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'23年度前期のNHK朝ドラ「らんまん」。主演は神木隆之介

NHK公式サイトより

NHKは2023年度前期に放送する連続テレビ小説について、日本の植物学の父と呼ばれる牧野富太郎をモデルに描く「らんまん」と発表した。主演は神木隆之介で、2023年春に放送予定。

連続テレビ小説第108作目。牧野富太郎は実在の人物だが、「らんまん」では牧野をモデルに「激動の時代の渦中で、ただひたすらに愛する草花と向き合い続けた、ある植物学者の波乱万丈の物語として大胆に再構成」。登場人物名や団体名は一部改称して、フィクションとして描く。原作はない。

主演の神木が演じるのは、高知で酒造業を営む裕福な商家の一人息子として生まれた槙野万太郎。体が弱くいじめられがちな少年だったが、植物の魅力にとりつかれ、その秘めた才能を発揮。草木をたずねて毎日のように野山を歩き回ったおかげで健康で丈夫な体を持つことに。小学校中退という学歴にもめげず、独学で植物学をきわめ東京帝国大学植物学教室の門をたたく。のちに「日本の植物学の父」と称される。

時代は明治維新から激動の大正・昭和そして未曽有の敗戦へ──。そんな混乱の時代の渦中で、ただひたすら愛する草花と向き合い、明るいまなざしで生命の多様性を肯定し続けた牧野富太郎の生涯。彼の喜びと感動に満ちた人生を描く朝ドラは「不安と混迷の時代を生きる現代のわれわれに前を向く勇気を与えてくれることでしょう」という。

執筆するのは、NHKの2019年特集ドラマ「マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~」や22年特集ドラマ「旅屋おかえり」を執筆した長田育恵。執筆にあたっては「題材を問われ、真っ先に浮かんだのが牧野富太郎の大きな笑顔でした。世界規模での感染症流行の渦中、この先に広がる世界を思い描いたとき、もう少し風通しがよく、もう少し優しい、ひとりひとりの多様性が尊重される価値観が求められていくのではないかと想像したからです」と語っている。

「富太郎は、ただひとつ特別な才能に恵まれていました。それは『ひたすら植物を愛すること』。子どもの頃ころに抱いた『好き』という感情が生涯を決定付けた、それこそ植物が太陽に向かって成長していくような生命力溢あふれる男です。彼が愛を注ぐ植物の世界は、どんな逆境でも絶滅を免れるため千差万別の多様性があります。彼は、多様性の価値を認め、それぞれの特性を等しく尊び、一生愛し続ける才能に恵まれていたのです」

神木は「人生でこんなに嬉うれしい事が起きるのかと驚きました。それと同時に長く深く誰かの人生を生きるという責任、とにかくひたすら一生懸命生きます。牧野富太郎さんの笑顔を見た時に、なんて素敵すてきな優しい笑顔なんだ、こんなに純粋に屈託ない笑顔ができる牧野さんがすごく羨ましいな、と思うと同時に、優しさに包まれる気持ちになりました。僕も牧野さんみたいな素敵な笑顔が似合う人になれるように、また、観てくださる方が優しい気持ちに、そして、“笑顔”になっていただけるように精一杯いっぱい頑張ります。よろしくお願いします」とコメント。

制作統括は松川博敬、プロデューサーは板垣麻衣子、演出は渡邊良雄、津田温子ほか。松川氏は「タイトルの『らんまん』は春爛漫らんまんの『らんまん』、そして天真爛漫の『らんまん』です。花がらんまんと咲き誇って植物の生命力が旺盛な様子を表すとともに、主人公の万太郎くんが笑顔で明るく天真らんまんに突き進んでいくさまをイメージしました」と明かした。

物語

江戸時代末期の1862年(文久2)3月、全国で尊王攘夷の機運が高まるなか、坂本龍馬が土佐藩を脱藩──そのわずか1か月後、同じ土佐の地で酒造業を営む裕福な商家に待望の男の子が誕生する。のちの天才植物学者・槙野万太郎(まきの・まんたろう)である。

万太郎は、明るい性質だが、虚弱な子ども。なぜだか植物のことが好きで、集中すると周りのことも目に入らなくなってしまう。大人たちは不思議な子どもだと思っているが、母親の房子は、そんな万太郎に穏やかな愛情を注いでいた。しかし、万太郎が6歳のとき、房子が病気で死去。父親も早くに亡くしていた万太郎は、祖母タキの手で育てられることになる。

