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オンキヨーホームエンターテイメント、自己破産申請。負債31億円

オンキヨーホームエンターテイメントは13日、大阪地方裁判所に対し破産手続開始の申立てを行なった。負債総額は約31億円。今後は、裁判所及び破産管財人により破産手続が行なわれていく。

同社は2021年3月期に二期連続の債務超過となり、上場廃止となることが決定。その後も、会社継続のために、ホームAV事業の譲渡など主要な事業や資産の譲渡による生き残りを図ったが、「厳しい資金繰りの中、債務を完済することができなかった」という。

業譲渡等の後に残った国内販売事業やOEM事業についても、子会社2社のオンキヨーマーケティングとオンキヨーサウンドが資金難から事業継続することができず、2022年2月に事業を停止、3月に破産申立てに至った。

子会社の破産後も、ホームAV事業譲渡に伴う手数料収入を得ながら小規模にビジネスを続けようとしていたが、「資金繰りの悪化を止められず、このたび、破産手続開始の申立てを行なう決断をした」(オンキヨーホームエンターテイメント 林亨社長)とのこと。

新型コロナウィルスや半導体供給問題も響く

林亨社長は、上場廃止決定後、債務超過の解消、遅延債務の完済を目指し、「新たにVoxx社とホームAV事業の売却協議に入り、2021年5月に合意に至りました。株主の皆様には2021年6月25日開催の定時株主総会にて、ホームAV事業の売却にご賛成をいただき、予定通り6月末で売却が完了すれば債務超過を解消できる予定でしたが、新型コロナウィルスによる影響や、各国での独禁法のファイリング等の手続きに時間を要し、クロージング(売却完了)は9月8日までかかってしまいました」。

「既に売却を発表していたこともあり、ホームAV事業の売上が制限される状況下で、売却完了が3カ月延びたために、その期間の固定費のコストが吸収できず、結果的に約20億円を超える債務が事業譲渡代金で完済できない事態となりました」と説明。

そこで、事業譲渡先からの手数料収入、国内販売、OEM事業、マレーシアの製造子会社を残し、その他の事業は売却。しかし、「かねてから続く半導体の供給問題が一向に改善されず、国内向けホームAV製品も入荷できず、OEM事業の顧客においても同様の問題の影響があり、残念ながら需要が戻りませんでした」という。

そのため、子会社2社の事業継続が困難となり、破産手続を開始。オンキヨーホームエンターテイメント自体は、「コストを最小化し、事業譲渡先からの手数料収入でのバランスをとり、会社継続、遅延債務の支払いに充当すべく進めておりましたが、半導体供給問題解消の見込みが立たず、手数料収入も当初の予定を大きく下回り、一方で、費用の削減にも限界があり資金繰りが困窮したことから、これ以上の事業継続は困難と判断し、今般、破産手続開始の申立てをすることといたしました」と説明している。