パイオニア、“上から降る音”の体験ルーム公開

-「ACCO」のiPod用オーディオなど。年末発売


イベント期間:5月29日~12月22日(休館日を除く)


 パイオニア株式会社は、5月19日に発表した、住宅設置型オーディオ製品の新ブランド「ACCO(アッコ)」第1弾製品を体験できる展示会「Pioneer Built-in Audio Gallery Supported by OZONE」を5月29日~12月22日に東京で行なう。一般公開に先立ち、28日にマスコミや関係者向けの体験会が行なわれた。

 展示会の場所は東京・新宿のリビングデザインセンターOZONE 7F(東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー)。時間は10時30分から19時まで。なお、毎週水曜日と、8月10日~14日は休館日となっている。

A-IW001。iPod touchとの組み合わせ時

 会場には、発表された壁埋め込み型のステレオアンプ「A-IW001」、天井埋め込み型スピーカー「S-ICH125」のプロトタイプを設置したモデルルームを用意。ダイニング、キッチン、寝室などをイメージした各コーナーで体験できる。

 これらの製品は2009年末の発売で、価格は組み合わせによって異なるが、14万円~20万円前後の見込み。施工・取付には電気工事士の免許が必要で、建材店やリフォーム業者などを通じて販売される。


ダイニングとキッチンをイメージしたコーナー天井の2カ所に埋め込みスピーカー。直径は照明と同サイズだという

 ACCOは、AcousticとConditionを組み合わせたブランドで、ロゴに付いているアスタリスクに「暮らしを彩るアクセントとなるようにとの思いを込めた」という。住宅設置型オーディオ製品の新ブランドとして展開し、新築住宅やリフォーム需要向け住宅設備機器市場に2009年末より本格参入するとしている。


ACCOのコンセプト展示コーナーの構成新製品の特徴

 「A-IW001」は、外形寸法223×37×126mm(幅×奥行き×高さ)のアンプユニットと、iPodドックがセットになった製品。Dockコネクタ搭載iPodを接続することで、iPod内の音楽再生と、曲送り/戻しといった操作が行なえる。なお、iPhoneはサポートせず、「普段持ち歩く機器をドックに装着するよりは、常にドックにつなげておくプレーヤーとしてiPodを利用するイメージ」だという。底面にステレオミニ入力を備え、iPod以外のプレーヤーも接続できる。

 側面にSDカードスロットを備え、カードにプリインストールされた環境音を再生することも可能。iPodの楽曲とミックスして再生する「サウンドスケープ機能」が利用できる。環境音は付属SDカードに約50種類収められており、1つのトラックをシームレスにループ再生するようになっている。


A-IW001は側面にSDスロット、底面にステレオミニ入力を備えるiPodドック。メインユニットと並べた形で設置する

 iPodや環境音以外に、インターネットラジオ端末としても利用可能。J-WAVEと協力し、PC向けでは必要なユーザー登録無しでJ-WAVEのネットラジオを聴くことができる。パイオニアのミュージックレシーバ「PDX-Z10」と同等のネットラジオ機能を備え、J-WAVE以外にも国名やジャンルなどを選択する方法で選局できる。

 さらに、別途配線を施すことで、テレビからの音声入力も想定。家庭用コンセントのスペースに、RCAコネクタを設置することで、屋内配線を通じて音声入力できるという。

 タッチパネルを使った操作部とディスプレイ部の表面はフラットな形状で、ハードコート処理を施した光沢仕上げ。汚れがついてもふき取りやすくなっている。

iPod nanoとの組み合わせ背面。取り付け具に住宅設備向けの規格に沿った部品を使っており、コンセントなどを設置する業者に依頼して設置できることが特徴浴室やトイレなどをイメージしたパネル展示も

 スピーカーの「S-ICH125」を2台使用することでステレオ再生が可能。スピーカーは無指向性で、フルレンジユニットを使用する。2台をダイニングとキッチンに分けて配置し、どちらか一方のスピーカーのみで出力することも可能。その場合は1つのスピーカーで2chをミックスして再生する。

 また、不要振動が建物の構造体に伝わるのを防ぐ「ISOマウントテクノロジー」と、背面カバーを二重にした「Wバックチャンバー」で音漏れを低減する「迷惑レススピーカー」になっている。

 「S-ICH125」の取り付け寸法は、125×90mm(直径×奥行き)。そのほか、2ウェイ構成で取り付けが200×90mm(同)の「S-ICH200」と、1台でステレオ再生できるダブルツイータ搭載で防滴仕様、取り付けが200×90mm(同)の「S-ICH200D」も用意する。

スピーカーも3種類を展示寝室をイメージしたコーナー。枕の奥の部分にスピーカーが埋め込まれている。参考展示のベッドはリクライニング式で、フランスベッド製スピーカー部


■ オーディオの非常識を常識に

従来オーディオ機器とのコンセプトの違い。「非常識を常識に」を目指す

 新しい取り組みについて同社は、従来の「原音に忠実な再生に向けて最高の技術を投入し、ラックやシェルフに置いて使う」という常識を超えて、エアコンや照明のように、環境を“音”で快適にするために、住空間に機器をビルトインする“非常識”を常識にしたいという。

 今回の製品では“上からふる音はここちよい”をキーワードとし、上からの音と環境音で「あたかもお部屋が森林やリゾート地に」といったイメージで提案するとしている。



(2009年 5月 28日)

[AV Watch編集部 中林暁]