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PS Audio、ドライブメカを一新したSACDトランスポート

PerfectWave SACD

完実電気は、PS Audioブランドのトランスポート「PerfectWave SACD」を26日に発売した。価格は90万円(税抜)。色はシルバーとブラックを用意する。

ディスクドライブ用メカの供給問題により、生産完了となったトランスポート「DirectStream Memory Player」(2017年発売)に替わる新モデル。SACDや音楽CD、CD-R/RWのほか、DVD±R/RWのオーディオデータファイルも再生できる。DVDオーディオは対応しない。

DACは搭載しておらず、デジタル出力はI2S(HDMI)×1、同軸×1、BNC×2、XLR×2を用意。I2Sでは、PS Audio DSDAC、DSDAC Jrと接続した場合に限り、SACDからDSD信号をストリーム出力できる。

背面

フロントパネルにUSB端子を備え、USBメモリなどに保存した音楽ファイルの再生も可能。対応フォーマットはMP3、WMA、AAC、WAV、FLAC、AIFF(~192/24)、ALAC(~96/24)、DSD(5.6MHz)に対応する。

新モデルでは、ドライブメカを一新。SACDに収録された音楽データを確実に読み取るディスクトレイにはアルミダイキャスト、メカニズムブラケットには2mm厚のスチールを採用。剛性に優れるだけでなく、異種素材の組み合わせによる共振点の分散化を実現した。「SACDに収録された音楽データを余すところなく読み取り、デジタル信号としてデジタル回路へ送りこむ」としている。

入力されたデジタル信号をメモリーに一度読み込み、時間軸上に再構成するDigital Lens機能もアップデート。大容量のFPGAとメモリー機能を担うRAM、さらにセミコンダクターと微小なデーターマークを呼び出すことができる独自のアルゴリズムを組み合わせることで、DSDをはじめとする大容量音楽データの高速度処理を実現。ほぼリアルタイムで、ディスクに記録されているデジタル信号を読み込み、時間軸上に再構成。ジッターやノイズ、時間軸上のゆらぎ、ディスクドライブから派生するエラーから解放したとする。また、Digital Lensの動作は、DSDACにも採用されている固定式Ultra Low Jitter Clockにより、コントロールされているとのこと。

PowerPlantを開発したノウハウを投入し、電源回路にさらなる改良を加えている。音質重視を第一に、アナログ電源を採用し、リニアパワーサプライによる高音質化を実現。これにより、安定した電源供給だけでなく、電源部からの干渉を最小限に抑えた電源供給を実現しているという。

トランスには、新規でカスタム製トロイダルトランスを搭載。音質に加え、漏洩磁束を最小限に抑える設計とした。またPowerPlant同様、ディスクドライブメカ専用回路基板、デジタルオーディオ回路基板、それぞれに巻き線を分けることにより、ノイズの回り込みや干渉を抑えているほか、全てのレギュレーターがディスクリート構成となっており、それぞれの回路専用に配置され、安定した電源供給を実現した。

ディスクドライブメカ専用回路上にあるUltra Low Jitter Clockとデジタルオーディオ回路上の出力ドライバーには、専用のレギュレーターを追加で設置。

また、コントロール用CPU、FPGAとDigital Lens、デジタル・オーディオ回路、ディスクドライブメカ専用基板上のドライバーコントロールユニット、モーター、USB出力回路など、それぞれの回路内の電圧の安定化とレギュレーターによる電流供給の安定化を同時に図っているという。

SACDを素早く読み込むための専用モードも搭載。膨大なデータ量のSACDから、優先して読み出したい音楽信号を事前に設定することで、読み込み時間の短縮を図る。

I2S接続用に、オーディオ再生に特化したHDMIケーブルを同梱する。外形寸法は430×360×100mm(幅×奥行き×高さ)、重量は9.97kg。