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シャープ、国内初の最新世代QD-OLED「GS1」。AIおまかせで画音キレイ
2024年5月17日 11:00
シャープは、最新世代の量子ドット有機ELパネル(QD-OLED)を搭載したAQUOS「GS1」や高輝度有機ELパネルを搭載した「GQ1」など、合計3シリーズ・7機種の4K有機ELテレビを6月15日より順次発売する。最新世代のQD-OLEDパネルを採用したモデルは、国内メーカーでは初めて。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は27.5万円前後(42型)から。
AQUOS QD-OLED「GS1」シリーズ 6月15日発売
・65型「4T-C65GS1」 60.5万円前後
・55型「4T-C55GS1」 44万円前後
AQUOS OLED「GQ1」シリーズ 6月22日発売
・77型「4T-C77GQ1」 80.3万円前後
・65型「4T-C65GQ1」 47.3万円前後
・55型「4T-C55GQ1」 36.3万円前後
AQUOS OLED「GQ2」シリーズ 6月22日発売
・48型「4T-C48GQ2」 28.6万円前後
・42型「4T-C42GQ2」 27.5万円前後
2023年発売の「FS1」「FQ1」シリーズ、および2022年発売の小型「EQ2」シリーズの後継機種。
注目は、最上位の「GS1」。サムスンディスプレイが展開する量子ドット有機ELパネルの2024年バージョンと、シャープ独自の放熱構造・発光制御アルゴリズムを組み合わせることで鮮明な色彩表現とさらなる高輝度化を実現。さらにAIエンジンの進化で、オート画質・音質に磨きをかけている。
なお、同時発表のミニLED液晶「GP1/GP2」やスタンダード液晶「GN1/GN2」に関する情報は、別記事を参照のこと。
国内メーカー初の最新世代QD-OLED搭載「GS1」
'24年モデルのGS1/GQ1/GQ2シリーズは、すべて4K/3,840×2,160ピクセルの有機ELパネルを搭載。最大144Hzの高リフレッシュレート表示も行なえる。
GS1シリーズでは、最新世代の量子ドット有機ELパネルを採用。有機ELの青色光を量子ドット層で純度の高いRGBに変換することで、繊細な色まで忠実かつ鮮烈に表現する。
シャープ独自の放熱構造を導入しているのも、GS1の特徴。「クールダウンシールドII」では、炭素製シートとアルミ製プレートの2層構造で、発光の妨げとなる熱上昇を抑制。
さらに「クライマックスドライブ2.0」が発光量を画素単位で緻密に制御。有機EL発光層の状態や温度分布に加え、パネル特性に関するシャープ独自のデータベースを活用することで、パネルの発光性能を最大化。ピーク輝度を'23年モデル比で約15%向上させた。「眩いばかりの輝きと漆黒の表現力でリアルな映像美を実現する」という。
GQ1シリーズには、高輝度なS-Brightパネルを使用。これは輝度性能に優れた有機EL素子と、発光に伴う発熱を効率的に抑える放熱構造を組み合わせたパネルで、明るい部屋でも明暗豊かな映像が楽しめるようになっている。
画像処理エンジンは、第5世代AIプロセッサー「Medalist S5X」(GS1)と、「Medalist S5」(GQ1/GQ2)へと進化した。
このエンジン性能の向上に合わせ、視聴モード「AIオート」も進化。人の顔や空などのオブジェクト情報と、放送ジャンル情報を利用して、色彩や明暗・精細感を自動調整していた従来機能を継承しつつ、新たに「AI超解像」と「アニメ・ネットクリア」機能をアドオン。
AI超解像では、これまでは素材に対して一律にアップコンしていた処理を、AIがオブジェクトを判別しながら最適に精細感を高める高精度な処理へと変更。そして、アニメ素材やネット動画コンテンツを再生したときに現れやすいバンディングノイズをこれまで以上に滑らかに補正することで、一段とスッキリした映像を楽しめるようにした。
音声面でもAI解析を積極的に活用。リアルタイムに音声を分析することで、例えば音楽番組内のトークシーンや演奏・歌唱シーン、スポーツ番組の競技中や競技の合間のトークシーンなどを細かく判別。シーンに最適な音声モードを適用できるよう、精度が向上した。
