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音楽ファイル違法アップロード者の氏名・住所の開示命じる判決

日本レコード協会は16日、東京地裁がファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用してインターネット上に大量の音楽ファイルを継続して違法にアップロードしていたIPアドレスの利用者の氏名、住所等を、音源の権利を有する協会会員のレコード会社に開示するよう、KDDIに命じる判決を下したと明らかにした。

なお東京地裁は、東京ベイネットワークに対して8月10日、ソフトバンクに対して9月30日、ソニーネットワークコミュニケーションズに対して10月14日、また千葉地裁がジャパンアクセスに対して10月6日に同様の判決を下している。

同裁判は、日本レコード協会会員のレコード会社がプロバイダ16社を対象に、自らが権利を有する音源をファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用して許諾なくアップロード(公開)している者に対し、著作隣接権(送信可能化権)侵害に係る損害賠償請求等を行なうため、「プロバイダ責任制限法」第4条1項に基づき、ネット接続していた37のIPアドレスについて、各利用者の氏名、住所および電子メールアドレスの開示を2021年3月から9月に求めていたもの。

うち31のIPアドレスについてはプロバイダから任意に発信者情報が開示されたが、上述のプロバイダ5社がIPアドレスの発信者情報開示に応じなかったため、'21年6月から7月にかけ、レコード会社らが東京地裁および千葉地裁に発信者情報開示請求訴訟を提起していた。

今回の5つの判決により発信者情報の開示を求めていた37のIPアドレスのうち、ログの保存がなかった1つのIPアドレスを除き、全てのIPアドレスについて発信者情報が開示されたという。

レコード会社はプロバイダから任意に開示された29のIPアドレスの発信者情報に基づき、代理人弁護士を通じて違法アップローダーとの間で「今後著作権侵害をしない旨の誓約」および「損害賠償金の支払い」に関する協議を随時進めており、本日までに18名のアップローダーと合意(損害賠償金の平均金額は約40万円)済み。本件訴訟により情報が開示された違法アップローダーに対しても、速やかに損害賠償請求等を行なう予定としている。