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「109シネマズ新宿」は坂本龍一監修。35mmフィルム映写機も設置

東急レクリエーションは、2023年4月開業予定の「109シネマズプレミアム新宿」の全シアターの音響を、音楽家・坂本龍一氏が監修すると発表した。施設内のラウンジなどで使用する複数の楽曲も、坂本氏が書き下ろすという。

109シネマズプレミアム新宿は、東京都新宿区歌舞伎町に'23年4月14日開業予定の「東急歌舞伎町タワー」の9階・10階にオープンする109シネマズの新ブランド。全席プレミアムシートで、全シアターにハイスペックな映写・音響設備を設置。さらに、坂本氏とのディスカッションにより、35mmフィルムの上映が可能なシアターも用意した。

新宿ミラノ座跡地に「109シネマズプレミアム新宿」

音響システムには「SAION -SR EDITION-」を採用。最上の音体験が可能という、109シネマズオリジナル規格のプレミアムサウンドシアター「SAION」の良さをそのままに、「坂本氏監修の下で設計された、より極限までリアルな音を追求した音響システム」になっているという。

使用するのは、色付けの無い高精細な音を生み出すというカスタムスピーカー。高域にベリリウム、中域にカーボンファイバー、低域に特殊ペーパーコーンを使用した3ウェイメインスピーカーシステムのほか、バンドパスにバックロード方式を加えたハイブリッド・サブウーファーシステムを設置。高域に8つのシルクドームをラインアレイ状に配置するほか、低域に特殊ペーパーコーンを使用した同軸2ウェイ・サラウンドスピーカーシステムを用意した。

日本初導入となるLinea Research製の高品位パワーアンプを搭載。クラスDの限界を超えた現存のパワーアンプで最も音質の良いものを選択し、圧倒的な増幅感と比類なき情報量がスピーカーのポテンシャルを最大限に発揮させるという。

坂本龍一氏 コメント

映画館やミラノ座・新宿への思い

60年代後半、僕は新宿の高校に通っていたので入学した当初から大きな好奇心をもって新宿を隈なく徘徊しました。入学した4月には新宿中のJazz喫茶を訪ね歩いてお気に入りの店をいくつか決めて早速出入りし始める、制服制帽のまま。次に新宿中の映画館をチェックし、その上映傾向を調べる。人生であれほど映画をたくさん観たのもやはりこの高校生活の期間でした。

新宿で学んだものは僕を根本的に変えたと思います。60年代末は音楽、演劇、映画、文学、学問など、あらゆるものが劇的に変革された時期であり、その中心が新宿だったのです。

このプロジェクトに参画した理由

僕が信頼する音響システムを提供する会社を運営する友人からこのプロジェクトに声をかけられました。彼らと一緒なら本当にクヲリティーの高い音を提供する映画館にできるだろうと思い、監修者として参加することにしたのです。

また、常に最高の音響作りを目指す彼らを指名した109シネマズさんの姿勢にも共感しました。音響システムはスクリーンの後ろにスピーカーを組んでいますが、高性能サウンドシステムと高度なチューニング技術により、スクリーンの存在を感じない、「曇りのない音」を目指し設計されています。スピーカーはもちろん、オーディオケーブルやアンプなど細部にこだわり、最上の音響を楽しめる劇場ができたと自負しています。

映画文化・フィルム映写機への思い

109シネマズのみなさんと意見交換をした際に、「日本ではフィルムの上映ができる映画館がほとんどなくなっている、いまこそ、改めてフィルム上映のできる映画館をつくってほしい」と提案したことを真剣に受け止めていただき、チームのみなさんはすぐに35mm映写機を調達してくれました。

フィルム映画の文化を継承するためにフィルム上映も可能なシアターがここに用意されています。 本物の映画愛にあふれた方々が作り上げた劇場です。