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東京現像所が’23年全事業終了。サービスは他社が引き継ぎ

東宝は22日、取締役会において子会社である「東京現像所」の事業終了を決議したと発表した。全事業の終了予定日は2023年11月30日。東京現像所が行なってきたDCPおよび映像アーカイブ事業は新会社、DIおよび編集事業はTOHOスタジオがサービスを引き継ぐ。

東京都調布市にある東京現像所は、1955年4月22日に設立。フィルム現像、デジタル技術を用いた映像の合成・編集、劇場上映用デジタルデータ(デジタルシネマパッケージ=DCP)の制作、映像アーカイブ(旧作映画の保存・修復)等の映像関連サービスをなってきた。

一方で東宝は今年9月、IMAGICAエンタテインメントメディアサービスとの間で、DCPの劇場向けデリバリーサービスを行ない、将来においては物理的なデリバリーサービスからデジタル配信サービスの提供を目指す新会社を共同で設立することについて合意。これを受け、東京現像所のDCP事業については、2023年3月31日をもって終了することを決定していた。

東宝は、今回の決定について、「DCP事業の終了により大きな業績影響を受けることが予想されることから、今後の方向性について抜本的な検討を行ってまいりましたが、DCP事業以外の残存事業のみで同社が持続的に安定した経営を行っていくことは困難であると判断し、この度、2023年11月30日(予定)をもって同社の全事業を終了することといたしました」と理由を述べている。

なお、東京現像所が行なっているDI(Digital Intermediate=デジタルによる映画の色彩等の調整)事業、アニメ・テレビ作品の編集事業については、TOHOスタジオがサービスを引き継ぐ予定。また、映像デジタルアーカイブ事業については、これを事業目的とする新会社を設立し、サービスを引き継ぐ。

東宝は、「当社グループの映像関連サービス事業を東京都世田谷区成城の『東宝スタジオ』に集約し、デジタル技術の発展に対応したより良い映像制作環境の提供に努めてまいります」としている。