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シャープ、堺ディスプレイプロダクトの全株式売却。パネル供給は継続
2021年3月1日 18:15
シャープは2月25日、取締役会において保有する「堺ディスプレイプロダクト」(SDP)の全株式売却を決定し、3月15日(予定)に実施すると発表した。株式の譲受先と売却価額は非開示。資本提携解消後も、シャープは引き続き液晶パネルの供給を受けるという。
シャープによると「譲受人より、当社保有のSDP株式を購入したい旨の申し出があり、当社にて検討を進めてまいりました」とのこと。
株式売却の判断として、「当社は『強いブランド企業』の実現を目指す一方で、デバイス事業については、技術の確保や安定した調達を維持しつつ、積極的に外部と連携する方針にて事業構造改革を進めていること。また、ディスプレイ事業については、当社内部に世界有数の技術やノウハウの蓄積があるため、今後の事業展開においてSDPとの知的財産権分野での連携・協力関係は維持しつつも、資本関係は必須でない」と説明。
また「資本関係解消後も、引き続き安定的に高品質な液晶パネルの供給を受けることについて合意していること」、併せて「資本関係の解消により、今後も競争力の維持に多額の継続的投資が必要となるボラティリティの高い大型液晶ディスプレイ事業が切り離され、当社の連結業績の安定化に寄与すると考えられること」が株式売却の目的という。
シャープは、所有する103万800株(議決権所有割合:24.55%)の全てを売却。売買契約締結は2月25日で、実施予定日(効力発生日)は3月15日。
守秘義務契約を理由に、譲受人と売却価額については非開示。譲受人はシャープの関連当事者には該当しないとのこと。株式売却に伴うシャープの2021年3月期連結業績への影響等については軽微と見込んでいる。
堺ディスプレイプロダクト(旧シャープディスプレイプロダクト)は、液晶パネル・モジュールの生産や販売を行なうシャープの子会社として2009年に設立。当時としては世界最大とされたマザーガラスから超大型液晶パネルを作り出せる世界唯一のG10工場として稼働開始。2012年に、シャープと台湾鴻海精密工業(ホンハイ)が事業を共同運営することになり現社名へ変更。シャープは2016年にも保有する一部株式を鴻海に売却していた。