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堺パネル工場がシャープに復帰。大型・高品位パネル安定確保

堺ディスプレイプロダクト

シャープは4日、テレビ向け液晶パネルを生産する「堺ディスプレイプロダクト(SDP)」の完全子会社化(復帰)を目指し、株式交換により、World Praise Limitedから株式を取得する契約を締結したと発表した。株式交換の日程は、確定次第案内するという。

SDP完全子会社の目的について、シャープは「テレビ事業及び業務用ディスプレイ事業において、当社がグローバルレベルの事業拡大に取り組む上で、コスト構造上大きな割合を占める高品位パネルの安定的且つ優位性のある調達が極めて重要である」と説明。

さらに「足元のニューノーマルやデジタルトランスフォーメーション、さらには自動車やメタバース等、今後、ディスプレイの需要は益々高まることが期待される中、当社ディスプレイデバイス事業のアプリケーションの拡大や生産能力の向上、さらには将来の競争力強化に繋がる」ことや、「現在、大型液晶パネル市場において高いシェアを占める中国が米中貿易摩擦の最中にあることから、中国以外にある唯一の第10世代(マザーガラス2,880mm×3,130mm)以上の大型液晶パネル工場であるSDPは、米州市場向けのパネル供給において優位性が期待できる」ことを挙げている。

株式交換に係わる割当比率は、SDP1株に対して、シャープが11.45株。交換に必要となる38,453,680株(予定)は、新株式の発行等で対応する。

堺ディスプレイプロダクト(旧シャープディスプレイプロダクト)は、液晶パネル・モジュールの生産や販売を行なうシャープの子会社として2009年に設立。当時としては世界最大とされたマザーガラスから超大型液晶パネルを作り出せる世界唯一のG10工場として稼働開始。2012年に、シャープと台湾鴻海精密工業(ホンハイ)が事業を共同運営することになり現社名へ変更。シャープは2016年にも保有する一部株式を鴻海に売却していた。