ニュース

TAD、550W/4Ω出力の2chパワーアンプ。「Bi-Amp機能」新搭載

「TAD-M2500TX」

テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)は、回路レイアウトの刷新や新たな電源トランスの導入などを行なったEvolutionシリーズのパワーアンプ「TAD-M2500TX」を、4月中旬に発売する。価格は3,520,000円。

定格出力550W/4Ωを実現したパワーアンプで「TAD-M2500MK2」の後継機。おなじEvolutionシリーズのスピーカーシステムと組み合わせることで「TADならではのパワフルでクリアなサウンドを実現する」という。

増幅回路に、入力から出力まで完全に独立したアンプをバランス接続したBTL方式を採用。正負電源の対称のみでなく、すべての電源回路を独立設計している。また、接合部が無い新デザインのアルミ削り出しシャーシを使うことで、対称性の基準となるアースポイントのさらなる低インピーダンス化も実現した。

電気面、構造面から新たにアースポイントを設計し、ファーストステージの回路およびレイアウトも刷新するなど、正負左右の対称性を追求している。

1kVAクラスの大容量トロイダル型電源トランスによる電源回路も改良された。電源トランスの内部巻線を直出しすることで、引き出し線との接点を極力削減し高純度化を追求しつつ、直出し線のターミナル、基板マウントターミナル、締結ビスには、非磁性のメッキと無酸素銅(OFC)を採用して、磁性歪を排除。

また、トロイダルコアの断面もスクエア型からリング型にすることで巻線との結合を高め、リーケージと振動を大幅に減少させることで、「純度が高く、応答性に優れた」電源供給が可能になり、正確なスピーカー駆動を実現している。

シングル構成のクラスD出力段には、低損失と高速性を兼ね備えた超低オン抵抗・リードレスパッケージのパワーMOSFETを採用することで、応答性が高く、しなやかで力強い音質を実現。アルミ削り出しシャーシの放熱構造により、余裕をもって550W/4Ω×2chのハイパワーをドライブできるという。

その新デザインシャーシは、約90kgのアルミブロックから削り出したもの。質量が大きく接合部がないため、外部からの振動に強く、電気的に安定したアース電位を獲得し、安定した音楽信号をスピーカーへ送出できる。

また、スパイク内蔵型インシュレーターによる3点支持構造を採用しており、床からの振動影響を低減したISOマウントを実現。荷重ポイントの明確化や床からの振動の影響を低減することで、アイソレーション性能を高めている、

さらに「Reference シリーズ」で採用している強固かつ高品位な大型スピーカーターミナルも投入。機械的、電気的な接続安定度を向上し、スピーカーケーブルの能力を最大限に引き出すとする。

スピーカーの各ユニットと各アンプを直結することで、ユニット間での干渉を排除し、セパレーションを向上させる「Bi-Amp機能」を新搭載。TAD-M2500TXを2台使ったバイアンプ接続では、「アンプとスピーカーが持つ本来の性能を引き出し、歪の少ない澄んだ音を再現する」という。

周波数特性は10Hz~50 kHz、+0dB-3dB。ゲイン(利得)は29.5dB、SN比は112dB以上。入力端子(感度)は1.5V/100kΩ(バランス)、0.75V/50kΩ(アンバランス)。消費電力は250Wで、外形寸法は440×467×170mm(幅×奥行き×高さ)、重さは42kg。