タキは、名家の跡取りとして立派な男子に育てようと、万太郎を藩校に入れる。最初は学校生活になじめなかった万太郎だが、植物の名前と挿絵の載った本を見つけ、「その本が読みたい」という思いから、熱心に勉強するようになる。

その後、万太郎は学業の面でメキメキと頭角を現し、英語・地理・物理・天文など西洋の学問を次々と吸収していく。やがて明治新政府のもと新たな学校制度が始まり、万太郎も小学校に通い始めるが、その教育レベルの低さに物足りなさを感じて自主退学。その後は家業の手伝いもそこそこに、大好きな植物採集に明け暮れる生活を送るようになる。

東京上野で開催される「内国勧業博覧会」をきっかけに万太郎は初めて上京。その旅のなかで憧れの博物学者たちと出会い、日本各地の貴重な植物や海外から来た珍しい植物を目の当たりにする。「いつか必ず日本の植物のすべてを明らかにしたい!」──万太郎の植物学への情熱に火が付いた。万太郎は、東京帝国大学植物学教室の門をたたき、助手として働くことになる。水を得た魚のように研究に没頭し、新種を次々と発見、学名をつけていく万太郎。しかし、その活躍に嫉妬する教授陣から嫌がらせを受けたり、学歴がないことを理由に十分な給金をもらえないなど、理不尽な目にも多く遭う。それでも、愛する植物のため、「日本独自の植物図鑑を編纂する」という夢のため、万太郎は情熱を失うことなく一途に突き進んでいく──。

執筆にあたって 作者:長田育恵

題材を問われ、真っ先に浮かんだのが牧野富太郎の大きな笑顔でした。世界規模での感染症流行の渦中、この先に広がる世界を思い描いたとき、もう少し風通しがよく、もう少し優しい、ひとりひとりの多様性が尊重される価値観が求められていくのではないかと想像したからです。

富太郎は、ただひとつ特別な才能に恵まれていました。それは「ひたすら植物を愛すること」。子どもの頃ころに抱いた「好き」という感情が生涯を決定付けた、それこそ植物が太陽に向かって成長していくような生命力溢れる男です。彼が愛を注ぐ植物の世界は、どんな逆境でも絶滅を免れるため千差万別の多様性があります。彼は、多様性の価値を認め、それぞれの特性を等しく尊び、一生愛し続ける才能に恵まれていたのです。

ですが時代のうねりの中、彼の生き方は簡単に理解を得られるものではありませんでした。そんな彼を支え、磨き抜いていったのが、鮮やかな出逢いの数々です。生涯で約1500種類以上の新種を発表し、約40万点以上の植物標本を残した富太郎。けれど、その足跡を見渡せば、富太郎という広場に集った人々こそが、花のように咲き誇っていることでしょう。

富太郎をモデルに描く主人公、槙野万太郎。ありのままの生を見つめる明るい眼差しと、植物が光に向かうような生命力、そしてひたむきに何かを愛する心が、観てくださる方の「今日」を彩ることを願っています。

神木隆之介 コメント

人生でこんなに嬉しい事が起きるのかと驚きました。それと同時に長く深く誰かの人生を生きるという責任、とにかくひたすら一生懸命生きます。
牧野富太郎さんの笑顔を見た時に、なんて素敵な優しい笑顔なんだ、こんなに純粋に屈託ない笑顔ができる牧野さんがすごく羨ましいな、と思うと同時に、優しさに包まれる気持ちになりました。僕も牧野さんみたいな素敵な笑顔が似合う人になれるように、また、観てくださる方が優しい気持ちに、そして、“笑顔”になっていただけるように精一杯頑張ります。
よろしくお願いします。

制作にあたって 制作統括:松川博敬

タイトルの『らんまん』は春爛漫の「らんまん」、そして天真爛漫の「らんまん」です。
花がらんまんと咲き誇って植物の生命力が旺盛な様子を表すとともに、主人公の万太郎くんが笑顔で明るく天真らんまんに突き進んでいくさまをイメージしました。

明るい春のスタートにふさわしいタイトルだと思いませんか?
主演は神木隆之介さん。見てると何だかワクワク楽しい気持ちになる俳優さんです。
そしてモデルは天才植物学者の牧野富太郎さん。大好きな植物のため、どんな困難にもめげず一途に突き進んでいく、ぶっ飛んだ傑物です。

何だか明るい“朝ドラ”になりそうな予感がしませんか?
毎日、朝が来るのが楽しみになるようなドラマ『らんまん』を誠心誠意お届けしたいと思います。