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Technics、新開発ΔΣドライブ搭載レコードプレーヤー「SL-1200GR2」

レコードプレーヤー「SL-1200GR2」

パナソニックは、Technicsブランドより、新しいモーター駆動技術を搭載したレコードプレーヤー「SL-1200GR2」を10月下旬に発売する。価格は25万円。カラーはシルバー(S)とブラック(K)。

2017年5月に発売した、GRAND CLASSシリーズのプレーヤー「SL-1200GR」(20万円 ※2023年2月に値上げ)の後継モデル。新開発のモーター駆動技術と、独自の低ノイズ電源技術を組み合わせることで、より一層の高音質化を実現したという。

最大の特徴が、“フルデジタルアンプ開発で培ったノウハウに着目した”という新モーター駆動技術「ΔΣ-Drive」の搭載。

ΔΣ-Driveは、ΔΣ変換技術により駆動信号の誤差を低減し、高精度PWM生成技術により低歪な駆動信号を得ることができるという技術。これにより、ワウ・フラッターやS/Nでは測定できないほどのモーターのわずかな回転ムラや微振動を抑制。微振動は音声信号には逆相成分として現れ音像を不明瞭にするものだが、ΔΣ-Driveにより振動を低減することで音像定位が向上し、明瞭で見通しの良い空間表現を可能にしたという。

「ΔΣ-Drive」制御回路

電源回路には、ローノイズで電圧変動の少ない「Multi-Stage Silent Power Supply」を採用した。

前述のΔΣ-Driveによる高精度な回転が実現すると、その電源も音質に大きな影響を与えることが判明したという。モーター駆動回路は負荷変動に対応しながら回転速度を維持するために電圧変動に敏感で、瞬時供給能力が高くハムノイズが少ないスイッチング電源が有利と判断。さらにスイッチングによるノイズを低減するため、リファレンスクラス「SL-1000R」で搭載したノイズ除去回路を組み合わせた。これにより、さらに純度の高いアナログレコード再生を実現しているという。

ブラック

電源回路で発生するノイズをさらに低減するべく、スイッチング電源の後段にはSL-1000R同等のノイズ除去回路「Current Injection Active Noise Cancelling」を搭載しているのもポイント。

同回路はノイズ抽出器とトランジスタで構成され、検出されたノイズを抽出しトランジスタが逆相の電流を注入することでノイズをキャンセル。ローノイズスイッチング電源とノイズ除去回路の組み合わせにより、高い電流供給能力と低ノイズを両立したターンテーブルに最適な電源回路に仕上げた。

電源回路

安定した回転を実現する、シングルローター型コアレス・ダイレクトドライブ・モーターを引き続き搭載。ローター磁石の磁力を極限まで向上させ、コアレスステーターとローター磁石のギャップを最適化することで、コギングを排除しながら高いトルク性能を実現した。

安定した回転精度に加え、立ち上がり時間0.7秒(33 1/3回転)を実現。さらに磁気回路の効率を向上させるとともに、磁束漏れを防ぐローターヨークを設けることで、磁気によるカートリッジへの影響も排除した。

モーターの回転制御を行なう高性能マイコンを搭載した電気回路は、上記モーターとプラッターに合わせて専用にチューニング。正確で安定した動作制御だけでなく、33 1/3rpm、45rpmに加え、SP盤再生用の78rpmの回転数切り替えにも対応。±8%/±16%の範囲で回転速度を調整できるピッチコントロール機能も、デジタル制御による安定した速度調整が行なえる。

プラッターは約2・5kgのアルミニウムダイキャスト製で、背面全体に消音ゴムを塗布した2層構造。さらに、剛性を高めるための強化リブも追加。高い振動減衰特性を備えた。

筐体はバルクモールディングコンパウンド(BMC)とアルミダイキャスト部品を一体化した2層構造。インシュレーターは特殊シリコンラバー製。重量に合わせて専用にチューニングした。

トーンアームはスタティックバランス型で、質量が小さく剛性が高いアルミニウムパイプを採用。ジンバルサスペンション構造のトーンアーム軸受け部には、切削加工のハウジングを使用した高精度ベアリングを使用。なお、トーンアームは熟練した日本の職人の手で組み立て・調整しているという。

ケーブルの着脱が可能なフォノ端子を採用。金メッキ加工も施した。外形寸法は453×372×173mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約11.5kg。

ターンテーブルシート、ダストカバー、EPレコード用アダプター、バランスウェイト、補助ウェイト、シェル、オーバーハングゲージ、カートリッジ取付ねじ(1セット)、カートリッジスペーサー、フォノケーブル、アース線、電源コードを付属する。