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YouTube、誤った医療情報を含む動画を削除開始

YouTubeは18日、医療情報の動画に関して、予防や治療に関して誤った情報を伝えているコンテンツを削除すると発表した。さらに、例えばCOVID-19で死亡した人の存在を否定するなど、特定の健康状態の存在を否定するコンテンツも削除する。

YouTubeは今後、誤った医療情報に関するポリシーを「予防」、「治療」、「事実の否定」という3カテゴリーに分けて整理。各地の保健当局や世界保健機関(WHO)の情報と矛盾する、特定の健康状態、治療法、物質についてのコンテンツに適用する。

適用の判断は、「公衆衛生上の重大なリスクや世界各地の保健機関が公表しているガイダンスに関連しているか、一般的に誤情報として発信されやすいものか、といった観点から判断する」としている。

新しいポリシーフレームワークは以下の通り。

  • 予防に関する誤った情報:特定の健康状態の予防または感染、現在承認および接種されているワクチンの安全性、有効性、成分に関して、保健当局のガイダンスと矛盾する情報を宣伝するコンテンツを削除。例えば、予防方法として有害な物質を宣伝するようなコンテンツが該当。
  • 治療に関する誤った情報:有害な物質や行為を宣伝するなど、特定の健康状態に対する治療法について、保健当局のガイダンスと矛盾する内容を伝えるコンテンツを削除。例えば、がん治療薬として塩化セシウムを宣伝するといった、専門的な治療を受けるべき特定の健康状態に対して実証されていない治療法を勧めているコンテンツが該当。
  • 事実を否定する誤った情報:特定の健康状態の存在を否定するコンテンツを削除。例えば、COVID-19で死亡した人の存在を否定するコンテンツが該当。

YouTubeは、「各地の保健当局や国際的な保健機関のガイダンスに従って、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ワクチン、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、有害物質など、現実の世界で深刻な危害を与える可能性のあるトピックに関するコミュニティガイドラインの作成について、多くの重要な学びを得た」とする。

一方で、「誤情報も含め、医療情報は絶えず変化する。そのためYouTubeは、長期的に通用するポリシーのフレームワークを確立し、自由な議論の場を確保しつつ、著しく有害なコンテンツは適切に削除するという重要なバランスを維持していかなければなならい」という。

しかし、「十分に研究が進み、科学的コンセンサスが取れている分野については、有害な情報がYouTube上に公開されていないことを目指している」とのこと。

また、インターネットで症状を検索したり、治療経過について調べられる事が多いがんの治療法についても、「本日から数週間にわたり、有害、または有効でないことが確認されているがんの治療法を推奨するコンテンツや、視聴者に専門的な治療を受けないよう勧めるコンテンツを削除していく」という。

具体的には、がんの承認された治療法よりも代替治療法の方が安全または有効であると主張したり、がんの治療のために有害、または有効でないことが保健当局から確認されている治療法を推奨するコンテンツが該当するとのこと。「例えば、『ニンニクでがんが治る』や『放射線治療の代わりにビタミンCを摂取しよう』等の動画は削除する」という。