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Shokz、“ブランド初”完全ワイヤレス。さっそく聴いてみた

「ブランド史上、初めて」という完全ワイヤレスイヤフォン「OpenFit」

Shokzは、4月6日10時よりクラウドファンディングを開始する同社初の完全ワイヤレスイヤフォン「OpenFit」に関するメディア向け説明会を開催。同社を象徴する骨伝導技術は投入していないモデルであるものの、「高音から低音までバランスよく再生できる」と、製品の特徴を語った。なお、今回撮影・試聴したのはサンプル機のため、製品版とは仕様が異なる可能性がある。

カラーはブラックとベージュ

ノズルなどを耳穴に入れる必要がなく、18×11mmのカスタマイズダイナミックドライバーユニットを耳穴の前に配置してサウンドを再生することで、周囲の音を聴きながら音楽なども楽しめるオープンイヤー型の完全ワイヤレスイヤフォンで、「オープンイヤーは究極の心地よさへ」を謳う。カラーはブラックとベージュの2色。

クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で、4月6日10時から6月12日23時59分59秒までプロジェクトを実施する。一般販売時の価格は24,880円だが、クラウドファンディングでは1台のみの場合、最大19% OFFの19,999円で購入でき、最大20% OFFとなる2台セットのプランも用意するという。

Shokzは、骨伝導技術を使ったヘッドバンド型イヤフォンを数多く展開しているが、完全ワイヤレスイヤフォンの投入は「ブランド史上、初めて」という。

また、同社の骨伝導イヤフォンは「低音が弱い」という声が多かったが、OpenFitでは骨伝導ではなく、一般的なダイナミック型のドライバーを採用。さらに明るい高音と深みのある重低音を生み出しつつ、周囲への音漏れも低減するという「DirectPitchテクノロジー」と、「低周波の振動を覆い隠すことなく、直接耳に向かって伝える」という低周波強調アルゴリズムにより、「高音から低音までバランスよく再生できる」とのこと。

「OpenFit」を装着したところ。耳穴の前にドライバーを配置して耳をふさがないデザイン

ドライバー収納部分には、2層構造の超軟質シリコン(リキッドシリコン)を使った「イヤークッションコア」を採用。耳のくぼみ(耳甲介)に触れる部分が柔らかい質感となっているため、「長時間の装着でも不快感を感じさせない」という。イヤーフック部は、イルカから着想を得たという「ドルフィン アークイヤーフック」となっており、0.7mmという極細の形状記憶素材を内蔵。耳の形に自然にフィットする。

「ドルフィン アークイヤーフック」を採用する

音楽などを聴きながら、職場で同僚と会話したり、自宅で着信や来客に対応したりすることが可能。周囲の安全確認ができるため、ジョギングやランニングにも利用できる。イヤフォンのみIP54の防塵防沫仕様。

7月ごろにアップデート予定のアプリ「Shokz」を使えば、イコライザー機能も利用可能。従来モデルのイコライザー調整はプリセットされた2種類から選択する仕組みだったが、OpenFitでは「プリセットだけでなく、カスタマイズも可能」になる見込み。

通話用のマイクは片側2基、計4基搭載。周囲のノイズを最大99.7%までフィルタリングするという「AIコールノイズキャンセル」により、クリアな声で通話できる。イヤフォンに物理ボタンはないが、表面にタッチパッドを備えており、タップで楽曲の再生/停止や着信応答、曲送り/曲戻しなどの操作ができる。なお、イヤフォンからの音量調整操作はできない。

Bluetooth 5.2準拠で、コーデックはSBCとAACをサポート。最大8台までのマルチペアリングに対応するが、2台の機器に同時接続できるマルチポイントには非対応。

連続再生時間はイヤフォン単体で最長7時間、ケース併用で最大28時間。5分の充電で1時間使える急速充電にも対応する。ケースの充電ポートはUSB Type-Cで、ワイヤレス充電には非対応。

音を聴いてみる

ケースはAirPods Pro(第2世代)などと比べるとやや大きめ

イヤーフック付きの完全ワイヤレスイヤフォンということもあり、一般的な完全ワイヤレスイヤフォンと比べるとケースは少し大きめ。ただ厚みが抑えられているので、ジャケットのポケットなどに入れても、そこまで違和感はないだろう。

装着はかなり軽めで、付けているのを忘れてしまいそうなほど。長時間の使用でも負担は少なそうに感じられた。それでいてイヤーフックが耳に沿ってフィットするので、頭を激しく振った程度でズレたりもしないので、軽めのジョギングやランニングでも問題なく使えるだろう。

ただ装着感が軽いこと、イヤーフックタイプということで、例えばマスクを付けた上でOpenFitを装着していると、とっさにマスクを外した際に、OpenFitも一緒に耳から外れてしまうこともあった。特に筆者は花粉症なので、この時期はマスクが手放せないので、そういった人は注意が必要かもしれない。

イヤフォンの内側

音質はボーカルがくっきりと浮かび上がって聴こえてくる印象で、歌モノとの相性は良い。女性ボーカルや管楽器などの高音も耳に刺さるような印象はなく、低音も耳穴に挿し込むタイプのイヤフォンを比べれば量感は薄いものの、適度な締まりもあり、気持ちよく音楽を楽しめる。また骨伝導イヤフォンではないので、音量を上げても骨伝導独特の“こそばゆい”感じはまったくなかった。

radikoやYouTubeのラジオ/雑談配信などを聴いてみても、話し声が聴き取りやすく、いわゆる“ながら聴き”にもピッタリな印象だった。イヤフォンのタッチ操作も良好で、筆者が試した限り、タッチに反応しなかったり、誤動作することもなかった。

ソニーの“穴あきイヤフォン”「LinkBuds」(左)と並べたところ

同じく開放型の完全ワイヤレスイヤフォンとして、ソニーの“穴あきイヤフォン”「LinkBuds」と聴き比べてみると、LinkBudsのほうが音がクリアで明瞭に感じられる。同じ“ながら聴き”でも、より音楽に没頭してしまいがちなのはLinkBudsだった。ただ少し高音寄りの音作りに感じられ、女性ボーカルなど、楽曲によっては少し耳に刺さるような感覚がある。このあたりは好みが分かれるところだろう。

ケースに収納したところ