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ソニー、今期の純利益を8,000億円に上方修正。ゲーム分野好調

ソニーは28日、2020年度第2四半期の連結業績を発表した。売上高は、前年同期比88億円マイナスの2兆1,135億円。営業利益は同14%増の3,178億円。税引前利益は同14%増の2,996億円。純利益は同145%増の4,596億円。新型コロナウイルスの影響もあり、映画分野が大幅減収となったが、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野、音楽分野などが大幅増となった。

これを踏まえ、2020年度通期の見通しを8月時点のものから上方修正。売上高は8兆3,000億円から8兆5,000億円と2,000億円増。営業利益も6,200億円から7,000億円、純利益も5,100億円から8,000億円と上方修正した。

G&NS分野では、ゲームソフトやPlayStation Plusが増収に寄与し、売上高が前年同期比11%増の522億円。営業利益も399億円と、大幅な増益となった。

2020年度通期の見通しについては、売上高は、主にアドオンコンテンツを中心としたゲームソフトウェア販売見込みの上方修正の影響で、8月時点の見通しを上回る見込み。営業利益は、ソフトウェアの増収やPS Plusの増収などにより、こちらも8月時点の見通しを大幅に上回る見込みだという。

新型コロナウイルスの影響については、在宅勤務などの制約により、一部の他社製ソフトウェアで開発の遅れが発生しているというが、「必要な対応策を講じており、プレイステーション 5の発売に向け、自社スタジオ及びパートナー各社より多くの有力タイトルの発売を行なうべく、準備を進めていく」としている。

音楽分野の売上高は、音楽制作の増収、ストリーミング配信売上の増加、リリース作品のパッケージメディア販売の好調などにより、116億円増収。営業利益も154億円の大幅増益で、これには増収の影響や海外での事業譲渡にともなう利益計上なども含まれている。

通期の見通しとしては、映像メディア・プラットフォームにおけるモバイル機器向けゲームアプリの好調や、アニメ事業売上の増加も見込んでいることから、8月時点の見通しを上回る見込み。

新型コロナウイルスの影響については、世界各国において、レコーディングが徐々に再開されているものの、一部のアーティストの楽曲のレコーディングや音楽ビデオの制作及びプロモーション活動に影響が出ており、新曲のリリースに遅れが発生。コンサートその他のイベントの開催に制約が出ている日本などで、ライブ興行や物販の制作・販売などが減少。世界的な広告活動の縮小により、テレビCMなどからの楽曲使用料も減少。広告型ストリーミングサービスもその影響を受けているが、広告市場が回復基調にあることから収入は回復基調にあるとのこと。

映画分野は、売上高は683億円と大幅減収。コロナの影響による映画館の閉鎖にともなう興行収入の大幅減少、メディアネットワークにおける広告収入の減少、制作スタジオ閉鎖にともなうテレビ番組納入数の減少などが売上高に響いた。

一方で、映画製作におけるホームエンタテインメントやテレビ向けライセンスの増収や、メディアネットワークにおける広告収入は想定以上に回復。これを踏まえ、通期の予想は8月時点の見通しから変更は無いとする。

新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「全世界の映画館において、徐々に閉鎖解除の動きは出ているものの、未だその多くが閉鎖又は閉鎖解除後も観客動員に制限を受けている状況にある」という。

エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野(EP&S分野)は、テレビの販売台数の増加し、売上高が112億円の増収。営業利益もオペレーションコストの削減、テレビの製品ミックスの改善や販売台数の増加により、126億円の大幅増益となった。

イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野は、デジタルカメラ向けイメージセンサーの減収が響き、売上高は36億円の減収。モバイル機器向けの一部のイメージセンサーの在庫評価減や、研究開発費及び減価償却費の増加などにより、営業利益は265億円の大幅減益となった。

通期も、売上高はデジタルカメラ向けイメージセンサーの増収やアナログLSIなどのイメージセンサー以外のビジネスの増収があるものの、モバイル機器向けイメージセンサーの減収により、8月時点の見通しを下回る見込み。

営業利益は、前述の減収の影響や、当四半期にモバイル機器向けの一部のイメージセンサーの在庫に関する評価減175億円を計上したことや、為替の悪影響などにより、8月時点の見通しを大幅に下回る見込み。