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NHKネット配信が必須業務に。改正放送法が国会で成立

放送番組の配信やニュースサイトなど、NHKが行なうインターネット活用業務を“必須業務”とすることを定めた改正放送法が17日、国会・参議院本会議で可決、成立した。自宅にテレビがないなど、NHK受信契約をしていない状態でスマホやPCからNHKのネットサービスを利用すると、今後はネットサービス受信料を求められるようになる。

今回成立した改正法放送(放送法の一部を改正する法律案)では、「NHKの放送番組をテレビ等の放送の受信設備を設置しない者に対しても継続的かつ安定的に提供する」ことを目的に、NHKが取り組む義務として「放送番組の同時/見逃し配信、関連情報の配信を必須業務とすること」、および「民間放送事業者が行なう放送の難視聴解消措置に協力すること」の2つが明記されている。

改正放送法の成立を受け、同日NHKはコメントを発表した。

ネットサービス受信料については、「受信料を支払っている場合は、追加の負担なくNHKのネットサービスを利用できる」、「テレビを持っておらず、スマホやPCなどを持っているだけでは負担の対象にならない」と説明。

対象はあくまで、テレビを持っておらず、スマホやPCなどを使って「例えば、アプリのダウンロードやIDの取得などの一定の操作を行って、配信を受け始めた方」などを想定しており、対象の詳細については検討を進めているという。

コメント全文は以下の通り。

NHKコメント

本日、インターネットを通じた番組などの提供をNHKの必須業務にすることなどを柱とした改正放送法が国会で成立しました。

この必須業務化は、任意業務だったNHKのインターネットによるサービスが、放送と同じ情報内容や同じ価値を提供し、受信料を頂くという、これまでより高い位置づけになることだと受け止めています。

NHKとして、インターネットでも、しっかりと公共的役割を果たしていく重い責任を担うことであり、視聴者・国民の皆さまの期待に応えられるよう、高い水準のサービスが求められていると考えています。

必須業務で実施するインターネットサービスの受信料については、受信料をお支払い頂いている方は、追加の負担なく利用できます。

一方で、テレビをお持ちでない方について、スマートフォンやパソコンなどを持っているだけでは、負担の対象にはなりません。改正法では、例えば、アプリのダウンロードやIDの取得などの一定の操作を行って、配信を受け始めた方を対象としており、詳細については、NHKにおいて検討を進めているところです。

必須業務のスタートに向けては、サービス内容、受信契約、配信方法、競争評価など、様々な課題がありますが、国会での審議内容も踏まえ、検討を急ぎ、着実に準備を進めてまいります。

NHKとしては、インターネット上においても、安心安全を支え、あまねく伝えることで、健全な民主主義の発達に資するという、公共的な役割を果たしていきたいと考えています。同時に、正確で信頼できる情報を発信する担い手として、民間放送事業者や新聞社、そしてNHKといったメディアの多元性を確保しながら、常に信頼される情報やコンテンツを提供するという、「情報空間の参照点」の役割を果たしていきたいと考えています。