPS4、Nintendo Switchなどなど、繋ぎたい機器は沢山ある。足りなくて頭をかかえる事はあるが、多くて困る事はない。

X2600Hの背面。HDMIは8入力、2出力と豊富だ

X2600Hは8入力/2出力、X1600Hが6入力/1出力と、どちらのモデルも同価格帯のAVアンプの中ではクラス最多。これだけあれば足りないというケースは少ないだろう。なお、X2600HはHDMI出力を2つ備えているが、例えばTVとプロジェクターとか、TVとPCディスプレイなど、2つの画面に同時に同じ映像を出力する事もできる。

全HDMI入出力は4K/60p映像やHDRをサポート。低価格なモデルでも、基本的な部分は手を抜かずに作られている。

AVR-X2600H
AVR-X1600H

これから重要になる“eARC”もサポート

HDMI端子が多いだけでなく、HDMI 2.1の最新機能「eARC」(Enhanced ARC)と「ALLM」(Auto Low Latency Mode)に対応しているのもポイントだ。ARC(オーディオリターンチャンネル)は既にお馴染みだと思うが、対応テレビとHDMIで接続すると、AVアンプからテレビに映像と音を送信するだけでなく、その逆に、テレビの音をAVアンプに伝送して、AVアンプからテレビの音を出せるようになるもの。HDMIケーブル1本で済む便利な機能だ。

eARCはその進化版で、テレビからAVアンプへ伝送できるデータが拡大。5.1chや7.1chのリニアPCM信号や、Dolby TrueHD/DTS-HD Master Audioなどのロスレスオーディオ、Dolby Atmos/DTS:Xなどのオブジェクトオーディオの伝送も可能になる。

最近はテレビにNetflixなどの映像配信サービスのアプリがプリインストールされているが、それらで受信したサラウンドデータも、HDMIを経由してAVアンプに伝送できる。

ALLMはゲーマー注目の機能。対応するゲーム機やテレビと接続すると、ゲームプレイ時にAVアンプとテレビが自動的に低遅延モードに切り替わり、映像の遅延を低減するというものだ。

深夜の鑑賞にも便利なBluetooth送信機能

ユニークな新機能はこれだけではない。Bluetooth受信に対応し、スマホやタブレット内の音楽を手軽に再生できる……のは、昨今のAVアンプでは普通の機能だが、なんと後日のファームアップデートにより、Bluetooth“送信”機能も利用できるようになる。

つまり、AVアンプで再生中の音を、Bluetoothヘッドフォンにワイヤレスで送信できる。例えば、夜に家族が寝静まった頃に、大きな音は出せないので、Bluetoothヘッドフォンで映画を楽しむ……とか、手元に置いたBluetoothスピーカーから音を出すといった使い方ができるわけだ。これはアイデア次第でいろいろ便利に使えそうだ。

Bluetooth受信だけでなく、送信も可能になる予定

ネットワークオーディオプレーヤーとしても利用できる。デノン製品でお馴染み、「HEOS」テクノロジーを搭載しており、音楽ストリーミングサービスやインターネットラジオ、LAN内のNASに保存した音楽ファイルや、USBメモリー内のファイルなども再生できる。

ファイルはDSD 5.6MHzまで、PCMは192kHz/24bitまで対応。Amazon Alexaによる音声コントロールや、iOS 11.4で追加されたAirPlay 2にも対応する。同一のネットワークに接続した他のHEOSデバイスに対して、AVR-X2600H/1600Hで再生中の音楽を配信することも可能だ。

9万円のX2600Hはともかく、59,500円のX1600Hまでこのあたりにしっかり対応しているのは、極めてコストパフォーマンスが高い。

アンプとしての“根本を磨いた”新モデル

機能面はこれくらいにして、一番大事な“音の進化”をチェックしよう。実は、デノンのAVアンプの音は、ここ数年で大きく変化している。

具体的には、今回のモデルの“前の前の機種”、2017年に発売されたX2400HとX1400Hにおいて、DACがTI製から旭化成エレクトロニクス製のものに変更された。また、このモデルは弊誌でお馴染みの山内慎一氏が、デノンの音の門番である“サウンドマネージャー”に就任して手がけたAVアンプでもある。これらの要素が組み合わさって“激変”と言っていい進化を遂げた。

