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ティアック、OCXO採用マスタークロックジェネレータに「X」エディション
2024年7月24日 17:30
ティアックは、Referenceシリーズのマスタークロックジェネレーター「CG-10M-X」を、7月27日に発売する。ブラックとシルバーの2色展開で、価格は242,000円。
USB-DACやネットワークプレーヤー、CDプレーヤーなど、あらゆる10MHzクロック入力対応製品の性能を最大限に引き出し、音質を向上させるというマスタークロックジェネレーター。2017年10月発売の「CG-10M」から、さらなる高音質を追求した「X」エディションとなる。
心臓部にあたる水晶発振器には、恒温槽を備えた発振安定度が高いOCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)を採用した。水晶発振子は温度変化の影響による周波数変動が発生するため、温度変化を限りなくゼロにすることが発振精度の安定化につながる。OCXOは、水晶発振子の温度を一定に保つための恒温槽を持つ構造のため、温度変化による発振周波数の変動が限りなくゼロになることで発振が安定化し、常に精度の高いクロック信号を発生させることが可能だという。
CG-10M-Xに搭載されるOCXOは、温度変化による周波数の変動(周波数温度特性)が±3ppb以内、水晶発振子そのものの性能を表す周波数精度が±0.1ppm以内という高スペックを実現。常時リスニングに使用されるマスタークロックジェネレーターに最適な性能をめざし、周波数温度特性だけではなく、周波数経年変化や位相ノイズ特性にも優れているものを採用したとのこと。OCXOのケース上面には厳重に検査管理されていることを証明する「TEAC Reference OCXO」の表示と、個別のシリアルナンバーがレーザー刻印される。
筐体前面にはシンプルなデザインのOVEN STATUSアナログメーターを備え、水晶発振器OCXO内部の発振安定状態を常時表示。一般的には確認できないOCXO内部の安定状態を表示することで安心して使えるという。周辺オーディオ機器との照度とマッチできるよう、メーター照度調節機能も備えた。
なお、電源を入れて約2分程度でほぼ安定状態になるものの、完全に安定するまでは10分以上を要するといい、音質的な面から10分以上経過してからの使用を推奨するとのこと。
複数の機器にクロック信号を供給することができるよう、金メッキされたBNC端子(50Ω)を4系統装備。USB DACやネットワークプレーヤー、デジタルディスクプレーヤー/トランスポートなど、10MHzクロック入力対応機器を並列に最大4台まで接続できる。
系統ごとに、電源部からバッファーアンプ、出力端子に至るまでを完全独立した回路構成としており、外部に複数台接続したときの相互干渉を極力排除。系統ごとの回路にバッファーアンプを設けることで、生成したクロック信号を4つに分配する際、各出力端子での信号波形の乱れを生じることなく、高精度な10MHzクロック信号を全BNC端子から出力する。Xエディションでは、バッファーアンプ回路、電源回路などの細部をリファインし、さらなる高音質も追求した。
つねに安定した電流を供給する大容量のトロイダルコア電源トランスを採用する。安定動作が重要なクロックの発生、高精度クロックの出力に寄与している。
アルミニウム製トップパネルは、新たにセミフローティング構造を採用。ネジでシャーシを締め付けず、サイドパネルのみで挟み込んだ半固定状態にすることで、開放感に優れた音を実現した。「ネジの無いクリーンな天面の造形により、組み合わせるハイエンド・デジタルプレーヤーとも美しく調和する」という。
床面のわずかな歪みにも影響されず、安定した設置ができるオリジナル3点支持フット「Stressless Foot」も新たに採用した。従来型とは違い、「フットをシャーシに固定せず、半固定状態にして自由に振動させることで、より自然な音の響きを得る」というコンセプトに基づいて開発されている。
削り出しのスチール製フットは、底面にぶら下がる状態で装着されており、従来型のピンポイントスパイクフットのような定位感がありながら、より自然で豊かな響きを実現している。
消費電力はウォームアップ時15.6W、安定時8.5W。外形寸法は突起部を含めて290×248.7×84.5mm(幅×奥行き×高さ)、重さは3.6kg。電源コードやフット用クッション×3などが付属する。