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シャープ、輝き2倍になった最新世代QD-OLED。空間認識AIで明暗クッキリ
2025年5月14日 11:00
シャープは、最新世代の量子ドット有機ELパネルを搭載したAQUOS QD-OLED「HS1」など、全3シリーズ・8機種の4K有機ELテレビを5月31日より発売する。ラインナップと価格は以下の通り。
AQUOS QD-OLED「HS1」シリーズ 5月31日発売
・65型「4T-C65HS1」 60.5万円前後
・55型「4T-C55HS1」 44万円前後
AQUOS OLED「HQ1」シリーズ 6月21日発売
・65型「4T-C65HQ1」 44万円前後
・55型「4T-C55HQ1」 35.2万円前後
AQUOS OLED「HQ2」シリーズ 6月21日発売
・65型「4T-C65HQ2」 38.5万円前後
・55型「4T-C55HQ2」 28.6万円前後
・48型「4T-C48HQ2」 25.3万円前後
・42型「4T-C42HQ2」 24.2万円前後
2024年発売の4K有機ELテレビ「GS1」「GQ1」「GQ2」シリーズの後継。最新世代のパネルやアップデートされた信号エンジンで、明るく、奥行きのある映像を追求。また、新プロセッサーによる高画質化だけでなく、気象情報などのテロップをカットするユニークな機能も新搭載している。
3シリーズの主な違いは、搭載している有機ELパネルやスピーカーシステム、ハンズフリー対応の有無など。そのほかの基本機能や仕様は共通。
なお、同時発表の量子ドット×ミニLEDテレビ「AQUOS XLED」については、別記事を参照のこと。
最新世代のQD-OLEDパネルを搭載。輝き2倍に
HS1/HQ1/HQ2シリーズは、すべて4K/3,840×2,160ピクセルの有機ELパネルを搭載。最大144Hzの高リフレッシュレート表示も行なえる(HQ2のみ最大120Hz)。
フラッグシップHS1には、量子ドット有機ELパネルを搭載。有機ELの青色光を純度の高い3原色に変換する量子ドット技術により、色鮮やかな映像を作り出せる。
最新世代パネルでは、新しい発光素子を使うことで発光ロスを抑制。このパネルをシャープ独自の放熱構造「クールダウンシールドII」と、駆動回路「クライマックスドライブ3.0」を使い、セルの発光性能を最大化。前モデル比で約2倍のピーク輝度を実現した。
担当者によれば「最新世代のQD-OLEDは、有機ELの発光素材であったり、組み合わせや構造を見直すことでパネルそのものの発光効率が改善されている。我々は'23年からQD-OLEDを採用してきたが、パネルの使いこなし・特性といったノウハウも蓄積している。今回は発光量をより緻密に制御できるように駆動回路をアップデートさせ、ピーク輝度の倍化を可能にした」という。
HQ1シリーズには、高輝度なS-Brightパネルを使用。これは輝度性能に優れた有機EL素子と、発光に伴う発熱を効率的に抑える放熱構造を組み合わせたパネルで、明るい部屋でも明暗豊かな映像が楽しめるようになっている。
前後関係をAIが認識して奥行きを復元する「空間認識AI」
画像処理エンジンは、第6世代AIプロセッサー「Medalist S6X」(HS1)と、「Medalist S6」(HQ1/HQ2)へと進化。新たに「空間認識AI」機能が追加された。
空間認識AIは、各被写体の前後関係を認識し、明暗と精細感を自動補正する機能。具体的には、AIが近くの被写体と認識した場合はその被写体のコントラストを上げ、逆に遠くにあると認識した風景や建物などは精細化処理をせずに、奥行き感を作り出すという。
コンテンツに応じて音の広がりや聞きやすさを自動で整える音質モード「AIオート」も強化。USB HDDに録画した1.5倍・2倍速再生時でも、人の声がクリアに聞こえるよう自動調整させるようになった。
2025年モデルから追加された新機能
