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キヤノン、6KフルサイズでRFマウントのシネマカメラ「EOS C400」

「EOS C400」にシネマレンズ「CN7×17 KAS T/R1」を組み合わせたところ

キヤノンは、6Kフルサイズセンサーを搭載したRFマウントのデジタルシネマカメラ「EOS C400」を、9月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は137万円前後。

そのほか、シリーズで初めてRFマウントを採用したシネマレンズ「CN7×17 KAS T/R1」やPLマウントの「CN7×17 KAS T/P1」、35mm単焦点のRFレンズ「RF35mm F1.4 L VCM」、エントリーユーザー向け外部ストロボ「EL-10」なども発表した。

発売日はシネマレンズが10月上旬、35mm単焦点レンズが7月上旬、外部ストロボが6月28日。いずれも価格はオープンプライスで、店頭予想価格は以下のとおり。

  • CN7×17 KAS T/R1 P1 385万円前後
  • RF35mm F1.4 V VCM 253,000円前後
  • EL-10 43,450円前後

EOS C400

2019年発売の「EOS C500 Mark II」や2020年発売の「E0S C300 Mark III」の基本機能を継承・進化させながら、RFマウントを採用したデジタルシネマカメラ。

CINEMA EOS SYSTEMの上位モデルとして初めてRFマウントを採用。同マウントの通信プロトコルに対応し、倍率色収差補正・周辺光量補正・デュアルピクセルフォーカスガイド・歪曲収差補正がカメラ側で行なえる。

6Kフルサイズの裏面照射積層CMOSセンサーをCINEMA EOS SYSTEMとして初搭載し、映像エンジン「DIGIC DV 7」との連携で高画質を実現。Cinema RAW Lightにより、CFexpressカードに6K/60p 12bit RAW内部記録が可能。4K/2K動画撮影時は、6Kオーバーサンプリングによる4:2:2 10-bit 高画質記録ができる。総画素数は約2,670万画素、有効画素数は最大約1,920万画素。

Base ISOの自動切替に加え、低感度から高感度まで3段階(ISO800、3200、12800)のBase ISOマニュアル切り替えもでき、撮影シーンに応じて使い分けることで、ノイズを抑えた撮影ができる。

デュアルピクセルCMOS AF IIも採用。最大約100×100%の画面全域測距が可能になり、画面の隅に被写体を配置する構図でも高精度、スピーディーにAFを実行できる。検出被写体対象も胴体(人物)や動物(犬、猫)に対応した。

バーチャルプロダクションにも対応。RFマウントシステムの高速通信により、レンズとカメラの撮影情報をリアルタイムに通信・演算。その出力情報に応じたメタデータをイーサネットケーブル1本で取り出すことができ、CGとの境目にズレのない自然な映像を制作できる。

ジンバル「DJI RS3 PRO」に載せたところ

筐体はジンバルやドローン、リグに載せやすいボックス型で、多様な撮影シーンに対応。EOS C5000 Mark IIから小型化したほか、重さは約200g軽量になっている。外形寸法は約142×135×135mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約1,540g。

コンパクトボディながら、イーサネット端子やWi-Fi、GENLOCK/SYNC/リターン端子、HDMI端子などを装備しており、C400 1台で映像制作やライブ制作の本格的な運用ができる。CFexpressカードとSDカードのデュアルスロット。

モニターの角度や距離を見やすく調整できるLCDアタッチメントユニットやマルチアクセサリーシューを搭載したハンドルユニットなどが同梱される。

CN7×17 KAS T/R1 P1

フルサーボの「CINE-SERVO」シネマレンズとしては初めてのRFマウント採用モデル。大口径非球面レンズや異常分散ガラスの採用、キヤノンの光学技術を結集しズーム全域で8Kカメラ対応の光学性能を実現している。広角17mmから望遠120mmまでの汎用性の高い焦点距離と大口径比T2.95を両立した。

RFマウントを採用したことで、カメラとレンズの通信性が向上し、レンズのメタデータを瞬時にカメラ側に伝達でき、対応カメラでは動画撮影時に、レンズ特性に合わせた歪曲収差補正が可能。バーチャルプロダクションに必要なレンズ情報も新規に搭載することで、CINEMA EOS SYSTEMで、対象シネマカメラとシネマレンズの組合せで、リアルタイム及びポスプロでのCG合成処理を高精度に実現できるという。

放送用ポータブルズームレンズ「CJ27ex7.3B」に搭載されている最新のドライブユニット「e-Xs V」をCINE-SERVOレンズで初採用。フォーカスブリージング補正の搭載やサーボ制御性能の向上することで、これまで以上に幅広い撮影現場にて高品位な映像の撮影が可能という。

RF35mm F1.4 L VCM

2015年発売のEFマウント「EF35mm F1.4L II USM」と同等以上の高画質と小型軽量、より速く静かなAFを実現したという単焦点レンズ。RFレンズとしては初となる開放値F1.4の大口径レンズでもある。

EOS R6 Mark IIに装着したところ

大口径で重いフォーカスレンズユニットを高速でスムーズ、かつ静かに動かすべく、新たにVCM(ボイスコイルモーター)をRF/EFレンズで初採用。フローティングレンズの駆動にはナノUSMを採用したVCM+ナノUSMによる電子式フローティングフォーカス制御を採用した。同制御を採用したことで動画撮影時のフォーカスブリージングも抑制できたという。

そのほか、動画撮影時に絞りをコントロールできるアイリスリングを搭載するなど、動画撮影機能が強化されている。

なお、キヤノンは今後、筐体サイズや重心バランス、口径、リング配置、描写(ルック)を統一した映像制作向けの単焦点レンズシリーズを今後拡充していく方針も明かしている。

EL-10

同社製外部ストロボ「430EX」シリーズの後継機種。マルチアクセサリーシューに対応し、最大ガイドナンバーは40。発売済みのスピードライト「EL-1」や「EL-5」とは異なり、バッテリーではなく単3形乾電池×4本で駆動する。

単3形乾電池4本で駆動する
EOS R8と組み合わせたところ