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映画「ラスト サムライ」、BS12で3月4日放送

「ラストサムライ」
(C)2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

全国無料放送のBS12は、トム・クルーズと渡辺謙が共演した映画「ラスト サムライ」を、3月4日19時から放送する。世界各国の名作・佳作洋画を選りすぐって放送する「土曜洋画劇場」での放送。

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2003年公開の作品で、米アカデミー賞4部門にノミネートされた時代劇。明治維新直後の動乱期、軍事教練のため日本に訪れたオールグレンは、剣の時代の終焉を冷静に見つめるあるサムライのもとで高潔な武士道の精神に目覚めてゆく。

主要キャストの多くを日本人が占め、本作でアカデミー賞助演男優賞ノミネートを果たしハリウッド進出のきっかけを掴んだ渡辺謙をはじめ、真田広之、小雪、中村七之助、時代劇の名斬られ役として知られる福本清三らが出演した。監督はエドワード・ズウィック。

放送にあわせ、映画評論家の立花珠樹氏が、本作の見どころ、豆知識を解説している。

みどころ(映画評論家・立花珠樹氏)

壮大なスケールのハリウッド製時代劇
トム・クルーズと渡辺謙の魅力が全開

『ラスト サムライ』(2003年)は、明治維新から間もない日本を舞台に、政府軍の指南役に雇われた米軍大尉オールグレン(トム・クルーズ)が、武士道精神を貫く反乱軍の武将、勝元(渡辺謙)に共感。誇りと名誉を胸に、敗色濃厚な戦いにともに挑んでいく物語だ。ハリウッドの超大作にふさわしい壮大なスケールで、主演のクルーズと渡辺をはじめとする日本人俳優たちの魅力を引き出し、記録的な大ヒットになった。

公開から20年、今回、BS12の土曜洋画劇場で映画を楽しむ人のために、役立つ豆知識を幾つか記しておこう。

1、渡辺謙は初めてのハリウッド映画出演だったこの作品で米アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、その後、世界に進出する大きな転機となった。同賞を受賞したのは「ミスティック・リバー」のティム・ロビンスだった。

2、勝元らが暮らす村で、たか(小雪)の息子、飛源を演じているのは、3月に公開される『シン・仮面ライダー』で主演するなど大活躍している池松壮亮。『ラスト サムライ』が彼の映画初出演だった。

3、村でオールグレンを守る寡黙なサムライ(オールグレンから「ボブ」と呼ばれている)を演じたのは、「斬られ役」として有名だった福本清三。半世紀以上にわたり映画やテレビドラマで「5万回斬られた」という福本は、2021年、77歳で死去した。

4、監督のエドワード・ズウィックは、デンゼル・ワシントンが米アカデミー賞助演男優賞を受賞した『グローリー』(1989年)も監督している。この映画は、南北戦争に実在した初の黒人部隊を扱っており、『ラスト サムライ』の内容とのつながりを感じさせる。

このほかにも、映画の中で敵役になる大村を『燃えよ剣』などで知られる映画監督、原田真人が演じていることなど、興味深いエピソードがある。日本人としては違和感がある部分も幾つか存在するが、世界中の観客を想定しているハリウッド映画であることを考えれば、目くじらを立てることはないのだろう。むしろ、日本の観客を意識して、本気で取り組んだことが伝わってくる。モデルとなった人物たちや、撮影場所などを調べてみるのも楽しい。公開時に見て、真田広之の見事な体の動きと精かんな表情が印象的だったことが記憶に残っている。

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