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Benchmark、“真のリファレンス”USB DAC「DAC3」と“究極性能”プリ「LA4」

DAC3 HGC

エミライは、米Benchmark Media Systemsの新製品として、「真のリファレンス性能をもたらす」というUSB DAC「DAC3」と、「究極の性能を達成した」というプリアンプ「LA4」、リモコンの3製品を10月9日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は「DAC3B」が225,000円前後、「LP4」が331,000円前後、「Benchmark Remote Control」が15,000円前後。

なお、「DAC3B」にはバリエーションモデルとして、ハイブリッド・ゲイン・コントロール機能と、HPA2ヘッドフォンアンプを追加した「DAC3 HGC」というモデルも、店頭予想価格293,000円前後で用意する。いずれもカラーはシルバーとブラックをラインナップ。

USB DAC「DAC3」

ウルトラ・ハイパフォーマンスUSB DAC「DAC3」

DAC3 HGC

2chのDACで、DACチップにESSの「ES9028PRO」を搭載。このチップは8ch出力を持つ32bitのDACだが、4chをアナログドメインで和算し、各出力チャンネルをそれぞれ形成。8ch出力を余すところなく活用している。

これにより、ES9028PROの2ch分出力を左右の出力チャンネルに割り当てる設計のDACと比べて、さらに6dB分のSN比を向上。全高調波歪率も改善している。DAC出力の個々の変換チャンネルの非線形歪は、4つの和算されたチャンネル間で平均化され、音楽信号と相関関係のない非線形歪は6dB減衰。「優れた音楽的ディテールと正確なステレオイメージングを実現する」という。

DACの二次、三次高調波歪のほとんどを独立して除去するという、2つの歪補正システムを搭載。極めてクリーンなアナログ出力ステージにより、これらのシステムをDAC3でフルに活用している。

DAC2シリーズで使用する「UltraLock2」システムを改良した「UltraLock3」を搭載。改良により、わずか6ミリ秒で正確な位相精度でロック(UltraLock2は400ミリ秒)。「事実上完璧なジッター減衰を提供する」としている。

DSP処理は32bit、DSPヘッドルームは3dB、サンプルレートは211kHzで、ジッターに起因する歪みやノイズは音楽のレベルより少なくとも140dB低く、聴覚の閾値を大きく下回っている。

DAC3のすべてのデジタル処理は、0dBFSを超えて+3.5dBFSまでの信号を処理可能。DAC3のハイ・ヘッドルームDSPは、「特に高い音圧レベルが収録されているデジタル音源を適切に再生する上で、画期的な改善をもたらす」としている。

USB DACとして、USB Audio 2.0、DSD、USB Audio 1.1に対応。周波数に俊敏で、コンピュータやメディア再生ソフトウェアのサンプルレートの変更にも追従。すべてのモードにおいて、USB通信はアシンクロナスで行なう。オーディオデータの転送を制御するため、低ジッターのマスタークロックも搭載。PCは、非同期的にオーディオデータをDAC3のバッファに転送する。バッファの内容は非同期的にD/A変換サブシステムに転送。この2回目の非同期転送により、USBサブシステムと変換サブシステムの間でデータが転送される際に蓄積されるジッターの痕跡がなくなる。ジッターに起因する歪は、測定限界(-150dBFS以上)に達している。

なお、DAC3の電源をOFFにしても、USBサブシステムはアクティブを維持。これにより、PCの再生操作の中断を防ぎ、コンバーターの電源を入れるたびにコンピュータを再設定する必要がないという。

PCMは192kHzまで対応。DSDは2.8MHzまでのネイティブ再生が可能。

パワーアンプやスピーカーを直接駆動できるように設計されており、XLR出力に調整可能なローインピーダンスのパッシブ・アッテネーターを搭載、パワーアンプ(またはパワードモニター)とのインターフェースを最適化できる。

このBenchmark独自の機能により、DACとパワーアンプ間のゲイン・ステージングを最適化。「適切なゲイン・ステージングは高品位のオーディオ再生システムにとって非常に重要なテーマの一つ」だという。

HGCモデルには、独自のハイブリッド・ゲイン・コントロールシステムを搭載。DAC3は、アクティブ・アナログ・ゲインコントロール、パッシブ・ローインピーダンス・アッテネーター、32bitデジタル・ゲインコントロール、サーボ駆動のボリュームコントロールを組み合わせてボリューム調整をしている。

すべての入力はロータリー・ボリューム・コントロールによって制御。このボリュームコントロールは、リモコンからも操作できる。

独自のパッシブ出力アッテネーターは、DAC3のダイナミックレンジを低下させることなく、歪みのないゲイン・リダクションを実現。DAC3とパワーアンプ間のゲイン・ステージングを最適化する。

この最適化は、「再生システム全体のダイナミックレンジを最大化するために絶対に必要不可欠」としており、「過去のBenchmarkのDAC製品の市場での成功の多くは、パッシブ出力アッテネーターの優位性によるもの。プリアンプとパワーアンプのマッチングが不適切な場合、システムノイズによって音楽の細部が不明瞭になってしまうことがある」という。

