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マークオーディオ、特殊ガラスを振動板に使ったスピーカーユニット「これこそ理想的な点音源」
2025年1月15日 10:11
フィディリティムサウンドは、マークオーディオより、世界で初めてUTAG(Ultra Thin Acoustic Glass=特殊ガラス)を振動板に採用したスピーカーユニット「Alpair 5G」を、クラウドファンディングサイトのGREENFUNDINGで発売する。一般販売時予定価格は24,200円(1ペア)だが、50個限定で20,152円(送料込)などのプランを用意している。クラウドファンディング期間は3月末までの予定。組み合わせて使用できるキャビネットとのセット、アンプとのセットも用意する。
曲がり強度の強い特殊ガラス「Dinorex UTG」の素材を製造する滋賀県大津市にある日本電気硝子(NEG)と、その特殊ガラスをスピーカーコーンに加工する3D加工技術を持つ台湾のGlass Acoustic Innovations(GAIT)、特殊ガラスコーンをスピーカーユニットに仕上げるマークオーディオの3社が関わったプロジェクト。
スピーカーユニットといえばパルプやアルミコーンを使った物が多く、これまでのガラスを使ったスピーカーはその特性上、「キンキンする」「クセが強い」など特に音質に関してポジティブなイメージは少なかったとしつつ、NEGとGAITが作り出した特殊ガラスコーンの登場により、「今までに感じたことのない音のクリアネスや立体的な再現性を実現した」という。
これをマークオーディオが培ってきた経験を活かして製品に昇華。そのサウンドはオーディオ評論家の岩井喬氏が「従来のフルレンジスピーカーよりさらに圧倒的な音離れの良さが印象的で、他素材では感じられないリアリティがありました。特に奥行き感の表現は、これこそが理想的な点音源という感じがしました」と評価する仕上がりだったとのこと。
振動板素材に使われている特殊ガラスは、最近では折りたたみ式スマートフォンのディスプレイにも採用されている、曲げても割れにくい特殊な極薄ガラス。「Dinorex UTG」というブランド名が冠されており、オーバーフロー成形という製法で高い表面平滑性と板厚分布の均一性を実現。そこにイオン強化、欠陥除去の表面処理を加えて強度を高め、薄くても割れにくい素材としている。
もともと折り曲がるガラスが主目的で開発された素材ながら、その特性は「音の伝達速度はチタンよりも速く、質量はアルミニウムより軽く、ペーパーの半分程度の音の損失性と、スピーカーユニットのメーカーには見過ごせない驚くべき内容だった」とのこと。
台湾のGAITは、この特殊ガラス素材をスピーカーコーンに成形することに特化した企業。特許技術を用いて、音響的に特性の良い新素材である特殊ガラスのスピーカーコーンをスピーカーメーカーに販売することを目的に世界的なオーディオショウなどにも積極的に出展している。Hi-Fi用途のメーカー採用は、今回が初めて。組み上げはマークオーディオの広州工場で行なう。
こうした3社の連携により、フルレンジスピーカーユニット「Alpair 5G」が完成。無響室で測定すると「40kHzまでフラットに伸び(測定マイクの保証限界)、低域から高域までの可聴帯域も暴れが少ないという特性が出た」とのこと。8cmフルレンジでエッジはゴム製、マグネットはダブルマウントフェライト、フレームはアルミダイキャスト。
ユニットとセット販売されるキャビネットは「MicroNC5_UTAG_ウォールナット」と「NC5H_UTAG_マホガニー」のふたつ。MicroNC5_UTAG_ウォールナットはウォールナット無垢材をフロントバッフルに、スプルース無垢材を側面に配置したもので、NC5H_UTAG_マホガニーはマホガニー無垢材を全面に採用した10ペア限定モデル。
価格はMicroNC5_UTAG_ウォールナットが10個限定のSuper Early Birdで65,454円(税別)から、NC5H_UTAG_マホガニーが2個限定のSuper Early Birdで100,320円(税別)から。
また、アンプ制作で定評のある47研究所が新開発した30Wインテグレートアンプ「4754」とMicroNC5_UTAG_ウォールナットとのセットも用意。価格は10個限定のSuper Early Birdで140,217円(税別)から。
3月末までの期間中は、東京・渋谷にあるSHIBUYA TSUTAYA 4階のGREEN FUNDINGブースで実機試聴が可能。2月8日~9日には大阪・日本橋でフィディリティムサウンドと共立電子産業・stereoの3社共催による試聴会の開催も予定されている。