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シャープ、AI×センシングで画音自動調整する有機ELアクオス

65型4K有機EL「4T-C65FQ1」

シャープは、AIとセンシング技術を使って映像と音声を自動で調整する4K有機ELアクオス「FQ1」シリーズを8月5日より発売する。サイズは65型(4T-C65FQ1)と、55型(4T-C55FQ1)。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は65型が47.3万円前後、55型が33万円前後。

なお、同時発表されたシャープ初のQD-OLEDパネル搭載モデル「FS1」シリーズは、別記事を参照のこと。

FQ1シリーズ

FQ1は、'22年発売「EQ1/EQ2」シリーズの後継機。

新シリーズでは、映像エンジンが最新世代「Medalist S4」になったことで、映像に加えて“音質”も自動で調整する「AIオート」モードへと進化。さらに、'22年発売の上位機種「ES1」シリーズのみ搭載していた放熱&駆動技術「S-Brightパネル」が初めてミドルシリーズにも搭載されている。

55型4K有機EL「4T-C55FQ1」

4K/3,840×2,160ドットの4K有機ELパネルを採用。最大120Hzの倍速駆動にも対応し、HDRはHDR10、HLG、Dolby Visionの3方式をサポートする。

画質面での進化点は、前述したS-Brightパネルの新採用。同パネルは、従来の放熱板ではなく、高効率の放熱構造を採り入れた独自のクールダウンシールドによって発光性能を高めたもの。

さらに、独自のパネル制御「スパークリングドライブEX」回路を新搭載。被写体が本来持つ輝きを再現する「輝き復元」処理を組み合わせることで、漆黒の夜空にきらめく花火や星々をリアリティあふれる美しい映像を表示できるようにした。

映像エンジンは、AIプロセッサー搭載の「Medalist S4」。

'22年モデルでは、100万通り以上の映像を学習したAIによる、オブジェクト情報を検出と放送ジャンル情報による自動調整「AIオート」モードが“映像”のみの適用だったが、FQ1では“音声”にも対応。ニュースやドラマであれば、セリフがより聞き取りやすくなるほか、スポーツでは臨場感を高めるサウンドへ自動で調整してくれるようになった。

また、部屋の明るさと人の視覚特性を考慮して、映像を調整する「環境センシング」機能も搭載。明るい部屋では、見えにくい暗部の階調レベルを上げ、輝度のダイナミックレンジを拡大。逆に、暗い部屋では、暗部階調を滑らかに調整し、質感を重視した自然な映像へ最適化してくれる。

ハイビジョン映像を高精細化する「4K超解像アップコンバート」、映像信号に含まれる被写体の動きや輪郭、質感などをリアルタイムで解析し、被写体が本来持っている精細感やコントラスト、色合いの情報を復元する「オブジェクト プロファイリング」、ネット動画のノイズを抑制する「ネット動画クリア補正」、広色域化技術の「リッチカラーテクノロジー」などの映像技術も引き続き搭載している。

サウンドシステムは、計11ユニットから構成される独自の「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」(ユニット数は上位FS1と同じ)。

画面下部に加えて、背面上部にハイトスピーカー(ツイーター+ミッドレンジ)を搭載することで、映像と音声の一体感を生成。さらに、ハイトスピーカーを20度前に傾斜させることで、クリアな音質と立体音響を同時に実現。Dolby Atmosとの相乗効果で、包み込まれるような音響体験が楽しめるという。

55型・65型共に、ツイーター×2、ミッドレンジ×4、サブウーファー×1、ハイトツイーター×2、ハイトミッドレンジ×2で、実用最大出力は70W。

様々なアプリやサービスが楽しめるGoogle TVを採用。リモコンのGoogleアシスタントボタンから「OK Google」と話しかければ、アプリの起動から映画の検索や音楽再生、テレビの基本操作まで音声で操作する事ができる。

リモコンには、「Netflix」「Amazon Prime Video」「U-NEXT」「Hulu」「ABEMA」「FOD」「Net-Vision」「TVer」「YouTube」「Disney+」など、全10個の動画サービスダイレクトボタンを搭載する。

リモコン

別売の外付けUSBカメラを用意すれば、ビデオ通話ができる「Google Meet」アプリをサポート。シャープオリジナルのアプリ「リビングカメラ」では、カメラ映像の上にYouTube映像も同時表示できる。

2023年の4K液晶アクオスにも新採用された、ヘルスケア関連アプリ「AQUOSヘルスビューアー」にも対応。スマートウォッチや体重計、血圧計などの「Google Fit」対応機器と連携することで、各機器が測定した歩数や心拍数、体重、血圧といった日々の変化をグラフィカルにアクオスに表示。状態を可視化する事で、日々の健康管理をサポートしてくれる。

アプリ「AQUOSスクリーンタイム」も新搭載。放送や動画配信アプリなどの視聴時間をグラフで表示。グラフは単日表示と週間表示が選択可能。過去の視聴時間と比較しながら、変化を確認できる。

AQUOSヘルスビューアー
AQUOSスクリーンタイム

搭載チューナーは、BS/CS 4K×2基と、地上/BS/110度CS×3基。別売りの外付けUSB HDDを接続することで、4K放送視聴中に別の4K放送と地上/BS/CSデジタル放送の2番組同時録画ができる。自動でチャプターを記録する「おまかせオートチャプター」にも対応。

HDMI入力は4系統で、4K120Hz入力時の4K×2Kフル解像度表示(SDRのみ)やVRR、ALLM、eARC/ARCに対応。ほかにも、3.5mmミニジャックのAV入力、光デジタル音声出力、ヘッドフォン/アナログ音声出力を用意。USB端子は3系統で、録画用×1とメモリー用×2。LAN端子は10BASE-T/100BASE-TX。無線LANはWi-Fi 6に対応する。

左右計30度回転のスイーベルスタンドを採用。意図しない回転を抑制できる回転ロック機構も備える。さらに背面部のケーブル類をまとめることができるケーブルマネジメント機構を搭載。電源ケーブルやHDMIケーブルなどを正面から見えないように配線できるようにした。

消費電力は、65型が約510W、55型が約408W。年間消費電力は、65型が229kWh/年、55型が180kWh/年。

スタンドを含めた外形寸法/重量は、65型が144.8×28.1×89.6cm(幅×奥行き×高さ)/約35.5kg、55型が122.7×28.1×77.1cm(同)/約28kg。