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TAD、真空蒸着ベリリウム振動板を採用した新Evolutionブックシェルフ「TAD-ME1TX」
2025年1月30日 16:00
テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)は、Evolutionシリーズのブックシェルフ型スピーカー「TAD-ME1」の後継機種となる、「TAD-ME1TX」を3月中旬より順次発売する。カラーはブラックとシルバーホワイトの2色で、1台の価格と発売時期はブラックが847,000円で3月中旬、シルバーホワイトが869,000円で4月上旬。
組み合わせるスピーカースタンド「TAD-ST3TX」も用意し、ブラックがペアで286,000円、シルバーホワイトが同308,000円。それぞれ、スピーカーと同時期発売となる。
TAD-ME1で採用していた「Bidirectional ADS(Aero-Dynamic Slot)ポート」を継承しながら、上位モデルと同様の真空蒸着法で製造したベリリウム振動板をCSTドライバーのツイーターに採用するなど、細部にわたって刷新している。
3ウェイのバスレフ型。点音源再生を実現するため、位相の一致したポイントから広帯域にわたって指向性をコントロールして再生する中高域用の同軸スピーカーユニット「9cmCST ドライバー」を搭載、
ミッドレンジのコーンで同軸配置したツイーターの指向特性を制御し、ツイーターとミッドレンジのクロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させることで、全帯域で自然な減衰特性と指向放射パターンを両立。CSTドライバーのみで420Hz~60kHzの広帯域再生を実現している。
ツイーターには、独自の蒸着法で製造した25mmベリリウム振動板を採用。軽量で剛性に優れたベリリウムを採用し、コンピューター解析による最適化手法のHSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)を用いて形状設計し、分割振動とピストンモーションの最適なバランスを追求する事で、60kHzまでの超広帯域再生を実現した。
ミッドレンジには、軽量かつ内部損失の高いマグネシウム合金を用いた振動板を採用。新たに、陽極酸化処理と塗装による複合処理を施して表面硬度のさらなる向上と損失付加を図るとともに、ボイスコイルからのリード引き出し部のわずかな共振を抑えることで、歪みの少ない澄み切った中音を実現した。
磁気回路を抱えるフレームバスケットのアーム部の形状も見直し、大幅な強度アップとミッドレンジ背面におけるスムーズな音波の伝搬を実現したという。
ウーファーは、アラミド織布と異素材の不織布をラミネートしたMACC振動板を採用。LDMC(Linear Drive Magnetic Circuit)を搭載した磁気回路をブラシュアップして駆動系のリニアリティーを高めるとともに、発泡ポリカーボネートのコルゲーションエッジによる支持系の高いリニアリティーにより、歪みのないクリアで豊かな低音を再生するとのこと。
ウーファーフレームも強力でリニアな駆動力を受け止めるようアーム部の形状を見直し、強度アップとスムーズなエアフローを実現した。
筐体は、高剛性のバーチプライウッド(樺合板)を骨組みに使用し、内部損失の高いMDF材と組み合わせることで高い強度と低共振を実現する「SILENTエンクロージャー」を採用。
左右の側板に、厚みを増した5mm厚の鋼板パネルを装着することで、キャビネットの共振をさらに低減。エンクロージャー内部の定在波解析を行ない、最適な吸音材を選定して効果的に配置することで、音像・音場に悪影響を及ぼす内部定在波を排除した。
バスレフポートとして、スリット形状のダクトをエンクロージャーの両サイドに設置。開口部をホーン形状にすることで、滑らかな空気の流れを実現するポートシステム「Bidirectional ADS ポート」を継承。大振幅時のポートノイズを低減するとともに、ポートからの内部定在波の漏洩を抑制することで、レスポンス良く豊かな低域を再生する。ポートの開口部を前後・左右対称にレイアウトすることでポート駆動による振動を打ち消し、自然な低域を再生できるとする。
全体の再生周波数帯域は36Hz~60kHz。クロスオーバー周波数は420Hz、2.5kHz。出力音圧レベルは85dB(2.83V・1m)、最大入力150W。定格インピーダンスは4Ω。外形寸法は254×402×411mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は21kg。
スピーカースタンドの外形寸法は376×437×642mm(幅×奥行き×高さ/スパイク未装着時)で、重量は16kg。