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埼玉・滋賀県知事「いい加減にしてほしい」。映画「翔んで埼玉II」謝罪表敬会見
2023年10月20日 11:08
11月23日に全国公開される「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」では、相変わらずディスられている「埼玉」に加え、新たに「滋賀」へも飛び火している事から、埼玉・滋賀県知事への謝罪表敬会見が行なわれ、両知事が笑顔で「いい加減にしてほしい」とコメントした。
会見には壇ノ浦百美役の二階堂ふみ氏、下川信男役の加藤諒氏、武内英樹監督が登壇。埼玉県知事の大野元裕氏、滋賀県知事の三日月大造氏へ、本作での両県の描かれ方について、それぞれ“謝罪”するとともに、両県が温かく作品を見守り、県を挙げて盛り上げてくれていることに対し改めて感謝した。
会見には、埼玉県のマスコットキャラクターであるコバトンと滋賀県のマスコットキャラクターであるキャッフィーも駆けつけ、映画キャストから地方自治体の首長への感謝と謝罪を含む世にも珍しい会見を見届けた。
厳かな雰囲気が会場を包む中、イベント冒頭、武内監督の「また続編作ってしまって申し訳ありませんでした!」の声を合図に3人は頭を下げて大野埼玉県知事、埼玉県のマスコットキャラクターであるコバトンに謝罪。
続いて「巻き込んでしまって申し訳ございませんでした!」と三日月滋賀県知事、滋賀県のマスコットキャラクターであるキャッフィーへ謝罪。すると三日月知事からすかさず「なんで滋賀県に飛び火なんですか!」とツッコミが飛び出し会場は謝罪ムードから一気に笑いの渦に。
二階堂氏は「この度は本当に申し訳ないと言いますか...うまく言葉が出てこないのですが、両県知事ともに大変お忙しい中、こんな茶番に付き合ってくれてありがとうございます。そして申し訳ございませんでした。」と苦笑しつつも謝罪と感謝を述べた。
続けて加藤氏は謝罪会見ということで、どういう服装で来ればいいか悩んだことを明かし「やっぱり埼玉の恰好をしようと思って今日は顔に泥を塗ってきました! 楽しんで帰りたいなと思います!」という申し訳なさゼロの発言にMCからは「今日は謝罪会見なので、一応よろしくお願いいたします」という冷静なツッコミ。
作品を通して感じた埼玉と滋賀の印象について二階堂氏は「前作は大好評をいただき、『私埼玉出身なんです!』と声をかけられるようなになったんです」と嬉しそうに明かしつつ「勝手に私は埼玉の代表なんだと思ってます」と埼玉代表宣言も飛び出した。
滋賀については「今回、本当に飛び火してしまって本当に大丈夫なのだろうか? と不安でしたが、監督がこの作品を作ることが使命だ! とおっしゃっていたので...ついていこうと思いました!」と苦し紛れに釈明した。
静岡県出身の加藤氏は前作の大ヒットを受け、埼玉へ仕事に行くと「埼玉の伝道師」と呼ばれていることを明かし、「ああ、なんかもう僕は埼玉の人なんだ」と前作から変わらぬ埼玉愛をアピール。一方、滋賀については「今回作品を通して、ああ、滋賀もこんなにディスられているんだということに気づいて。しかもそのディスりの中に自分の眉毛に共通することもあったので...親近感がわきました! 眉毛は滋賀ってことで!」と車の滋賀ナンバーが“ゲジゲジナンバー”と揶揄されている事とかけつつ、三日月知事の鋭い目線を受けながらも釈明した。
前作に引き続き本作のメガホンをとった武内監督は「前作の大ヒットを受けて、関西の方からの“ディスってほしい”という声を多くいただきまして...。関西でこの話を作るにはどうすればいいんだろうと考えていた時に、どうやら滋賀が関西では埼玉的なポジションだということが分かり、滋賀のフィルムコミッションの人も『是非滋賀で! 滋賀はいくらでもディスって大丈夫ですから!』と熱烈なアピールを受けました」と制作秘話も飛び出し、三日月知事は「僕に相談もせず...」と渋い顔。
3人からの謝罪と釈明を受けた大野知事は「前作でもディスられて、二作目でさらにディスられて、さらに今日来てみたらなんと顔に泥を塗って埼玉ファッションと...ちょっといい加減にしてほしいな。と思う限りではあるんですが、でも今回も作品を見ているとやっぱりクスクス笑っちゃうんですね。しっかりと埼玉愛が感じられる映画に仕上げて頂いて感謝しています。」と寛大に謝罪を受け入れた。
三日月知事は「いや、埼玉はいいけどなんで滋賀県まで巻き込むねん! というのが最初の印象でしたが、事前に作品を拝見させていただくと、琵琶湖に対する愛とか、とびだしとび太の活躍、滋賀県民のやさしさなど色んな所に“滋賀愛”があふれていたので僕もこの映画を通じて滋賀県に対する誇りと愛情が湧けばいいなと思い、今後も応援していきます!」と作品の魅力を一押し。
無事に両県からのお墨付きも獲得できた3人。最後に二階堂氏は「この映画は地域分断や人と人との対立を、引いてみてみるとこんなにもバカバカしいんだなと思えると同時に、それぞれのルーツに関する思いや、人と人との交わりの大切さ、平和への思いを描いた作品なので、また多くの方々に見て頂き、楽しく笑顔になって頂けたらと思います」と大ヒットを祈願し、会場からは大きな拍手が贈られた。