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車の中で「アレクサ、今日の天気は?」 Amazon「Echo Auto」でできること
2020年9月30日 14:13
Amazonは、30日から出荷する車載用新デバイス「Amazon Echo Auto」の説明会をオンラインで開催。「アレクサ、曲をかけて」などと話しかけた際に、騒音の多い車内でユーザーの声を認識する工夫や、今後の機能強化などについて紹介した。既報の通り、価格は4,980円(税込)。
車内で使用できるEchoシリーズのデバイス。ユーザーが持っているスマートフォンとEcho Autoがワイヤレスで連携。スマホを介して、Echo Autoがインターネットにアクセスする。これにより「アレクサ」と呼びかけて、運転中のユーザーをサポートする様々な機能が利用できる。
シガーソケット、もしくはUSBポートから給電。3.5mmのオーディオ出力と、Bluetooth送信機能を備えており、いずれかでカーオーディオと接続。車載スピーカーから音を出す。車内固定用に、エアベントマウント(送風口用アタッチメント)も同梱する。
外形寸法は47×85×13.28mm(縦×横×厚さ)と横長かつ薄型で、重量は45g。Android 6.0以上、またはiOS 12以上のスマートフォンと連携できる。ただし、一部で非対応のスマートフォンや車載オーディオもあるとのこと。
米国では2018年から、招待制にて販売を開始。今年1月のCESで、米国以外への展開も発表されており、日本市場にも投入されるカタチとなる。
室内で使うEchoシリーズと同様、「アレクサ」と話しかける事で様々な機能が利用できるが、車内には走行時の騒音や、カーオーディオの音、エアコンの音など、様々な騒音が存在する。その中でも、ユーザーの呼びかけを聞き取るために、8つのマイクアレーを搭載する。さらに、「継続的に(Echo Autoが)トレーニングする事で、性能が改善していく」(アマゾンジャパン Alexaインターナショナルゼネラルマネージャー大木聡氏)という。
利用シーンのイメージとして、2つの動画も公開。1つはビジネスシーンで、朝の通勤時に車に乗り込み「アレクサ おはよう」と話しかけると、「おはようございます、今日も頑張りましょう」とAlexaが応答。
天気予報やニュースを読み上げるだけでなく、今日のスケジュール確認や、「アレクサ 山口さんにかけて」と話しかけて、ハンズフリーでの通話ができるといったシーンを紹介。
もう1つの動画は休日の活用例。家族で出かける運転中に「アレクサ 山梨県の天気を教えて」、「山梨県のどの地域ですか?」、「富士吉田市」、「現在は概ね晴れで、気温は……」と応対。子供向け機能としては「アレクサ しりとりしよう」や、「アレクサ ピーボをひらいて」で、絵本の読み聞かせコンテンツを再生。家のリビングで消し忘れた照明を、アレクサに話しかけて遠隔でOFFにするといったシーンも含まれている。
大木氏は、Echo Autoについて、「現在は、これまでは室内で使用してきたAlexaを、車内で利用できるようにしたというフェーズ」と説明。その上で、「運転する人の多くが望まれるであろう機能については、これから追々、実装していく。カー用品店など、販売チャンネルの拡大も積極的に考えており、(販売店などから声がかかれば)喜んで対応させていただく」という。
一方で、現時点でも3,500以上のAlexaのスキルが利用できるが、「室内で利用しているものを、車内で利用することで新たな価値が生まれるのではないかという部分にも期待している」(大木氏)とした。
説明会では、モーター・ジャーナリストの竹岡圭氏が、自動車業界のトレンドを解説。車内で“できること”が増加する一方で、それを「どのように操作してもらうか」を、各車メーカーが考え、音声操作がトレンドになっている事や、ナビ機能などを車載せず、スマートフォンとの連携で実現する“ディスプレイオーディオ”が増えている事などを説明。
また、新型コロナウイルスの影響で、公共交通機関の利用を避ける人が増え、中古車の販売が好調に推移している事。テレワークの際に、家に“自分の部屋”が無い人が、車内を書斎代わりにするという新たなニーズも生まれているという。
このように、スマホやタブレット、パソコンを車内に持ち込むスタイルが増える中で、「どんな車でも、ほぼ最新の車と同じコネクティビティが可能になり、音声で様々な機能をコントロールでき、価格もリーズナブル」な点が、Echo Autoの特徴と解説。自身がEcho Autoを使った感想として、「Alexaと一緒にドライブしているような気分で使えた」と魅力を語った。