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Bang & Olufsen初のANC完全ワイヤレス「Beoplay EQ」
2021年7月29日 07:30
Bang & Olufsenは7月29日、ブランド初のアダプティブ・アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能搭載完全ワイヤレスイヤフォン「Beoplay EQ」を発表した。価格は39,900円。Black AnthraciteとSand Gold Toneの2色が用意され、Black Anthraciteは7月29日、Sand Gold Toneは8月下旬に発売する。
フィードバックとフィードフォワードを組み合わせたANCに加え、遮音性を高めるパッシブシーリングによるノイズ低減も活用した、完全ワイヤレスイヤフォン。外部のノイズを効果的に遮断しながら、「高音まで綺麗に聴こえるクリアな音を活かしたリスニング体験を提供」する。
同社のMichael Jon Hardman氏によれば、ブランドとして音質を重視した製品づくりをしており、従来のANCは音に干渉してしまうほか、筐体も大型化せざるを得ないなど、デザイン面にも影響が出てしまうことから、これまではパッシブノイズキャンセリングを重視した製品を展開してきたという。しかし、これらの問題を解決できたため、Beoplay EQが誕生したとのこと。
新開発の6.8mm口径ドライバーを採用し、再生周波数帯域は20Hz~22kHz。Bluetooth 5.2準拠でコーデックはSBC、AAC、aptX Adaptiveをサポートする。高性能のビームフォーミング技術により、通話品質も大幅に向上した。イヤフォンには近接センサーを備える。
iOS/Android向けアプリ「Bang & Olfsen」に対応しており、イコライザー機能を利用できるほか、8月中旬頃にはANCレベルを11段階で調整することも可能になる。
デザインはアップルでインダストリアル・デザイナーを務めていたMiklu Silvanto氏が担当し、イヤフォンは耳にフィットする形状と美しさにこだわってデザインされた。イヤーピースは長さや深さ、装着時の位置と角度を何度もテストしながら設計され、装着感がさらに向上。面取りを施すなど装着時の見た目にもこだわった。
充電ケースは航空機グレードのアルミニウムにアルマイト加工を施したもので、頑丈かつ上品なカラーに仕上げられた。ケースの外形寸法は77×40×26mm(幅×奥行き×高さ)で、従来のBeoplay E8(3rd Gen)よりも幅と高さを抑えて小型化。「ポケットに入れて持ち歩ける」サイズになっている。
バッテリー容量はイヤフォンが85mAh、ケースが340mAh。再生時間はAAC接続/ANCオン時で最大6時間、ANCオフ時で最大7.5時間。aptX Adaptive接続/ANCオン時は最大5.5時間となっている。ケースはイヤフォンを2回充電でき、最大20時間使用可能(AAC接続時)。
ケースはUSB Type-Cによる充電、もしくはQi規格のワイヤレス充電に対応。発売中の「Beoplay Charging pad」も利用できる。充電時間はUSB Type-C接続時で1時間40分、ワイヤレス充電時で1時間50分。
イヤフォンの外形寸法は24×27×22(幅×奥行き×高さ)、重さはイヤフォン片側8g、チャージングケースが50g。0.5mの充電用USB Type-A to Type-Cケーブルや、4サイズのシリコンイヤーチップなどが付属する。
Bang & Olufsenでは、7月30日、31日、8月1日の3日間に渡って、このBeoplay EQを体験できるイベントも開催。「デンマーク本社のラボラトリーで実際に使われた生活音源を再生し、バング&オルフセンのサウンドとともに、ANCの効果をいち早く体験」できる。セッションは各15分だが、事前の予約が必要。詳しくはイベントページまで。
そのほか、EQシリーズのアンバサダーとして男性アイドルグループ「EXO」のメンバーでラッパーや歌手、プロデューサー、ダンサーとして活躍するレイ(Lay Zhang)を起用したことも明かされた。
Bang & Olufsenらしい仕上げとサウンド。操作はひとクセあり?
実機で、まず目を惹かれるのがアルミニウム製ケースの質感の高さ。アルマイト加工された表面は手触りがよく、見た目からも所有欲を満たしてくれる。ケース自体はしっとりと肌に吸い付くような感触なので滑りやすい印象はなかった。ただケースは高さは抑えられているものの、横長のデザインなので、片手で開閉するのは難しかった。
イヤフォン本体は少し大柄な印象で、最初は少し装着に苦労したが、自分にあったイヤーピースに付け替えることで安定。またユーザーガイドには耳に装着後、少し回転させることで安定すると書かれており、これを試すことでよりしっかりとした装着感が得られた。
肝心のANC性能については、Bang & Olufsenの5.0chスピーカーを使って、ANCテストの際に使用したというサウンドソース(カフェや駅の音など)を聴きながら試すことができた。カフェの騒音では周囲の話し声などをカットしつつ、音楽に集中でき、駅の音では電車の走行音などは抑えつつ、アナウンスなどは聴き取れた。
サウンドについては音質にこだわるBang & Olufsenらしい仕上がりで、アコースティックな楽曲では弦の爪弾きや、ボーカルのリップノイズまで聴こえる仕上がり。YOASOBIの「三原色」といったJ-POPも高音域から低音域まで伸び伸びと響く音を楽しめた。
一方、少しクセを感じたのはイヤフォンのタッチ操作。右イヤフォンをダブルタップすることで楽曲の再生/停止、左イヤフォンをダブルタップすることでANCオン/トランスペアレンシー(外音取り込み)/オフの変更ができるほか、右イヤフォンをダブルタップし、2回めのタップで長押しすることで音量プラス、左イヤフォンで同操作をすると音量マイナスができるのだが、慣れるまでは少し苦労してしまった。
ANCの切り替えについても「ポッ」という音だけで状態がアナウンスされるため、自分が今どのモードを使っているのかが少しわかりにくい印象で、このあたりは専用アプリとの連携や慣れが必要だと感じられた。