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新宿ミラノ座跡地に「109シネマズプレミアム新宿」

2023年4月に開業する「東急歌舞伎町タワー」

東急と東急レクリエーションは4月26日、東京・新宿のTOKYU MILANO跡地を中心に建設している超高層複合施設「東急歌舞伎町タワー」の開業月と、施設内に内にオープンする映画館や劇場、ライブホールの概要を発表した。映画館は109シネマズの新ブランドとなる「109シネマズプレミアム新宿」で、全席プレミアムシートを採用する。

シネシティ広場から見た「東急歌舞伎町タワー」屋外ビジョン(3月29日時点)

東急歌舞伎町タワーは、ホテルおよび映画館・劇場・ライブホールなどのエンターテインメント施設からなる国内最大級の超高層複合施設。階数は地上48階、地下5階で高さは225m。今回、2023年4月に開業することが発表された。

ミラノ座跡地の映画館は109シネマズのプレミアムブランド

「109シネマズプレミアム新宿」ロゴ

「新宿ミラノ座」跡地に復活する映画館「109シネマズプレミアム新宿」は、同タワーの9~10階にオープン。全8スクリーンで、「これまでの映画館の常識を覆す上質な鑑賞環境とおもてなしで、こころゆくまで映画の世界に没入いただける」とのこと。

シアター内イメージパース

映画館を運営する東急レクリエーションの久保正則氏は、109シネマズプレミアム新宿について「ふだんお客様が感じているストレスを解決していこうと考えました。(運営中の109シネマズでは)お客さまから、『人気作品が集中するとロビーが混雑して座ってゆっくり待てる場所がない』、『売店の行列が長くポップコーンをなかなか買えない』といった声を多く頂戴しています。そういった要素をすべて排除して、新たな価値を提供したい」と、その位置づけや、すでに新宿で営業しているシネコンとの差別化について説明した。

また久保氏によれば、2フロア・8シアターは「通常の109シネマズとしてオープンすれば1,600席程度は確保できる広さ」だが、全席をプレミアムシート(A席、S席)としたため、総座席数は752席。シートはA席が既存の109シネマズのエグゼクティブシート以上になるとのことで、詳細は後日案内される。

新宿エリアで初めて3面ワイドビューシアター「ScreenX」を導入

新宿エリア初の3面ワイドビューシアター「ScreenX」もシアター6に導入。映画だけでなく音楽ライブなど、さまざまなエンターテインメントを上映するという。

建設中の「109シネマズプレミアム新宿」

シアター内は「映画にもっとも集中できる空間を提供する」として、モノトーンのシンプルなデザインを採用。ノイズの反射を抑え、映画に最適な音響を楽しめる設計も採用した。全シアターのスクリーン前方には奥行き4mの舞台も用意。照明設備も備えており、舞台挨拶といった映画関連イベントのほか、幅広い演目に対応する。

ラウンジ イメージパース

9階に用意されるラウンジは鑑賞者専用。映画史に残る名作のワンシーンを、さり気なく感じさせる家具などを配置する。

なお、具体的な価格は決定次第案内とされたものの、久保氏から「鑑賞環境にこだわったプレミアムシアターの位置づけ。一般的なシネコンよりも鑑賞料は高くなる」ことも明かされた。

Zeppやミラノ座の名を継承する劇場も

「Zepp Shinjuku(TOKYO)」

東急歌舞伎町タワーのB1~B4階にはTSTエンタテイメントが運営するライブハウス「Zepp Shinjuku(TOKYO)」がオープン。キャパシティは新宿エリア最大級の1,500名。これまでのZeppホールよりもコンパクトなサイズ感で、Zeppホールとして初となる360度LEDビジョンにより、臨場感あふれる音楽体験ができる。

他のZeppとは異なり、デザインにこだわった内装も特徴
建設中の「Zepp Shinjuku(TOKYO)」

他のZeppホールとは異なり、デザインにこだわった内装も特徴。将来的にはタワー内のホテルやレストラン、映画館とのコラボレーションや近隣のライブハウスとの連携イベントも構想しているとのこと。

「THEATER MILANO-Za」ロゴ

6~8階には、同じくTSTエンタテイメント運営で、新宿ミラノ座の名前を継承したライブエンターテインメントシアターとして「THEATER MILANO-Za」も開業する。ストレートプレイやミュージカル、2.5次元、着席形式での音楽ライブなど、さまざまなエンターテインメントに対応した劇場で、1~3階席、左右3層で座席数は約900。

建設中の「THEATER MILANO-Za」

舞台の最前から1階席最後列までの距離は約19mで、以前同地にあったボーリング場のレーンと同じ距離のため「演者と観客がお互いの息づかいを感じられるような一体感を得られる」という。

舞台や客席レイアウトは可変性に優れており、宙吊りや大量の水を使った演出など、幅広い演目に対応可能。1階席の座席は1席ずつ取り外すことができるため、花道など舞台の張り出しにも対応できる。音楽ライブの場合、舞台前部を開放して客席を増やすことも可能。

客席にはLED照明も用意。演目に応じてライティングを変更できる

客席にはフルカラー対応のLED照明も用意。演目に合わせてライティングを変えることで入場した直後から作品の世界観を味わえるという。

ホワイエ イメージパース

ホワイエは「抑えきれない衝動」×「都市の中の広場」がデザインコンセプト。ホワイエ内の壁面照明設備も演目の世界観に合わせた演出ができる。西新宿の景観を観ながら軽飲食を楽しめるカフェ&バーも用意する。

またTSTエンタテイメントの萩原要氏は、タワー内にオープンするホテルなどと連携して「規模は違いますが、ラスベガスで行なわれているような1~2週間、1カ月といった長期公演の音楽ライブも開催したい」と構想を明かした。

「HOTEL GROOVE SHINJUKU」ロゴ。新宿という街が刻むリズム感をレコード盤で表現した
客室(ダブル 32m2)イメージパース

タワーの18~47階には、東急ホテルズのホテルふたつが開業。どちらも新ブランドで、18~38階は各エンターテインメント施設での余韻に浸りつつ、新宿・歌舞伎町の歴史、アートや音楽などの文化を感じられる客室の「HOTEL GROOVE SHINJUKU」、39~47階は“天空のプライベートヴィラ”と銘打つ「BELLUSTAR TOKYO」がオープンする。

エンターテインメント施設とホテルの結節点となる17階には、テラス・パーティールームなどを備えた「まちの社交場としての役割を果たす」レストラン&バーも誕生する。

「BELLUSTAR TOKYO」ロゴ
標準客室(54m2)イメージパース
(C)CGworks Inc.
「東急歌舞伎町タワー」45階からの眺望
「東急歌舞伎町タワー」17階テラスからの眺望