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BitTorrentで音楽の違法アップロード、福岡地裁が氏名・住所開示命じる判決

福岡地裁は9月25日、インターネットサービスプロバイダ「QTnet」に対し、ファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用してインターネット上に大量の音楽ファイルを継続して違法にアップロードしていたIPアドレスの利用者の氏名、住所等を、音源の権利を有するレコード会社に開示するように命じる判決を下した(10月13日判決確定)。

これは、日本レコード協会会員のレコード会社が、プロバイダ17社を対象に、権利を有する音源をファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用して許諾なくアップロード(公開)している者に対し、著作隣接権(送信可能化権)侵害に係る損害賠償請求等を行なうため、「プロバイダ責任制限法」第4条1項に基づき、45のIPアドレスを利用してインターネットへ接続していた者の氏名、住所および電子メールアドレスの開示を'19年9月~11月に求めていたもの。

36のIPアドレスについては、プロバイダから任意に発信者情報が開示されたが、QTnetが同社のサービスを利用するIPアドレスの発信者情報の開示に応じなかったため、'20年3月に福岡地方裁判所に発信者情報開示請求訴訟を提起していた。

日本レコード協会会員のレコード会社は、'19年9月~11月の発信者情報開示請求によってプロバイダから任意に開示された36のIPアドレスの発信者情報に基づき、代理人弁護士を通じて違法アップローダーとの間で「今後著作権侵害をしない旨の誓約」および「損害賠償金の支払い」に関する協議を随時進めており、14日までに30名のアップローダーと合意している。本訴訟により情報が開示された違法アップローダーに対しても、速やかに損害賠償請求等を行なう予定という。

「音楽配信市場の健全な発展とこのような著作権法違反行為の撲滅のため、今後もファイル共有ソフト等を利用した権利侵害行為への対応を積極的に進めてまいります」としている。