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NHK、'23年後期朝ドラ「ブギウギ」。「東京ブギウギ」の笠置シヅ子がモデル
2022年6月24日 12:42
NHKは、2023年度後期に放送する連続テレビ小説第109作について、戦後の大スターである笠置シヅ子をモデルにした「ブギウギ」と発表した。「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲とともに、日本の朝にあふれる笑顔を届けるという。原作はない。
実在の人物である笠置シヅ子(1914~1985)がモデルだが、激動の時代の渦中で、ひたむきに歌に踊りに向き合い続けたある歌手の波乱万丈の物語として再構成。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。
タイトルの「ブギウギ」は、陽気で踊り出したくなるような音楽リズムの一種。ブギウギのように、このドラマで多くの人を明るく元気にしたいという思いが込められた。
大正の終わりごろ、大阪の下町の小さな銭湯の看板娘・花田鈴子は、歌って踊るのが大好きな天真爛漫な女の子。やがて、小学校を卒業した鈴子は「歌と踊りでみんなを笑顔にしたい」と思うようになり、道頓堀に新しくできた歌劇団に入る。必死に稽古にはげんだ鈴子は、メキメキと成長、抜群の歌唱力で頭角を現していく。
昭和13年、鈴子は上京。そこで、ある人気作曲家と出会い、大きく運命が変わる。鈴子は、作曲家の指導を受け、“スウィングの女王”と呼ばれ人気ものになっていく。
しかし、戦争が始まると、鈴子が置かれた状況は一変。鈴子の歌っていた歌は「敵性音楽」となり、鈴子は歌や踊りが厳しく制限されてしまう。さらに、鈴子の弟は出征。また、ちょうどそのころ、鈴子の母も病気で亡くなってしまう。
不幸が重なり悩んでいた鈴子は、ある青年と恋に落ち、結婚を誓いあう。しかし、青年の家族は大反対、結婚はなかなか実現しない。やがて戦争が終わり、鈴子は青年の子を身ごもる。ところが、青年は病にかかってしまう。会えない日々が続き、そして、臨月の鈴子のもとに届いたのは青年の訃報だった。死に目に会えず、結婚もできないままの別れ。数日後、鈴子はひとりで娘を出産した。
鈴子は、ひとりで娘を育てながら舞台で歌う。そんな中、生まれたのが「東京ブギウギ」。明るく、飾らず、全身で歌う、鈴子の真骨頂。戦後の傷ついた日本に、その歌声が響き渡る。鈴子の歌声に合わせて、笑顔で歌い踊る人たちが日本中にあふれていった。鈴子は“ブギの女王”と呼ばれるようになり、大スター歌手への階段を一気に駆け上がっていく――。
今作では、これまでの朝ドラにはないほどの歌と踊りが出てくるといい、「愉快なリズムが響きわたり、ワクワクさせてくれる物語を日本中に、そして、海を渡り世界中にお届けします」としている。
執筆を担当するのは、2016年に映画「百円の恋」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞と菊島隆三賞を受賞し、NHKでは怒張ドラマ「六畳間のピアノマン」(2021)、「拾われた男」(6/26よりBSプレミアムで放送開始)などを手掛けた足立紳。音楽は「HERO」や「華麗なる一族」、「半沢直樹」などを手掛けた服部隆之氏が担当する。
制作統括は福岡利武氏、櫻井壮一氏。プロデューサーは橋爪國臣氏、演出は福井充広氏、二見大輔氏、泉並敬眞氏ほか。
足立氏は「本作の主人公のモデルとなる笠置シヅ子さんが生命力あふれる表情とダンスで踊り歌った『東京ブギウギ』という歌は、戦後、多くの日本人たちに『明るく前向きに生きる活力』を与えました。ですが、その底抜けに明るくて陽気なメロディーの裏には、笠置シヅ子さんのさまざまな人生がありました。そんな笠置シヅ子さんをモデルにした主人公を描くことで、今度は『今を生きる人たちに、今、必要な活力』というものが描けるかもしれないと思いました」とコメント。
服部氏も「時代を稲妻のように走り抜けていった一人の女性。ブギウギという翼を手に入れ空高く羽ばたき、日本中に元気と勇気を振りまいた彼女のジェットコースターの如き人生。朝から視聴者の皆様にワクワク、ドキドキ、ブギウギを感じていただくべく、微力ながら頑張らさせていただきます」と語っている。