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Brise Audioの卓上ヘッドフォンアンプ試作機。Audezeから新ヘッドフォン3機種
2024年11月2日 17:30
フジヤエービック主催「秋のヘッドフォン祭 2024」が、東京駅八重洲口直結の「ステーションコンファレンス東京」5F/6Fで開催。入場料無料。ここでは、Brise Audioや完実電気などのブースをレポートする。
Brise Audio
試作中の卓上ヘッドフォンアンプ試作品を出展。音を聴くこともできる。卓上に置ける筐体サイズで、バランス入出力を搭載した純粋なアナログのヘッドフォンアンプ。背面にプリ出力を備えており、プリアンプとして使うこともできる。
内部に、TSURANAGIやFUGAKUで実績のある電子ボリュームを採用しているのが特徴。この電子ボリュームの位置を読み取るために、マイコンを搭載しているが、音質を追求するために、このマイコンをOFFにするスイッチを搭載予定。当然、OFFにするとボリュームが変えられなくなるが、音質はかなり向上するとのこと。つまり、目的のボリュームまで回したら、マイコンをOFFにして、ボリュームを調整したい時はマイコンをONにしてからボリュームを回すという使い方になる。
なお、第一段階の試作のため、外観や機能・音質は今後も変わっていく見込み。
OROCHI Ultimateは、12月初旬に発売予定の新ハイエンドイヤフォンケーブル。オリジナル高機能・高純度銅線材を使用し、過去最大級の導体量を誇るイヤフォンとなっており、YATONOと比べても導体量をさらに強化。特殊な絶縁素材も投入し、音質最優先の設計で「量感と迫力のある音質が特徴」という。価格は33万円。
線材は、超弩級コンセプトモデルであるMURAKUMO2 for IEMで採用の線材で、初めて市販モデルに採用。導体構造はYATONO同様の高機能・高純度銅を採用。純度にこだわるだけではなく、結晶構造にも配慮した特殊な銅母材から約200本の素線を紡ぎだし、それらを効果的に編み合わせた線材となる。
なお、音質最優先の設計なためケーブルが太く固いので、YATONOと比べて取り回しは良くないとのこと。「その代わりに音楽を支える土台の低域の量感があり、その上に素直に展開する中高域の高い透明感が特徴。力感に富み、厚みのある音場展開でスケール感の大きく、情報量の多いソースにて進化を発揮する傾向がある」という。
完実電気
完実電気ブースでは、Audezeの新ヘッドフォン3モデルが参考出展されている。いずれも12月発売予定。
「LCD-2」(オープンプライス/店頭予想価格180,000円前後)は、リスニング向けモデルのベーシックライン。ハウジングを囲むリングの素材を剛性に優れたPADAUK材になり、再登場した。
LCD-X/LCD-XC2021、MMシリーズといったミキサー、エンジニアがスタジオで仕事をするために開発された「Professional」ラインとは異なり、音楽を楽しむために開発設計されたという。
「LCD-3」(オープンプライス/店頭予想価格350,000円前後)は、リスニング向けベーシックラインのミッドハイモデル。ロングセラーモデルでもあり、光沢仕上げ美しいゼブラウッド仕上げのリングが特徴。他のLCDシリー ズよりボイスコイルが長く、リスニング向けモデルとして開発設計されているが、表現力とレスポンスの良さが両立する独特のサウンドを好むエンジニアも多く、ジョージ・メッセンバーグもリファレンスに使っているという。
「CRBN2」は、フラッグシップの静電型ヘッドフォン「CRBN」の第2世代。新開発されたテクノロジー「SLAM」により、「静電型ヘッドフォンの常識を覆す圧倒的な低音再現を実現」したという。医療技術から転用されたカーボンナノチューブ静電ドライバーも第2世代となり、音の細部をさらに忠実に表現するとのこと。
Meze Audioブースで参考出展のヘッドフォンは「105AER」。既発売でウッドハウジングを採用した「109 PRO」をベースとしているが、ドライバーや筐体素材のコストを下げるなどして、価格を抑えたモデルとして登場予定。
フォステクスのブースでは、2015年に発売し、2017年に販売を終了した超弩級真空管ヘッドフォンアンプ「HP-V8」の仕様をそのままに、残存している貴重な部品を再集結し、生産したものを展示している。生産できたのは2台のみで、価格は330万円となる。
ミックスウェーブ
64 Audioの新イヤフォン「Solo」は、11月中旬から下旬の発売予定。オープンプライスで、国内予想価格は234,800円前後。14.2mmのプラナーマグネティック型ドライバーをシングルで搭載する。
9月に発売したCampfire Audioの「Astrolith」も試聴できる。オープンプライスで、実売は315,000円前後。
中低域用に14.2mmのプラナーマグネティックドライバー、高域用に6mmのプラナーマグネティックドライバーを組み合わせた、オールプラナーマグネティックドライバーのイヤフォン。
HiBy Musicからは、デスクトップヘッドフォンアンプ「FD 5」が登場。11月中旬から下旬の発売予定で、オープンプライス。店頭予想価格は82,000円前後。DACチップはAKM4493を4基搭載。DSD512、PCM 768kHz/32bitまでに対応する。
Beat Audio「Pink Freesia」は、年内発売予定。オープンプライスで、店頭予想価格は26,900円前後。180本限定販売予定で、端子はMMCX、Custom 2pinに対応する。
Bowers & Wilkins
Bowers & Wilkinsのブースでは、完全ワイヤレスイヤフォン、ワイヤレスヘッドフォンの現行の全モデル、全色を出展。TWSの新製品である「Pi8」や「Pi6」を聴くこともできる。
オーディオテクニカ
オーディオテクニカブースの目玉は、発売されたばかりのエアーダイナミックヘッドフォン「ATH-ADX3000」(直販価格165,000円)。
開放型「ATH-ADX5000」のエッセンスを取り入れ、露出したドライバーと自由な空気の流れにより生み出される純粋な音が特徴。「スピーカーとも密閉型ヘッドフォンとも異なる、未知なる音世界」を楽しむために、ブース内は静かな環境になっており、そこでアナログレコードも含めた音源を選びつつ、試聴できるようになっていた。
Austrian Audio
Austrian Audioの新モデル「Hi-X 20」は、プロフェッショナル・ヘッドフォンシリーズのモデル。シリーズ共通のHi-Xドライバーは、測定とリスニング・テストを繰り返し44mm口径を採用。「完璧なバランスの中高音域と、パワフルでコントロールされた低音域を実現した」という。予想売価は22,000円。
HIFIMAN
HIFIMANのブースでは、平面磁気駆動型ヘッドフォン「HE1000 UNVEILED」と、ヘッドフォンアンプ「GOLDENWAVE GA-10」を出展。どちらも11月22日発売で、HE1000 UNVEILEDが456,500円、GOLDENWAVE GA-10が225,500円。
HE1000 UNVEILEDは、フルオープンバックデザインを採用。ナノメートル厚の振動板を採用。低歪み、高いトランジェント・レスポンス、躍動感と解像力の総合的に改善。極めて速いレスポンス・スピード、卓越したダイナミック・レンジと周波数特性を備えたとする。
GOLDENWAVE GA-10は、繊細でクリアな音が特徴というSEPP(シングルエンド・プッシュプル)回路と、厳選された真空管を組み合わせたヘッドフォンアンプ。真空管にはECC83/12AX7およびEL84を採用。
シールドされた特別設計の120Wトランスは、独立した低ノイズ電圧アンプ、左右チャンネル用のステージ電圧レギュレーター回路、低ノイズ負電圧レギュレーター回路を組み合わせて搭載している。