デノン・サウンドマネージャーの山内慎一氏

それに続き、2018年に登場したX2500/1500の時では、大幅な進化があったX2400H/X1400Hからさらに前進。広大な空間表現、低域の沈み込みの深さ、中低域のパワフルな密度感、全体の分解能などの面で、クオリティアップを実感した。その結果、メチャクチャ完成度が高いモデルとなった。昨年、試聴した後、山内氏に思わず「来年、これをさらに進化させるの大変じゃないですか?」と聞いてしまった記憶がある。

国内営業本部 営業企画室でデノンブランドを担当する田中清崇氏も、「私もそう思っていた部分はあります」と笑う。それを踏まえて、田中氏は、今年のAVR-X2600H/X1600H開発にあたり「アンプとしての基本に立ち返り“根本を磨こう”というのがテーマでした」と語る。

国内営業本部 営業企画室でデノンブランドを担当する田中清崇氏

根本をどのように磨くのか。進化点は多々あるが、代表的なものを見ていこう。例えばX2600Hでは、ディスクリート構成のパワーアンプに電源を供給する“ライン”が変わった。

AVアンプなので、内部にはパワーアンプが7ch分ズラッと並んでいるのだが、前モデルのX2500Hではそれらに1本のワイヤーで電源を供給していた。木が、太い幹から枝分かれするように、各パワーアンプに供給する構成になっていたわけだ。

素人が見ると、別にそれが普通のように思える。しかし、この構成では、幹となる電源ラインから“遠い場所”にあるパワーアンプと、“近い場所”にあるパワーアンプで、電源ラインの重複する部分が生まれてしまう。近いアンプの場合、電流が延長線上にある他のパワーアンプに行って、戻ってくる過程でノイズなどを拾いやすくなり、最終的にチャンネル間のクロストークが増える原因になるそうだ。

パワーアンプの電源供給ラインを、旧モデルと新モデルで比較したもの。下のX2600Hでは、2つのラインで、3ch、4chずつ電源供給しているのがわかる

そこで、新モデルのX2600Hでは幹のワイヤーを1本から2本に増やし、1本目がパワーアンプの3ch、2本目が4chへと、1組ずつ供給する事にした。こうする事で重複する部分が減り、クロストークが抑えられるというわけだ。

「地味な話だな」と感じるかもしれない。だが、実はこれが音質にメチャクチャ効果があるそうだ。その証拠に、X2600Hよりも上位モデルでは既に活用されている工夫で、9chのX4500Hではラインを5本、X6500Hになると11chで11本、X8500Hでは13chで13本と、“1つのパワーアンプに、1つのライン”を専属で割り当てる超リッチな構成になっている。流石にそこまでコストはかけられないが、2本でも、1本でまかなうよりはかなりの効果があるというわけだ。

X2600Hの内部
パワーアンプ部分

DAC部分も改良されている。使っているチップ自体は、従来と同じ32bit対応の「AK4458VN」だ。DACの外にポストフィルター回路を用意し、配置したオペアンプで、取り除けなかったノイズをさらに低減しているのも従来と同じだ。しかし新モデルでは、そのオペアンプの動作を、AB級ではなく、A級動作に変更した。これにより歪を抑え、低域・高域どちらも音質を向上させたという。この手法は、上位機のX6500Hでも使われている。

X2600HのDAC部分
新モデルでは、その動作をAB級ではなく、A級動作に変更した

パーツもより高音質なものに変更。パワートランジスタの駆動回路を抵抗とコンデンサーを使った回路から、X4500H以上の高級機と同じ、トランジスターを使った定電流回路に変更。パワーアンプ入力段のコンデンサーを汎用品から、X8500Hグレードのフィルムコンデンサーに変更。電源ブロックコンデンサーの大容量化。ボリューム回路、DACのポストフィルターの電源強化・安定化など、上位機のノウハウがかなり投入されている。

