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オンキヨーのホームAV事業譲渡中止。デノン・マランツ擁するSound Unitedとの条件達成難航

オンキヨーは4日、デノンやマランツを傘下に持つ米Sound Unitedの持株会社であるViper Holdingsに、ホームAV事業を譲渡する契約を終了し、事業譲渡を中止すると発表した。4日付の取締役会で、相手方との合意に基づき譲渡契約を終了したという。

既報の通りオンキヨーは、Sound Unitedの持ち株会社であるViper Holdingsに、子会社であるオンキヨー&パイオニア、ONKYO ASIA ELECTRONICS SDN.BHD、オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンの保有全株式の譲渡と、子会社であるPioneer & Onkyo Marketing Asia、安橋(上海)商貿有限公司の事業の一部を譲渡する契約を、2019年5月21日付で締結。6月26日の第9回定時株主総会において、譲渡にかかる議案も承認可決されている。

譲渡中止の理由についてオンキヨーは、「本事業譲渡の実行には、関連する全ての契約の締結、資金調達の確保、その他の必要な承認など様々な条件を満たすことが必要とされていたが、その条件達成が互いに難航し、Viper Holdingsと協議を重ねながら、実行に向けた努力を続けてきたが、このたび、譲渡契約の有効期限である11月30日までに譲渡が完了する目途が立たないこと、また、そのような状況の中、譲渡契約に今後も互いに拘束されるのは得策ではないと判断したことから、譲渡契約を終了し本事業譲渡を中止することについて、両社間で合意にいたった」と説明。

中止後の見通しとして、譲渡予定であった連結子会社の株式及び事業は引き続きオンキヨーまたは、その連結子会社が有することになり、中止に伴うオンキヨーの2020年3月期の連結業績への影響は、「現在精査中であり、判明次第速やかに開示する」としている。

また、6月14日付で公表した「ホームAV事業の譲渡と今後の戦略について」の見直しに着手。「ホームAV事業を含む当社グループの事業再建、新たな資金調達によるオンキヨーグループの財務体質の健全化、各事業の発展のために必要な提携・協業について具体的な検討を進めるとともに、大規模な合理化策の策定に向けた準備も始めており、決定次第速やかに開示する」という。