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「VOCALOID6」登場。日本語/英語を自動判断、人の歌声をボカロ化

ヤマハは、バーチャルボーカル制作ソフト「VOCALOID」の新バージョンとして「VOCALOID6」を発売した。ダウンロード専用で販売し、価格は27,500円。VOCALOID3以降のソフトウェア購入者は、バージョンアップグレード版を16,500円で購入できる。全ての機能を31日間無料で使える体験版も用意している。

4年ぶりの新バージョンとなったVOCALOID6では、AI技術を用いた新合成エンジン「VOCALOID:AI」を搭載。VOCALOID:AIは、実在の歌手の音色や歌いまわしなどの特徴を学習したデータを基に、入力されたメロディーと歌詞に応じた歌い方を推定して歌声を合成しており、従来と変わらない基本操作で、今まで以上に音程や音色の変化、発音が滑らかになった高品位な歌声を用いた音楽制作ができるとする。

VOCALOID6 機能紹介

VOCALOID6専用ボイスバンク用に、しゃくりやビブラート、タメといった歌唱表現を、音符と音声波形、音程を現すカーブ曲線を見ながら素早く調整できる新たな編集ツールを採用している。一般的なボーカルトラック制作の手法であるダブリングやハモリパートを素早く制作する「TAKE機能」も搭載し、クリエイターが思い描く歌い方を素早く、見た目でも分かりやすくディレクションできるという。

クリエイターの歌唱オーディオデータ(WAV)を取り込むことで、歌詞や歌い方をそのままVOCALOID6専用ボイスバンクで再現する「VOCALO CHANGER」機能も新たに搭載。楽譜や歌詞を入力することなく、オーディオデータでボーカルパートを制作する新たな手法としている。

1つのボイスバンクで日本語や英語を織り交ぜた歌詞を流暢な発音で歌わせることが可能なマルチリンガル機能も新たに装備。従来は言語ごとにボイスバンクが別れていたが、VOCALOID6専用ボイスバンクでは歌詞に英語を入力すれば、自動的に言語を判断して英語の発音で歌わせられるようになる。

また、VOCALOID3以降のすべてのボイスバンクとの互換性を担保。お気に入りの歌声はそのままに、VOCALOID6の機能を使用して、より豊かな表現を追求できる。新たにARA2(Audio Random Access)にも対応し、音楽制作ソフトとの連携を強化。音楽制作ソフトのCubase AIも付属する。

VOCALOID6専用ボイスバンクとして、男女×日英の4つのボイスバンクを付属。内容は、HARUKA(ハルカ:日本語女性ボイスバンク)、AKITO(アキト:日本語男性ボイスバンク)、SARAH(サラ:英語女性ボイスバンク)、ALLEN(アレン;英語男性ボイスバンク)となっている。