DAC3 HGCの背面

HGCモデルには、25Wの大電流出力と、0.11Ωの超低出力インピーダンスを実現したHPA2 ヘッドフォンアンプも搭載。「HPA2は、究極のリファレンスヘッドフォンパワーアンプ」としており、DAC3の定格性能をフルに引き出せるという。さらに、ユニティ・ゲインにも対応し、ホームシアターシステムとの連携も可能。

2番目の同軸入力は、デジタル出力として再構成可能で、出力モードにすると、選択されたデジタル入力(USBを含む)を、同軸出力にパススルーする「デジタル・パススルー」機能を持つ。このパススルーは「ビット・トランスペアレント」で、DSD(DoP 1.1)にも対応。ドルビーデジタルとDTSフォーマットもサラウンドプロセッサーに通すことができる。

SN比(A-Weighted,0dBFS=+24 dBu)は128dB、全高調波歪+ノイズ(1kHz at 0dBFS)は、-113dBFS/113dB/0.00022%。デジタル入力はUSB×1、光×1、同軸×2。出力は、XLRアナログバランス×1、アンバランスのRCAは、HGCモデルが2系統、Bモデルが1系統搭載。HGCモデルのヘッドフォン出力は2系統備える。

外形寸法は、Bモデルが249×220×44.5mm(幅×奥行き×高さ)、HGCが249×237×44.5mm(同)。重量は約1.36kg。

DAC3Bの背面

次世代プリアンプ「LA4」

プリアンプ「LA4」

「究極の性能を達成した真の次世代プリアンプ」とされており、最高級のゴールドコンタクトリレーを採用。ゲインコントロールは0.5dB刻みで256ステップと細かい。リレーのクローズは「シルクのように滑らかな音量変化を実現するため」とし、極めて正確なタイミングで行なわれ、「類を見ないレベル精度とパフォーマンスを提供している」という。

さらに、0.5dB単位で音量調節が可能な、左チャンネル用と右チャンネル用の2つの独立した256ステップのアッテネーターを搭載。これを実現するため、LA4には高精度のメタルフィルム抵抗により構成された合計40個の精密リレーを搭載した。

100%アナログ回路・アナログコンポーネントで構成されたアナログアンプで、外部DACまたは外部アナログソースと接続することを前提に設計。「プロフェッショナル用途でもHi-Fi用途でも、あらゆるパワーアンプの真価を最大限発揮させるように設計されている」とのこと。SN比137dB、歪率0.00006%の超低ノイズ・超低歪回路を実現した。

どんなボリューム設定でも、LP4のリレー制御のゲインステージは、上流側のアナログソースを下流側のパワーアンプに合わせるため、最適化されたアッテネーター機能を提供。ゲインステージを環境にあわせて最適化することで、最適なシステム全体での高いSN環境を実現できる。

例えば、高出力のプロ向けバランス入出力と、低入力のコンシューマー向けHi-Fiバランス入出力を相互マッチングさせることも可能。高出力のDACとと低入力のパワーアンプをマッチングさせるといったこともできるという。

帯域幅は0.01Hzから500kHz以上と広帯域。「波形は正確に再現され、スペクトル全体が正確なタイミングでで伝送されることを保証している」とのこと。「音楽的な倍音を実物に近い精度で再現し、楽器の音の個性をそのままに表現することを可能にした」とする。

ボリューム・コントロール・ノブには、ヘビーユースにも耐えられる高品質な光学式エンコーダを採用、0.5dB/ステップの分解能を維持したまま256段階の音量ステップを簡単に移動できる。

2系統のバランス入力と、2系統のアンバランス入力を搭載。バランス出力は1系統、バランス・モノサム出力を1系統、アンバランス出力は1系統搭載。

同じくBenchmark製ステレオパワーアンプ「AHB2」を「完璧に補完する製品」と位置づけており、超低ノイズ設計のAHB2のSN比を超えるプリアンプとして、LA4はAHB2の性能をフルに引き出せる。一方で、「他社製プリアンプではAHB2の低ノイズ性能に劣ることがあり、この場合システムノイズ性能が制限されてしまうことになる」とのこと。

2つの双方向12Vトリガーポートを使用し、LA4を外部DACやパワーアンプとリンクさせることも可能。トリガー信号は、オーディオシステム全体のパワーアップとパワーダウンのシーケンスを制御する。

外形寸法は脚部を含め、22×21.2×9.86cm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約3.63kg。消費電力は最大17W。

BENCHMARK REMOTE CONTROL

BENCHMARK REMOTE CONTROL

BENCHMARK REMOTE CONTROLは、アルミダイキャスト製のリモコン。DAC3の全ファミリーと互換性があるほか、HPA4とLA4にも対応。快適性、使いやすさ、耐久性を重視して設計されている。

リモコンには-20dBの「DIM」ボタンを搭載。ほとんどのBenchmark製品で、出力音量を20dB下げられる。これにより、ボリュームコントロールの設定を変更することなく、通常のリスニングレベルとバックグラウンドレベルの切り替えが可能。「コマーシャル中に音量を下げることができるので、HDTVユーザーにも最適」という。

リモコンの「ON」と「OFF」のボタンで、ユニバーサルリモコンのプログラミングが簡単に行なえ、専用の入力セレクトボタンで、入力ソースに直接アクセスする事もできる。