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オンキヨー、ホームAV事業譲渡へ。シャープらと協議

オンキヨーホームエンターテイメントは30日、同社のホームAV事業の譲渡に向けて、シャープや、米国でオーディオ機器や&自動車関連機器を手掛けるVOXX Internationalとの間で、本格的な協議を行なうと発表した。各社との間で協議の基本合意書を締結する事を、29日に開催した社取締役会で決議した。

オンキヨーは2019年5月に、デノンやマランツなどのオーディオブランドを持つSound Unitedのグループと、オンキヨーのホームAV事業の譲渡契約を締結し、譲渡対価で得た資金によって支払遅延の解消及や既存借入金の返済を進める予定だったが、交渉が難航し、譲渡を中止。

その後、新株式発行などで資本の増強を図り、2020年7月には、米国における販売代理店をVOXX Internationalの子会社である11 Trading Companyへ変更し、米国市場での販売を強化。2020年10月にはグループ再編を行ない、主力のホームAV事業に再注力して経営を立て直す体制を整えていた。

しかし、株価に連動したSTEP(包括的株式発行プログラム)による新株発行の調達金額が予想を大きく下回った事などが影響し、当期純損失は59億8,000万円、債務超過解消のための不足額が23億1,900万円残り、東京証券取引所ジャスダック市場の上場廃止基準に抵触する見込みとなり、7月末頃に上場廃止となる予定。

これを受けてオンキヨーでは、「事業継続のためにあらゆる選択肢の検討を開始。その中で、昨年より当社米国販売代理店となった11 Trading Companyの親会社であるVOXX International Corporation及び当社との合弁工場であるS&O Electronics (Malaysia) Sdn. Bhd.を通じて以前より取引のあったシャープ株式会社と本譲渡に関する協議を行なった」という。2社は、ホームAV事業において、オンキヨーと既に協力関係にあることから、「事業譲渡のパートナーとして、適任であると判断し、本譲渡の正式契約締結に向けた基本合意書締結を決議した」という。