2025年モデルで加わった、ユニークな機能が「L字カット機能」。これは、録画した番組に、災害情報や気象情報を表示するテロップが表示されている場合に番組部分だけをトリミングするもの。
放送局により、L字の場所やテロップの幅が異なるが、L字カットでは4パターンのL字と幅変更に対応。「L字カットを使えば、推しの俳優が出ているドラマなども、より集中して楽しめる」という。なお、同機能はリアルタイムの放送中は適用不可。録画した番組の再生時のみ利用できる。
去年復活した「2画面機能」もアップデート。従来の2画面は「放送×放送」「放送×外部入力」に限られていたが、新モデルでは「録画番組」も組み合わせ可能になった。またサブ画面の字幕表示にも対応した。
リモコンのツールボタン長押しで呼び出せるゲームメニュー画面に「リサイズ」を追加。画面上の表示サイズを25~70%の間の10段階から好みのサイズに変更できるようになった。また縮小した画面を左上や右下など、全9ポジションに移動可能。映り込みの少ない部分に画面を移してゲームを楽しむことができるという。
COCORO VISIONの新アプリとして、かんたんに視力チェックが行なえる「めめログ」も追加される。「多くの場合、目は悪くなってから『視力が落ちた』と気が付くパターンが多い。手軽に子どもの視力をチェックできる用途を想定し開発した」という。なお、今後は旧モデルにも「めめログ」が利用できる、前向きに準備を進めているという。
リモコンの電池寿命が約2倍に。地デジの2番組同時録画が復活
音響システムは、HS1・HQ1シリーズがハイトスピーカーを搭載する「ARSS+(AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS)」で、HQ2シリーズが独自のリフレクター構造「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」を搭載する。構成は、HS1が11ユニットで100W。HQ1が11ユニットで80W(55型は9ユニット)。HQ2が6ユニットで50W(42型のみ4ユニットで40W)。
様々なアプリやサービスが楽しめる「Google TV」を引き続き採用。登録中のサブスクサービスの映画や番組を横断的に集約。厳選のおすすめを再生したり、1万以上のアプリから番組を見つけたり、無料チャンネルの閲覧が可能。パーソナライズされたプロフィールで、家族全員が自分好みの視聴体験を楽しめる。
音声操作もサポート。リモコンのGoogleアシスタントボタンから「OK Google」と話しかければ、アプリの起動から映画の検索や音楽再生、テレビの基本操作まで音声で操作する事ができる。
電池長持ちリモコンを新採用。一部操作のみ無線化していた従来モデルに比べて、オール無線化したことで電池寿命が約2倍になったという。
搭載チューナーは、BS/CS 4K×2基と、地上/BS/110度CS×3基。別売りの外付けUSB HDDを接続することで、4K放送視聴中に別の4K放送と地上/BS/CSデジタル放送の裏番組録画が可能。昨年地デジチューナー数が削減されたが、新モデルは3基に復活。再び2番組同時録画が可能になっている。
スタンドを含めた外形寸法、重量は以下の通り。
AQUOS QD-OLED「HS1」シリーズ
・65型「4T-C65HS1」 144.4×28.1×89.4cm 約39kg
・55型「4T-C55HS1」 122.5×25.8×76.8cm 約29kg
AQUOS OLED「HQ1」シリーズ
・65型「4T-C65HQ1」 144.8×28.1×89.6cm 約35.5kg
・55型「4T-C55HQ1」 122.7×25.8×77.0cm 約25kg
AQUOS OLED「HQ2」シリーズ
・65型「4T-C65HQ2」 144.8×28.1×89.6cm 約32.5kg
・55型「4T-C55HQ2」 122.7×25.8×77.0cm 約23.5kg
・48型「4T-C48HQ2」 106.9×23.8×68.1cm 約18.5kg
・42型「4T-C42HQ2」 93.3×23.8×60.3cm 約17kg