なお、視聴環境に合わせて映像を切り替える「環境センシング」では、外光や照明の明るさだけでなく、色温度も判別できるように進化している。
対応するHDRは、HDR10、HLG、Dolby Visionで、今回初めてDolby Vision IQもサポートした。
3シリーズすべてに“ハイトスピーカー”搭載「ARSS+」
2023年までは大型のハイエンドモデルにしか搭載していなかった、独自システム「ARSS+(AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS)」を3シリーズ・7機種に採用。
GS1シリーズには、クリアでパワフルな音を実現する「パワーボイススピーカー」を搭載し、11ユニット・100Wの高出力を実現。ハイトスピーカーを保護する金属製パンチングユニットの開口率を上げ(丸型→ハニカム型)、よりクリアで拡がり感のある音を目指している。
構成は、GS1がツイーター×2、ミッドレンジ×4、サブウーファー×1、ハイトツイーター×2、ハイトミッドレンジ×2の100W。GQ1がツイーター×2、ミッドレンジ×4、サブウーファー×1、ハイトツイーター×2、ハイトミッドレンジ×2の80W。
48型のGQ2がツイーター×2、ミッドレンジ×4、サブウーファー×1、ハイトツイーター×2の80W。42型のGQ2がツイーター×2、ミッドレンジ×2、ハイトツイーター×2の50W出力。
様々なアプリやサービスが楽しめる「Google TV」を引き続き採用。登録中のサブスクサービスの映画や番組を横断的に集約。厳選のおすすめを再生したり、1万以上のアプリから番組を見つけたり、無料チャンネルの閲覧が可能。パーソナライズされたプロフィールで、家族全員が自分好みの視聴体験を楽しめる。
音声操作もサポート。リモコンのGoogleアシスタントボタンから「OK Google」と話しかければ、アプリの起動から映画の検索や音楽再生、テレビの基本操作まで音声で操作する事ができる。
搭載チューナーは、BS/CS 4K×2基と、地上/BS/110度CS×2基。別売りの外付けUSB HDDを接続することで、4K放送視聴中に別の4K放送と地上/BS/CSデジタル放送の裏番組録画ができる。
自動でチャプターを記録する「おまかせオートチャプター」にも対応。文字が読みやすい高精細表示と番組や出演者の情報を画像つきで分かりやすく表示する「4K番組表」もサポートする。
おかえりなさい「2画面機能」。ズーム搭載で大小自由自在
スマートテレビ化に合わせて一時無くなっていた“2画面機能”が、「ズーム2画面」機能としてリニューアル。放送と放送、放送とHDMIの組み合わせで、2つの異なる画面を左右同時に表示できるようになった。
また大小9通りの画面サイズの組み合わせが可能で、大きさを変えながらの視聴や、どちらの映像の音を出力するかの選択も行なえる。なお、4K放送同士であったり、HDMI入力信号によっては2画面表示できない場合もある。
HDMI入力は4系統。うち2系統で、4K144Hz VRR信号をサポート。最新PC・ゲームのHFR映像も滑らかに表示できるようになったほか、ゲーム専用メニュー、AMD FreeSync Premium対応も実現。引き続き、HDMI 2.1規格のALLM、eARCにも対応する。無線LANは新規格Wi-Fi 6Eに対応している。
スタンドを含めた外形寸法(幅×奥行き×高さ)と重量は以下の通り。
- GS1シリーズ
65型「4T-C65GS1」 144.4×30.4×89.4cm 約39.5kg
55型「4T-C55GS1」 122.5×30.4×77cm 約31kg - GQ1シリーズ
77型「4T-C77GQ1」 172.3×33×105.1cm 約45.5kg
65型「4T-C65GQ1」 144.8×28.1×89.6cm 約35.5kg
55型「4T-C55GQ1」 122.7×28.1×77.1cm 約28kg - GQ2シリーズ
48型「4T-C48GQ2」 106.9×23.8×68.1cm 約19.5kg
42型「4T-C42GQ2」 93.3×23.8×60.3cm 約17.5kg