価格的に、そこまでコストをかけられないX1600Hも「知恵でカバーしている」(田中氏)という。具体的には、アナログビデオ回路用の電源を、スイッチング電源のSMPSから供給する形とした。ビデオの動作電流が、オーディオ回路へ影響を与えないようにする工夫だ。X2600Hはもともとトランスの巻線がオーディオとアナログビデオで分かれているのでその必要はないのだが、X1600Hでも、コストを抑えつつ、それに肉薄するための工夫というわけだ。

X1600Hのアナログオーディオ回路部
X1600Hの内部

また、これはX2600H、X1600Hどちらでも採用している進化だが、出力段のパワートランジスタのアイドリング電流量を増やしている。これにより、高調波歪を低減させ、小音量時に高域が素直に伸びるようになったそうだ。

田中氏は、こうした新パーツや、音質を高める工夫の“選び方”にも、こだわりがあるという。「昨今は人件費もパーツのコストも上昇傾向にありますが、“いいモノを適正な価格で”がデノンのポリシーです。大切なのは、“そこに手を入れたら、音がどう良くなり、コストはどれだけ上がるのか”という事を、感覚だけでなく、客観的にチェックする仕組みです。デノンでは、エンジニア達が話し合いながら製品を作っていきますが、本当にコスト増に見合う結果が得られているかを、項目ごとに客観的なレポートとして作成し、それを共有します。このレポートを踏まえて、“どのように手を入れていくか”を決めていくのです」。

つまり、やみくもにハイグレードパーツを投入できない価格帯の製品だからこそ、“そのパーツ or 工夫が、高音質化にどれだけ寄与するか”を明確にして、「これは凄く効果がある」と、客観的に認められたものを優先して投入するというわけだ。これは、コストパフォーマンスに優れたモデルを生み出すためには、極めて合理的な開発手段と言えるだろう。

10万円以下とは思えない、あらゆる面で進化したサウンド

前モデルからの進化具合も含め、各モデルの音質をチェックしよう。まず低価格なX1600Hから。前年モデルX1500Hも用意し、2chの「レベッカ・ピジョン/スパニッシュハーレム」や「チック・コリア・トリオ/トリロジー2」で比較試聴してみた。

従来モデルのX1500H

X1500H(59,500円)を聴いていた時は「5万円程度でこの音は凄い、やっぱり去年のモデルは完成度高いなぁ」と満足していたのだが、X1600Hに切り替えると、広大に広がっていた音場が、さらに広くなって驚かされる。特に凄いのは奥行きの深さだ。ライブ会場の広さがよりリアルにわかるようになり、観客の咳払いが、その深い奥行きの中でシャープに定位する。空間の生々しさが格段にアップしており、ドキドキする。

出てくる楽器やヴォーカルの音も、トランジェントが良くなり、輪郭がより繊細かつシャープになる。1つ1つの音の“出方”が鋭く、パワフルで、音が抑圧されずに自由に出ている。X1500Hにもその傾向はあるのだが、X1600Hでは、それがさらに強く感じられる。音が胸に迫る感覚が、X1600Hではとても気持ちがいい。

新モデルのX1600H

広がる空間に制約が無く、音がエネルギッシュに、ストレスフリーに、踊るように飛び出して来る。それでいて、音楽自体は破綻はしていない。この感覚は、まさにサウンドマネージャーが山内氏になってから変化した“新しいデノンの音”であり、2chアンプやヘッドフォンを聴いている時にも感じる共通のものだ。その特徴が、5万円台のAVアンプからも見事に感じられる。

X2600H

では、X1600Hの上位であるX2600Hに変えるとどうなるのか。空間の広さ、トランジェントの良さといった基本的な特徴は同じなのだが、空間に定位する音像がより肉厚になり、実在感がアップ。電源がより強力な事もあり、低域の沈み込みもさらに深く、ドッシリとした安定感が出てくる。

また、女性ヴォーカルの高域や、弦楽器の描写など、高域の質感がよりナチュラルで、表情が豊かになる。これと比べてしまうと、X1600Hは少し乾いたシャープな音と感じられる。

サラウンドでもチェックしよう。リアとサブウーファー、さらに天井2chもプラスし、「9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~」や「プライベート・ライアン」を聴いてみた。

