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Premiere Pro、クイック書き出し対応。After Effectsは3Dでの編集高速化
2020年9月15日 22:00
アドビは、Creative Cloudのビデオ製品をアップデート。Premiere Proにクイック書き出し機能を追加(パブリックベータ版)したほか、シーン編集検出機能を本格実装。After Effectsでは、パブリックベータ版として、3Dエクスペリメンスを刷新。レイヤーとオブジェクトを3D空間上で直感的に編集できるようになるほか、3D空間の視点でカメラも設置できる。
Premiere Pro、編集画面から2,3クリックで書き出し可能に
Premiere Proには、パブリックベータ版として、ヘッダーバーに一般的に使用される書き出し設定にアクセスできる「クイック書き出し」アイコンを追加。クリックすると、ソース設定に一致するデフォルトのH.264出力か、H.264プリセットから選択して、すぐに書き出しを行なえる。
6月にパブリックベータ版として実装されていた「シーン編集検出」は、1つのファイルに結合済みの動画に対して、Adobe Senseiがシーンを検出して、クリップマーカーやファイルの分割ができる機能。
今回の本格実装に伴い、従来はクリップマーカーの設置かファイルの分割のどちらかを選択する必要があったが、同時に処理できるようにアップデート。処理したい項目にチェックを入れて分析すれば、同時に実行できる。さらに、サブクリップを作成する機能も追加され、実行すると検出したシーンごとの動画ファイルをMP4で保存する。
例えば、4つのシーンが使われた結合済みの動画に対して、サブクリップの作成をすべて実行すると、シーン別の4つのMP4が作成され、サブクリップフォルダに保存される。
Rec2100 HLG HDRに対応。シーケンス設定の項目に「作業カラースペース」を追加し、プルダウンで「Rec2100 HLG」を選択すると映像に適用できる。ウェーブフォームモニターも同様に「Rec2100 HLG」を選択して表示できる。
3Dギズモで直感的な操作できるようなったAfter Effects
After Effectsでは、3Dエクスペリメンスを刷新。従来もレイヤーやオブジェクトを擬似的な3D空間でみることができたが、今回は3Dトランスフォームギズモにより、3D空間に設置したレイヤーやオブジェクトを上下左右のさまざまな角度から見られるほか、X軸、Y軸、Z軸を起点にオブジェクトを回転させるなど、直感的かつ高速な編集作業ができるようになる。
「カーソルの周りを周回」「カーソルの下でパン」「カーソルに向かってドリィ」の3つの項目が追加され、それらを使ってコンポジションの中身を立体的に確認できる。また、3D空間上に複数のカメラを設置可能で、素早い視点の切り替えや、設置したカメラの目標点を起点に周回などの視点の操作もできる。
処理の高速化や機能のパフォーマンス向上も
ビデオ製品に対し、機能や表示の高速化などの強化も実施。AuditionとPremiere Proでは、VST3とVST2プラグインのエフェクトスキャンを高速化したことで、サードパーティ製のオーディオプラグインを使用した場合での起動時間を短縮。エフェクトスキャンはmacOSでは最大15倍速、Windowsでは最大10倍速になるとする。
Premiere ProのProResマルチカメラ編集のパフォーマンスも向上し、最大2倍の数のストリームをサポート。広く使われているフォーマットでの編集ワークフローがさらに高速化するという。
Affter EffectsではチャンネルエフェクトがGPUアクセラレーションに対応し、最大/最小、チャンネルシフト、チャンネル設定、チャンネルコンバイナーなどが最大1.65倍高速化。マルチパートやマルチチャンネルファイルのOpenEXRのプレビューは最大3倍高速化している。