2chの時点で、音場の描写が広大なAVアンプなので、ぶっちゃけ背後のスピーカーが無くても十分楽しめるのだが、さすがに現物のリアスピーカーがあると、背後にいる人の足音や、戦車のキャタピラーの音の定位が、ドキッとするほどリアルになる。背後から飛来し、頭上を通過する爆撃機の移動感も、天井スピーカーがあるとより明瞭だ。“戦場にいる感覚”が、より強く、明瞭になる。

アンプの素性として、トランジェントが良く、1つ1つの音がクリアでパワフルなので、「9<ナイン>」のように、静寂な空間に、鋭い音が響く映画では、“高音質”を通り越して、音がもう“怖い”。心臓を鷲掴みされるようなリアルさがあり、聴きながら首をすくめたくなってくる。

X2600Hは、前述のように低域がパワフルなので、アクション映画によりマッチするだろう。では、下位モデルのX1600Hはイマイチなのかというと、とんでもない。“音の進化っぷり”では、むしろX1600Hの方が激変と言っていいグレードアップぶりで、そのクオリティは、昨年の上位機X2500Hに肉薄しているとすら感じる。

田中氏は「X1600Hは、ハイグレードパーツをどんどん投入するわけにもいかない価格帯だからこそ、開発には本当に苦労しました。でも、その進化具合には自信を持っています」と語る。その言葉どおり、細かな工夫の積み重ねが、見事に音の進化に結実していると感じる。

特にSNの良さ、低域の分解能の向上には目を見張るものがあるので、変な言い方なのだが“安いAVアンプなのに安っぽい音がしない”。むしろ“高いアンプの音”がする。音を派手にして誤魔化したサウンドではまったくなく、“正統派な音の良いアンプ”に仕上げられている。小細工が通用しない2chの音楽CDを聴くと、その実力の高さがよくわかる。このド直球な進化具合は、聴いていて小気味良いほどだ。

山内氏も「今年の2モデルは、かなり進化しているのですが、進化点が沢山ありすぎて、“低域が良くなった”とか、一言で説明するのが難しいです。全体的に、あらゆる面で進化しています。聴いていただくと、“良くなった”と言っていただく感想のポイントが、1人1人違うのです。これは、その方が注目していただいた点が、全て良くなっているためだと思います」と、完成度に自信を見せた。

文句なしに良いX2600Hと、コスパの良さが光るX1600H

HDMIまわりの「eARC」や「ALLM」など、AVアンプとしての最新機能をキチッと盛り込み、将来的な機能である「Dolby Atmos Height Virtualizer」への対応も予告するなど、10万円以下とは思えない機能面の充実がユーザーには嬉しい。Bluetooth送信機能など、ユニークな機能も予定するなど、使いこなし甲斐がありそうな2モデルだ。

そして何より、音質面でのクオリティが非常に高い。特に音の広がりや、胸に迫ってくるエネルギッシュな音の心地よさも手伝い、2chスピーカーでも、その高音質を実感しやすいのは高く評価できる。「予算とスペースが無いから、とりあえず2chスピーカーで」という人でも、買えば「テレビスピーカーと次元の違う音になった」という喜びにどっぷり浸かれるだろう。そういった意味でも“はじめてのAVアンプ”にピッタリな2機種だ。

上位機のX2600Hと、下位機のX1600Hを比べると、普通はどうしても「予算が許すなら上位機を買ったほうが良い」となるだろう。確かに、絶対的な音質ではX2600Hの方が上で、予算が許すならX2600Hがオススメだ。

しかし、だからといってX1600Hの音が悪いわけではまったくない。むしろ、X2600Hの約半額とは思えないほどX1600Hのクオリティは高く、このコストパフォーマンスの良さは驚異的と言っていい。「とにかく安く、それでいて音の良いAVアンプが欲しい」という人には、X1600Hは文句なしにオススメのアンプだ。

古めのAVアンプから買い替えを検討している人も、一度聴いてみて欲しい。「10万円以下で、こんなクオリティと機能になっているのか」と驚くはずだ。

X2600H

(協力:ディーアンドエムホールディングス/デノン)

山崎健太郎